(葉月壱拾七日) ズレ  社会

ニュース性のある出来事のあった日と、それを報道関係者が知った日には必ずズレがある。今回の検察の犯罪は昨年7月13日に行なわれた。上層部が犯行を認知したのが、今年の1〜2月だった。今回すっぱ抜いた朝日新聞が認識したのが7月である。そしてニュースとして報道されたのが21日である。

人の口に戸は立てられないから、ズレが長ければ長いほど、出来事を知る人間は増えるし、出来事に手を加える余裕も生まれる。まるで企業のインサイダー情報の管理と同じ構造である。

実際その出来事がとある株の株価にインパクトを与えるものなら、知った人間が増えて、その出来事に基づいて売買が行われ、株価が変動してしまっている可能性が高い。ニュースとして流れた時に「この話は株価上昇をもたらす」と誰もが思う話なのに、実際の株価は下がってしまったという事例が株式市場では頻繁に起こる。これは、ニュースの前に出来事を知って買った人が、ニュースで初めて知って買い注文を入れた人に売りをぶつけて利食いするからである。

こういう事例が多いので、良く「ニュースが出たら売り」と相場格言で言われるが、これは正確ではない。情報把握にかかる日数が長いニュースはニュースのもたらす反応と逆の価格変動になりやすい、と見るのが正しいのだ。

そういう意味で私に最大の違和感を抱かせるのが7月に知ってから9月まで他社に抜かれたら努力が水の泡になる特ダネを2ヶ月も報道せずにいたことである。村木氏の判決に影響を与えるという正論があったのかも知れないが、投資常識から見れば、犯人も検察も新聞社にも出来事を利用して、なんらかの行動を起こすにはたっぷり時間があった。今までに報道されていない出来事が山のように出てくるのではないか。
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