(神無月七日) 杉並学院ゴルフ部  スポーツ

杉並学院と云えばゴルフの石川遼の出身高校であることで有名だ。2007年に彼が高校一年でプロトーナメントを制したが、その翌年の4月から同校のゴルフ部のコーチに就任したのが鷹巣南雄である。鷹巣と云ってもプロの優勝は5勝であり、今時の高校生ゴルファーは全く知らないだろうし、その親の世代の30代も知らない人の方が多いのではないか。しかし試合にいくと役員が鷹巣のもとに挨拶に来るので、ようやくうちのコーチはすごいらしいとなる。まるで水戸黄門の世界である。コーチといったが今は監督である。このいきさつはややこしいらしい。石川が優勝した当時の監督は吉岡で、吉岡がコーチを鷹巣に頼んだのである。

鷹巣は天職のように高校生に教えているようだが、その面倒見の良さは現役時代から選手会の会長を務めており、その顔の広さは誰も敵わない。我孫子ゴルフのキャディーがゴルフのきっかけだが、ともに働いていたのが青木功である。鷹巣は天才肌で青きより一年半も前にプロに合格している。青木のパターの良さは天性だが、フックがひどくてなかなか勝てない時期があった。青木はもういいやと思っていたが、鷹巣に球筋の変更手術を頼んだのだ。鷹巣の献身的な40日間のレッスンでその球筋ががらりとかわり、まっすぐと飛ぶようになった。世界の青木は鷹巣のおかげでもあるのだ。

でも鷹巣はそれを自慢するわけでもなく、青木が自分で道を切り開いただけという。そういうわけで、杉並学院のゴルフ部監督の指導方針は「自分で道を切り開く」ということになる。石川遼のその後を見れば、この指導方針が生きているようだ。
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(神無月六日) アイルランド危機  金融

アイルランドの大手銀行は不動産開発大手に融資し、焦げ付いた。大手銀行を破綻させまいと、アイルランド政府はアングロ銀行に約4兆円の支援をしようとしている。残るアライドアイリッシュ銀行、バンクオブアイルランドにも合わせて約2兆円の支援をしている。

常識的に考えれば、アングロ銀行と他2行の融資先は同じなので、2行も合わせて約6兆円の追加支援が必要になる。もしアライド銀行の損失が公表より大きいなら支援額はもっと多くなる。

アイルランド政府はお金がないので、国債で調達したいが、今や欧州一の信用不安をもたれているので民間では買ってくれない。記事にある「国債を国内銀行が買う」ことはアイルランドでは当てはまらないのでEUから借りるしかない。

ただ、景気状況が悪く、不良債権も膨らむ一方のアイルランド政府がギリシャの4倍の約80兆円の債務を返すことや、国内大手3行の債務を無事返済できるかは見通しが暗い。

アイルランドは金融危機の傷がひどかったが、景気刺激策はほとんどせず2年の緊縮予算を執行して、今年もマイナス成長が見込まれている。要は日本の財務省の理想の仕事をした。しかし国内産業が弱く経済成長への手だてがないので、デフレスパイラルに陥る寸前で更に成長率は下ぶれしそうだ。

そうなると、アイルランドを支援しているEUやアイルランド国債や銀行債務を多く保有するドイツ、イギリス、フランスの銀行へのドミノ現象がおきる。ギリシャ危機で大きく世界の金融市場が慌てて、リスク投資を忌避して株価等が大きく下がったが、あのとき以上の激震が起きる寸前となっているのである。
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神無月五日) 石油の真実  

国際エネルギー機関(IEA)は9日、2010年の「世界エネルギー見通し」を発表し、現在のエネルギー政策を各国政府が継続した場合のシナリオとして 2035年の原油価格が1バレル243.8ドルに上昇すると予想した。田中伸男事務局長はエネルギーを巡る状況について「前例のない不確実さに直面している」と述べた。IEAの事務局長は日本人だが、今回の発表について日本のマスコミはほとんど取り上げていない。

その「見通し」は温暖化対策や省エネなど各国政府の政策の実現規模に対応して3つのシナリオを用意。各国政府が表明済みの温暖化対策を実行に移した場合の中心シナリオでは35年の価格は1バレル204.1ドルと予想した。思い切った温暖化対策が採用された場合のシナリオでは1バレル162.6ドルと予測している。

この半世紀は「安い石油の時代」と呼ばれる。現在の世界のシステムは輸送も動力源も電力も衣服も日用品も低価格の原油が供給されることを前提に出来ている。この前提が崩れる可能性が高いと指摘するのが、今日のIEAの報告書である。

