(葉月壱拾七日) ズレ  社会

ニュース性のある出来事のあった日と、それを報道関係者が知った日には必ずズレがある。今回の検察の犯罪は昨年7月13日に行なわれた。上層部が犯行を認知したのが、今年の1〜2月だった。今回すっぱ抜いた朝日新聞が認識したのが7月である。そしてニュースとして報道されたのが21日である。

人の口に戸は立てられないから、ズレが長ければ長いほど、出来事を知る人間は増えるし、出来事に手を加える余裕も生まれる。まるで企業のインサイダー情報の管理と同じ構造である。

実際その出来事がとある株の株価にインパクトを与えるものなら、知った人間が増えて、その出来事に基づいて売買が行われ、株価が変動してしまっている可能性が高い。ニュースとして流れた時に「この話は株価上昇をもたらす」と誰もが思う話なのに、実際の株価は下がってしまったという事例が株式市場では頻繁に起こる。これは、ニュースの前に出来事を知って買った人が、ニュースで初めて知って買い注文を入れた人に売りをぶつけて利食いするからである。

こういう事例が多いので、良く「ニュースが出たら売り」と相場格言で言われるが、これは正確ではない。情報把握にかかる日数が長いニュースはニュースのもたらす反応と逆の価格変動になりやすい、と見るのが正しいのだ。

そういう意味で私に最大の違和感を抱かせるのが7月に知ってから9月まで他社に抜かれたら努力が水の泡になる特ダネを2ヶ月も報道せずにいたことである。村木氏の判決に影響を与えるという正論があったのかも知れないが、投資常識から見れば、犯人も検察も新聞社にも出来事を利用して、なんらかの行動を起こすにはたっぷり時間があった。今までに報道されていない出来事が山のように出てくるのではないか。
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(葉月壱拾六日 秋分の日) 団塊世代  社会

映画「ALLWAYS 三丁目の夕日」は主人公の星野六子(堀北真希)が青森からの集団就職で上野駅に到着するところから物語は始まった。建設中の東京タワーが登場することから、1958年(昭和年)春の時期である。当時私は2歳。

日本が高度成長し始め、都市での働き手が足りなくなってしまったので、東北を初め地方から集団で都会へ送り込まれた働き手は金の卵と呼ばれ、都会へ集団就職に来た中卒の人たちが多数いた。その六子は今や67歳。夫のために介護施設のことを真剣に考える歳になった。集団就職で上京してきた先輩や仲間の数がものすごく多く、前から都会に住む老人と合わせて膨大な数に上り、介護施設が多数必要になっているからである。

高齢化というと地方を誰もが思い出すが、六子のように中卒あるいは高卒で東京に出てきた少年少女は既に定年を迎え年金生活に入っている。彼らは故郷に帰るわけでもなく、首都圏につつましい住宅を建て暮らしている。したがって首都圏は高齢化する勢いが高く、今では新たに高齢化する老人の3人に1人は首都圏在住なのである。

日本で最も介護施設が必要なのは首都圏なのに、首都圏の都県の準備ははこのスピードに遠く及んでいないのが現状だ。その特養がどれだけ酷いサービス内容であろうとも、入所できるだけで幸せなのが現状だ。しかし需要が供給を圧倒的に凌げば、サービス価格は上昇し、サービス内容が低下するのは自然の法則である。

団塊の世代はどこまでも競争の世界なのである。
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(葉月壱拾五日 望) 中秋の名月  社会

毎年12ないしは13回の満月があるのに、なぜか特別扱いされる中秋の名月。以前何かのクイズ番組でみた記憶があるのだが「八月十五日」と書いて「なかあき」と読む名字の方がおられるようだ。「なかあき」=「中秋」のことで昔から八月十五日の月を「中秋の名月」と呼んできた

日本の一年には「春夏秋冬」の四季がある。旧暦では三ヶ月毎に季節が変わり、「一・二・三月」は春、「四・五・六月」は夏、「七・八・九月」は秋、「十・十一・十二月」は冬と分けられる。そしてそれぞれの季節に属する月には初・中・晩あるいは、孟・仲・季の文字をつけて季節をさらに細分した。たとえば旧暦四月は「初夏」あるいは「孟夏」となる。(孟・仲・季の文字は中国では兄弟の年の順を表す場合に用いられ、孟は年長者、仲は真ん中、季は末っ子を表す)

この季節の細分によれば、「八月」は秋の真ん中で「中秋」あるいは「仲秋」となり、旧暦の暦月の日数は29日か30日のいずれかなので、15日は暦月の真ん中の日と考えることが出来る。旧暦の八月十五日という日は秋の真ん中の月の真ん中の日、つまり秋全体の真ん中の日と考えられるので、この日のことを「中秋」と言う。旧暦は太陰暦の一種ですから日付は空の月の満ち欠けの具合に対応している。したがって月の半ばである15日の夜の月は必ず満月か満月に近い丸い月が見えるので、「十五夜の月」=「満月」となるのだ。

中秋の日の夜に澄んだ秋空に昇るこの丸い月はやがて中秋の名月と呼ばれるようになり、これを観賞する風習が生まれた。秋は収穫の時期でもありその年の収穫物を月に供える風習が各地に残っている。「芋名月」などの呼び名はここから生まれたものだと考えられる。(四国の実家でもそうでした)現在月見団子を供えるのも芋を供えた風習の変形だろう。(つまり団子は芋の代わり)。

さて、ここで実際の旧暦八月十五日の中秋の名月を調べてみると、実は満月でないことが多い。これは旧暦壱日の決め方のせいなのである。旧暦の壱日は「朔(新月)となる瞬間を含んだ日」なので、0時0分に朔となる日も、23時59分になる日も同じく「一日」になる。したがって旧暦15日の月齢は、最小13.0,最大15.0,平均14.0となる。新月から満月までの平均日数は約14.76日なので月齢平均よりも0.76日長くなるというわけだ。

