(皐月廿壱日) 豪州の資源税  経済

豪州の資源新税が合意したようだ。この件ではラッド首相が鉱山会社の労働者から雇用不安を訴えられ、党内基盤を失って辞めざるを得なくなったが、ギラード新首相が新税の対象を鉄鉱石と石炭に限定したうえで、税率を40%から30%に引き下げるなど資源業界に譲歩したことでようやく合意に達したようだ。

この資源税には前例があって、資源価格上昇の分け前を政府により多く持ってこようと、数年前に石油とガスに利益の4割の石油資源利用税を課したのである。残りの利益にも3割の通常法人税がかかるので、実に利益の58%課税されているのだ。この辺の柔軟性は日本政府も見習ってほしいね。一律だと不平不満が出るけど、一部の業界に厳しくすれば他の業界のストレス発散になり、落ち着いてしまうと云う行動心理を。

だが、この新税制で大手資源会社のBHPビリトンやリオティントの収益が低下し、競争が激しくなると思っていたら大間違いとなる。鉄鉱石と石炭に絞ったおかげで、中小規模の鉄鉱石・石炭企業は1〜2の採算の悪い鉱山しかなく、価格転嫁は難しく利益減少に直結する。ところが、BHPビリトンやリオティントは、鉱山が高採算であるだけでなく、今回課税されない他の鉱物からの利益も多いので優位性はより高まるはずである。

もし豪州企業だけ値上げして他の海外ライバルが追随しなければ豪州企業の一人負けになるが、鉄鉱石と石炭の輸出キャパシティはそう多くない。したがって海外ライバルも便乗値上げしてまだ埋めきれていない輸出量を価格で回収するはずである。

つまり豪州中心で鉄鉱石・石炭を輸入するアジアの鉄鋼会社などが、価格転嫁されて支払が増えることになりそうだ。
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