(文月壱拾参日) 年金給付  経済

先週の日経を読んでいたら考えさせられる記事を目にした。

GMが株式を再上場するらしいが、倒産からわずか1年というスピードである。同じ日の日経には年金債務の算定に使う割引率を引き下げる日本企業が増えているという記事があった。異なる2つのニュースだが、実は密接な関係がある。GMが破綻したのは、現&元従業員に支払う退職給付等の支払額が巨額になって毎年赤字を余儀なくされたからである。ではなぜ退職給付等の支払額が増えたかというと、他にも要因はあるがアメリカの金利が低くなってきたことも大きいのだ。

退職給付債務は将来支給する退職金の支給見込額から、割引率を用いて現在価値に直して算出する。割引率とは今の退職債務準備金を将来の支払のために増やすための金利のこと。割引率が高ければ運用で増える額が大きくなるから債務は減り、割引率が低ければ運用で殖やすことが出来ないから債務は増える。GMは金利が下がったため退職給付債務が増えて赤字になり倒産した。倒産したために退職給付債務も大幅に減ったのと、もともと本業からの利益は多かったので、今は一転して高収益になり、上場可能になったというわけだ。

日本企業の場合はGMが破綻するに至った途中にあると言うわけである。しかも今年から割引率の金利を末の金利に一本化された。従来は過去5年平均の債券の金利を基に割引率を決めることができたので、割引率を変える必要は少なかったが、今の0.9%の長期国債金利では大幅に割引率が下がってしまう。金利が0.5%下がると退職給付債務は1割増えるので、強制的に割引率を下げざるを得ない企業が激増しているのである。

金利の低下は運用側には大変な問題となっている事実をもっと認識すべきである。
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