(文月壱拾六日 望) 地蔵盆  社会

地蔵菩薩の縁日は毎月24日であるが、月遅れの盂蘭盆会の昨日は各地で地蔵盆が行われていた。地蔵盆は主に西日本で盛んで特に関西ではごく当たり前の夏の行事である。武庫之荘の教室に自転車で通っているのだが、その途中にもおばちゃん方が集まって読経を唱えていた。

街角にある柔和で丸っこいお地蔵様を民俗学者の宮本常一は「世を明るくしようとする人々の意思と愛情」と評したが、先立った子が無事に三途の川を渡れるようにと親はお地蔵さんに祈りを捧げてきた。しかし今はTVCMで親の虐待をお上に知らせよというお触れが回っている世の中である。親に放置され命まで失う子供が後を絶たない世情をお地蔵様はどう見ているのだろうか。

地蔵盆では提灯に子供の名前を書いて奉納しているところもあるが、今は個人情報保護法という使い勝手の悪い法律のせいで苦労している町の裏方も多いのではないだろうか。10日前は帰省ラッシュだけが目についたが、自転車でゆっくりペダルをこぎながら、街角に揺れるほのかな明かりを見ながら、そろそろ日本の夏も終わるのかなと思っていたら、虫の声が聞こえてきた。昼はまだまだ、というか夏真っ盛りだが、夜はそろそろ秋の帳が近づいている。
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