(水無月壱拾壱日) 住宅事情  経済

先週号の英エコノミストに四半期毎の住宅価格の世界比較が掲載されている。今週は米国の住宅に関する経済指標も多いので、メモを残しておこう。

第一に好調なのは当然アジアである。特にシンガポールは香港を抜いて2010年第1四半期では年率38.1%も上昇している(前年同期は−21%だった)。シンガポールに抜かれた香港でも同28.5%上昇である(前年同期は−13.6%)。第3位はこれまた経済好調のオーストラリアで年率20%の上昇(前年同期は−5.5%)。特にオーストラリアは、金利と賃貸料を勘案した後、主要国で最も割高な住宅価格となっている。強いて例を挙げれば、かつてのバブル期の状況とよく似ており、経済的に説明が出来ない住宅価格の上昇となっている。

4位以降では、ワールドカップで賑わった南アフリカの15.2%、そして世界経済を牽引する中国の12.4%の上昇が続いている。エコノミストによれば、中国の前年同期は僅かに−1.1%であり、中国政府が不動産高騰に躍起となるはずである。そしてイギリスは意外にも8.7%の上昇となっている。前年同期で下落率が最も大きかったのはアメリカで−19%なのだが、イギリスはこれに次ぐ−16.6%だった。したがってこのリバウンドは意外感もあるが、実際に回復基調にあるようだ。

さて注目のアメリカだが、主要10大都市部では前年の−19%から+4.6%に回復してきている。しかし米国全体では前年の−18%から僅かに2%の上昇に留まっており、回復の足取りは他の国に比べて重い。ちなみに別の調査(FHFA)では、米国全体では前年同期の−3.5%から今期は−6.7%と更に悪化しているとの調査結果も出ているので、私としてはこちらの数字の方が実態に近いような気がする。

ところで日本の住宅価格事情は、エコノミストによると昨年同期の−3.4%から今期は−4%と引き続き下落傾向が続いている。このように前年同期比で悪化ないし下落傾向がとまらないのは、イタリア(−1.2%から−4.1%)とアイルランド(−11%から同じく−11%)ぐらいだ。

以前にも述べたように、この低迷している日本の住宅市場に台湾の不動産会社が日本の企業と提携して中国の富裕層に日本の不動産を仲介するビジネスを始めており、中国本土のインフラの悪いにもかかわらず割高になり過ぎたために。近隣の香港やシンガポールと触手を伸ばし、とうとう日本にも手を伸ばし始めたわけだ。日本での外国人の不動産取得は特段の制限もなく、中国本土の法制度の不備を考えれば、日本での不動産所有者の権利は十分確保されている。先ほどのオーストラリアと反対に金利と賃貸料を考慮すれば、日本の今の不動産は世界の水準から見れば非常に割安なのである。近い将来、というか今や株式と同じで不動産も外国人頼みという状態なのである。気がつけばお隣は中国人という時代はすぐそこに迫っていると云ってもいいのである。これをみて馬鹿専門家は日本の住宅事情も改善に向かっていると云うに違いない。
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