今年はようやくこの期に及んで秋らしくなったが、来年のカレンダーを見ると中秋の名月は9月12日となっている。今年のような猛暑であれば12日はまだまだ残暑厳しく、お月見どころではないだろう。でもマクドの月見バーガーは来年も登場でしょうが(笑)
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(葉月壱拾四日) 中国人の不動産投資  経済

最近TVなど日本メディアで中国人投資家の日本の不動産投資のホットな動きがよく紹介される。赤字経営のスキー場、温泉旅館、保養所などが中国人の買い手を探して大々的に売り出されているという。まるで日本列島が丸ごとバーゲンで売られているような状況である。

一方の中国では、外資による投資を「外商投資産業指導目録」によって「奨励類」「制限類」「禁止類」に分類し、制限している。外資の投資に対して、「外資の思い通りにはさせない。あくまで采配は中国政府が握る」としている。少なくとも現在、上海で外国人が不動産を購入するには、1年以上の居住が条件だ。

さらに購入に当たっては、身分証明とともに居留証、労働許可証など(いずれも名前を公証させることが義務)の提出が求められ、すべて中国語訳をつけた提出資料を北京市で審査する、という手順を踏まなければならない。少なくとも、日本では許される「短期滞在者の購入」などはあり得ない。「申し込み」と「承諾」さえあれば、外国人との間の不動産取引(現金)が成立する日本とは大きく異なるのだ(日本でようやく「本人確認」が必要とされるようになったのは最近の話である)。

よく日本への投資については閉鎖性が言われるが、こと不動産に限っては門戸開放の典型的な例になっているのだ。中国人投資家でもいろいろな人がいる。池袋北口へいけばその現実に驚愕する。対応を誤れば大変なことになる覚悟を日本人はもっているのだろうか。
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(葉月壱拾参日 敬老の日) たまには電話を  プライベート

敬老の日ということで四国の実家に電話。そろそろ稲刈りのシーズンなので疲れているかなと思いながらコールしたが、なかなか出ない。母親は最近足が相当悪く、ほとんど歩けない状態で電話口になかなか出てこられないのは承知しているが、父親に何かあったのかとふと不安になる。

上の姉に電話してみると何も聞いていないという。高松の姉が昨日まで稲刈りを手伝っていたので、今度はここに電話するとここでも何もという。やはり気になってもう一度電話すると元気な父親の声がしてほっとした。直前に上の姉から電話があったようで、何もないよと笑い声で。。。よかった。よかった。

八五歳と八三歳の老々介護で本当に親不孝な長男。親の世話を姉たちに任せ、稲刈りなども義兄たちに頼っている。たまには電話だけでなく、今年のお盆のように日帰りで孫の顔を見せてやろう。
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(葉月壱拾弐日) NPOフォーラム  社会

神戸で市民活動の基盤を考えるフォーラムがあったので、職業訓練のOJTの一環として参加した。感想はレベルが高すぎてついて行けない。NPOでも何でもそうだけど、組織の完成度は月とすっぽんという状態はどこにでもある。今日の会合はトップレベルの会合で、初心者のわたしにはついて行けなかったということだ。

この会合によると民主党政権下ではNPOを含め、寄付金控除の大幅拡大が可能になろうとしているが、これが鳩山前首相の肝いりというからご自身の税金逃れを主眼としているのではと勘ぐってしまった。参加者には公務員の人も多く、この中の何人が確定申告をしているのだろうかと疑ったのは私一人だろうか。

机の上の議論が好きなというか、慣れている人は現場がどうなっているのか知らないことは多い。今日の会合もその思いが一層募ったのである。
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(葉月壱拾壱日) 中国の野望  経済

尖閣列島沖の中国漁船の違法行為が日中関係に緊張感を与えている。体制が違うことのリスクを今ほど感じることはない。その中国に進出している企業も多いが、この問題である問題が浮かび上がろうとしている。

それは進出した日系企業が中国の税務当局から巨額の追徴課税を受けるリスクが高まっていることである。この中国当局の武器は「移転価格税制」である。中国もようやく法制度が完備され執行体制も整いつつあるようだ。数年前、武田薬品工業やソニーなど一流企業が相次いで日本の国税当局から100億〜1千億円単位の申告漏れを指摘された時の「悪夢」が、舞台を中国に変えて再び甦ろうとしているのである。

中国国家税務総局で国際課税部門を統括する夏光宇・国際税務司反避税処副処長は今年3月、東京で開かれた税務の専門家らとの会合に出席し「今後、移転価格調査を積極的に推進する。製造業だけでなく、これからは百貨店やホテル、サービス業など他業種にも広げ、無形資産取引についても強化する」と宣言している。

中国当局は、今や幅広い業種で日本の本社との無形資産取引が盛んな日系企業をターゲットにしようとしているのだ。この無形資産とは、技術ノウハウやブランド使用料などを指す。無形資産をめぐる課税はつい最近まで、日本の国税当局の「十八番」だった。

たとえばホンダは2008年、中国の合弁企業が日本の本社に支払ったロイヤルティーが低すぎるとして、東京国税局に1400億円超の申告漏れを指摘されたと公表した。信越化学工業が同年に約110億円の追徴課税(なおほぼ全額が後に還付決定)をされたのも、米子会社から本社が得た技術料が少なすぎると判断された。

中国が今回の問題の対抗策にこの課税を執行する可能性は高いと私は思っている。杞憂に終わればよいのだが。
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