中国も含めて世界中が地球温暖化を避けるために化石燃料の利用を大きく制限し、原油需要は今と変わらないとする、現実とは異なる夢のようなシナリオでも25年後の原油価格は現在の2倍になるとみている。たぶんこうなるだろうなというシナリオでは4倍になる。

何が問題かといえば、国際エネルギー機関の専門家が世界中の油田を見て回った結果、巨大に限らず多くの油田の採掘が進み、採掘量が経年で大きく減少していることである。IEAの今回の調査結果は、現在日量約7千万バレル産出している現在稼動中の油田は2035年には2000万バレル以下に、つまり5000万バレル減るとした。新規油田の開発は進むが、どれも小粒で高コストのものばかりしかない。

一方で、新興国の一人当たり石油利用量は先進国の何倍も少ないから、新興国が経済成長を犠牲にしてまで利用自粛はしないとなっている。これに、「CO2排出で地球が温暖化している」という研究報告は、データの捏造で誤りだったと分かってしまった。こんなかでコストをかけてCO2削減をするはずも無い。ニュースでは「原油価格が高騰する」「中国が世界のエネルギー需要をけん引」となっているが、IEAの主旨は「ピークオイルになりました」だ。

20世紀の多くの戦争の原因が原油を巡る争いということを考えれば、今日のニュースのインパクトは、世界中の人にとって大きなものになる。
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(神無月四日) ゴールドパーティー  金融

ニューヨーク金先物相場は続伸し、取引の中心となる中心限月で初めて1トロイオンス1400ドル台を突破した。欧州での財政不安の再燃に加え、世界銀行のゼーリック総裁が金の価格を参照値として用いる新たな通貨体制づくりを呼びかけたことが買い材料となった。金先物の最高値更新は3営業日連続である。

ところでティーパーティがアメリカでブームだということは、中韓選挙結果でお分かりだろうが、もう1つ流行っているのがゴールドパーティー。友人や近所同士で、指輪やネックレスを持ち寄ってお茶を飲んだり世間話するパーティーだ。肝心なのが、パーティーには貴金属鑑定士を必ず呼び、資産価値をはじいてもらい換金もするということらしい。雇用環境の悪化によって厳しくなった収入のため、不要不急ながら売れば高く売れる金を処分して、家計の足しにしたり、小遣いにする人が増えている。

ところで金を買っている人の多くは、短期的な投機マネーの他に新興国を中心としたニューリッチ。貴金属の他に絵画などの商品も競って買っている。FRBのQE2(追加量的緩和)によって、ドル紙幣がジャブジャブ市中に流れドルが下がっていることやアイルランドからギリシャに至る低信用国の財政不安が再燃して、ドルもユーロもイヤだから実物資産の金にお金が流れる。1400ドル/オンスの金価格は、長期で見ればドルやユーロやポンドでみればすごい上昇を示してきた。しかし、同じ実物資産の原油価格で比べれば価値は変わっていない。要は、世界の通貨はブレトンウッズ体制が崩れて金本位制からペーパー
マネー制に移行した1971年以降の40年にペーパーマネーに対する不信が続いていて、それが今加速したということである。

日本も外国為替資金特別会計のドルで金を買えば、ドル安による損失を防ぐことができる。その金を元にせいぜい3万円のコストで10万円の金貨を発行できるから、変に国債を増発するよりましになる。といっても以前にこのさやを狙って偽造もあったので注意が必要なことはいうまでもないが。

とはいいつつ金価格が上昇するのは、宇宙船地球号で産出する金は50mプール一杯分と量が限られているのに欲しい人が多くなったからである。同じように量が限られているのに欲しい人が、これから多くなるものは何かを考えれば、おのずと結論は出てくるはずである。
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(神無月参日) 通信キャリア  経済

NTTドコモは8日、通信速度を現在の5〜10倍に高めた高速携帯通信サービス「Xi(クロッシィ)」を12月24日から始めると発表した。まずUSB型の通信カードを発売。パソコンなどに接続すれば外出先で高精細映像を有線ネットワークなどと同様に楽しめる。2011年後半には音声にも対応した端末を投入する予定だ。高速通信方式「LTE」を使う。料金は5ギガバイトまでの利用で月額6510円という。

LTE様式のXiは3Gネットワークに完全に置き換わるもので、大幅な高速化と技術改良により、HDビデオなどさまざまなデータタイプを送信できる。これまで独自に進化した日本の携帯電話は世界標準からかけ離れ、希少生物の多いガラパゴス島と揶揄された。

今回は日本独自の独自規格を早々と断念し、欧米勢に従った。この新規格を早々と打ち出すのは、上手く行けばガラパゴスだけでなく世界でも売れるかもしれないという期待があるからに他ならない。

