(卯月廿九日) 企業物価指数  経済

昨日日銀が発表した5月の企業物価指数は前年同月比でプラス0.4%と1年5ヶ月ぶりに上昇に転じたという。原油など原材料価格が上昇しており、企業同士の取引価格を押し上げたのが要因としている。しかし日経は内需の回復力は鈍く、企業は値上がり分を最終製品の販売価格には転嫁しにくく消費者物価に及ぼす影響は限られるとし、さらに当分は「資源インフレ」と「最終製品デフレ」が併存する可能性が高いとしている。

しかしそろそろインフレとデフレと云った表面的な意味から脱却すべきではないだろうか。そもそも日本経済の骨格は「ものづくり」である。海外から平和的手段で原料、燃料、食糧などを輸入して、加工して製品を作り国外に付加価値をつけて輸出し、それで得た付加価値を国内で循環させて成長を図ると云うことである。輸出はGDPの2割ぐらいだが、内需の個人消費もこの循環からの付加価値を基にしたものである。

失われた20年というのは、国内からの輸出による付加価値が伸びずに、海外工場からの輸出が増えて国内に付加価値が回らなくなり、国内の生産能力が過大となり、さらに国内で循環する付加価値が減少していった期間でもある。

今回の企業物価の上昇は、日本経済の骨格の原料・燃料の輸入が、これまでは合計8億人の先進国経済からの原料・燃料輸入需要が、新興国の成長による40億人の先進国及び新興国からの原料・燃料需要に変わったことで、需要に供給が追いつかなくなったことが主因である。「日本経済の骨格が加工貿易」であるのと同様に「原料・燃料輸入を必要とする人口の増加による価格上昇」ということも世界経済の骨格である。

人口減が近い将来の重大な問題となる日本にとって、この世界経済の骨格は日本経済に対し根本的な変換を求めているわけだ。
0




AutoPage最新お知らせ