今のドコモはiPhpneを引っさげて急成長するソフトバンクに押されっぱなし。三星のギャラクシーで巻き返しをしても追いついていない。しかし、新規格のユーザーが普及すれば、いずれ殆んどが新規格に移行するから、3Gで負けていた分をオセロのようにひっくり返すことも可能だ。アップルは携帯キャリアを自由に選べ、ユーザーもアップルサイトと接続できれば、SIMMカードを別のキャリアの端末に移しても問題は無い。

よって、日本でSIMMロック解除がされれば、4G対応iPhpne端末の販売権をドコモなど別の会社と契約してもなんら問題は無い。ただ、現在のスマートフォン市場は、ハードウェアの使用よりも、どんなソフトを使って楽しむことが出来るかというソフト勝負になってきている。新世代のマシンのPS2やWIIをだしてきたソニーや任天堂などのゲーム業界では、ハードの仕様が先端的過ぎて、新しいマシンを使いこなしたゲームソフトを第3者のゲームソフト会社が作るまでにとても長い時間がかかり、普及がおくれた。

ドコモは、このゲーム業界の轍(FOMAの轍でもある)を踏まないようにすべきなのだ。
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(神無月弐日 立冬) 大仏様の出張  社会

平城京1300年もあと二ヶ月で終了だが、その奈良の東大寺の大仏建立にかかわる文化財を中心とした寺宝が10月8日から東京国立博物館平成館にやってきている。もちろん大仏様が動くわけにはいかないが、高さ4.5メートルを超える大仏殿前の八角灯籠(国宝)が寺外で初めて公開されるほか、国宝や重文に指定された寺宝が一同に並ぶし、11月2日から21日までは正倉院宝物が特別に出品されている。

東京方面の方々、一度行かれたらどうでしょうか。
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(神無月壱日 朔) 全共闘の亡霊  政治

民主党政権は菅体制になってますます不透明になっている。友愛とか東アジア共同体とか意味不明ながらも自らの理念らしきものをもっていた鳩山前首相に比べれば、その指導力のなさは目を覆いたくなるばかりだ。他方ますます存在感を増しているのが仙谷官房長官である。弱腰外交を柳腰とかわすなど妙なところで弁護士風情が見え隠れしている。

そもそもこの二人に見られる共通点は学生運動の影響である。民主党にはこのほかにも元活動家が多い。千葉景子前法相は中央大学全共闘(ブント系)、赤松広隆前農水相は早稲田大学の社青同開放派の活動家だった。彼らは全共闘世代といわれるが、正確に言うと菅は全共闘ではなく、東工大の穏健派学生運動リーダーであり、仙谷は東大のフロント(社会主義同盟)でこちらも議会を通じて改革しようとする穏健派である。

当時の学生運動の主流は「三派全学連」とよばれた社学同(ブント)、社青同、中核派などの暴力革命によって権力を掌握しようとするマルクス・レーニン主義であり、菅や仙谷の議会主義は少数派だった。全共闘の命は短く、1969年1月の東大安田講堂の攻防戦をピークに主流派の活動家は逮捕され、分裂した組織は連合赤軍のように武装闘争に走り、内ゲバで自滅していった。

全共闘の活動家も多くは企業戦士に転身していった。「いちご白書をもう一度」の世界である。逮捕歴等で就職できなかった者は自営業や弁護士、フリーライターを目指した。多くのTVの政策プロダクションや編集プロダクションを創立したのもこの元全共闘世代である。また菅や仙谷のような穏健派は社会党などの政党活動に進んだ。

80年代に日本は世界最強の経済大国として賞賛され、元全共闘の企業戦士は資本主義の先頭に立ち、学生時代の理想であった社会主義の崩壊を眺めていたのである。90年代のバブル崩壊で失われたのは経済だけではなかった。政党も社会党のように自民党と連合し安保や自衛隊を丸呑みして自滅していった。

民主党は新党さきがけに社会党の一部が合流し結成されたが、解党した新進党グループが合流し、2003年に自由党が合流したので、民主党は統一した理念のない雑然とした政党になった。このあたりは日本のメガバンクの軌跡にも似ている。

この彼らの目標が政権交代で終了してしまったのはいうまでもない。菅の行動が定まらないのはもう目指すべき理念がないからだ。仙谷は人権派弁護士として、アジアへの戦争責任を追及していた頃の行動様式から抜け出していない。60年代に盛り上がった学生運動にどういう意味があったのかは世界的に繰り返して問われるテーマだが、日本の場合は左翼が政権を取るのが遅れ、政治的に未成熟のまま年を取ってしまった。いまや「怒れる若者たち」は労組と老人の既得権を守る側に回っているにすぎない。
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