(長月廿九日) 一人っ子政策  経済

30年間でこうも変わるものだろうか。中国が「一人っ子政策」を国家目標として掲げたのは人口爆発を恐れたためだが、それは国民に十分な食糧を供給できないことに通じる。いわば今の北朝鮮の状況にも相当するのである。

今年中国本土では10年に一度の国勢調査が始まっているが、世界一人口の多いこの国では労働者と花嫁の不足が深刻化しており、経済の成長と社会の安定に脅かしかねない状況にある。「一人っ子政策」とは無関係に中国の出生率は急低下しており、子供は一人で充分だという家庭が増えていることも事実である。特に上海は世界で最も出生率が低い都市とも指摘されている。当局は子作りを奨励する活動を繰り返し行ってきたが、成果は上がっていない。ある調査によれば上海市民で二人以上の子供を持ちたいと答えた人の割合はわずか18.5%にとどまったという。

このことは何を物語っているのだろうか。市場が政府の仕事を肩代わりしているのではないか。地球上のあらゆる地域と同様に、国民が豊かになり、都市部に移り住みようになると、子供の数が減るのではないか。
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(長月廿八日) 教育免許更新制度  社会

民主党が廃止を含む見直しを表明していた教員免許更新制を巡り、教育現場が揺れている。ねじれ国会の影響で一転して存続の可能性が強まったが、廃止を見込んで更新に必要な講座を早々に中止した大学が多く、教員は受講先探しに奔走している。

教員免許更新制度が2009年から実施されているが、その目的をご存知だろうか?文部科学省に拠れば「教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けること」とある。致命的に問題なのが「教員として必要な資質能力」が一体何を指すかが全く不明なのである。教員の中には能力に劣る人、意欲の無い人、モラルの低い人が少なからずいる。これは一般社会でも同じことだ。

これらに該当する教員の何を改善したいのか、それともこれらに該当しない教員の何を改善したいのか、さっぱり分からないのだからどうしようもない。つまり、どういう状況になれば教員として必要な資質能力があるといえるのかという物差しが無い。物差しが無ければ、この制度や結果が良いのか悪いのかの判別も付かないのは当たり前である。

肝心の講座の内容については大学に丸投げだから、文部科学省の指針すらないことを物語っている。しかも大学で講座を作る人間に共通するのは現場経験が無いことがほとんどだろう。今、教育の現場で何が問題かを知らない人が作った講座に何が期待できるのだろうか。例えば、教室で私語をしたり好き勝手な振舞いをする子供にどう振舞えば、子供の能力を高められるかは講座には無い。十人十色の子供にそれぞれどう対応すれば全員の能力を高められるのかという問題にも白紙の回答である。

更に、現場で悩む教員に手助けをすべき校長等の管理者には、講座の受講義務は無いのだから、学校内でもすれ違いが起きているはずである。教員の時間とお金を奪って、多大なコストがかかるが、効果の測定すら出来ないこの制度をどうするつもりだろうか。
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(長月廿七日 文化の日) 中国のポリネシア攻勢  政治

このほど中国は共産党中央高級幹部で閣僚級、外事弁公室副主任の杜起文氏をミクロネシア連邦の特使に任命した。中国のミクロネシアへの攻勢は露骨きわまる。2006年に正副大統領、議会議長と主席判事という三権の長に対し、それぞれの公邸を新築建造して引き渡している。今年に入っては中央行政庁舎を新築落成している。これは援助ではなく賄賂というか露骨な贈答攻勢である。

ミクロネシアはマーシャル諸島、パラオとともに戦後アメリカの信託統治領となっていた。その後独立したが、アメリカは諸国と同盟を結んでおり、いわば保護国として労働力は米本土と流出入が自由で、国防は米軍が担っている。さらにパラオとマーシャル諸島は台湾と正式関係を維持しており、これに対する中和策を行使したいのが中国の魂胆だろうか。太平洋の西半分は中国が面倒を見ると言った中国の軍関係者がいたのを思い出すばかりだ。

そもそも先の大戦前の四半世紀にわたり、これらの地域は日本の委託統治領であったし、独立後の初代大統領は日系人だった。一帯は太平洋戦争の日米両軍の死闘の場でもある。そこに堂々と乗り込んでくる中国の覇権主義。しかしこうした贈答行為は現地の住民を中国の味方につけやすい。援助攻勢を強めたパキスタンはアメリカよりも中国人気が増しつつある。

日本人には全く関心がないところで強かな中国は勢力を伸ばしているのだ。
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(長月廿六日) サムソンの躍進  経済

韓国サムソン電子の株価は1991年1月に16,421ウォンだったが、この10月には772,000ウォンとほぼ50倍にまで急成長した。一方同時期のソニーの株価は4,400円から2,560円と半分近くになった。時価総額はサムソンが8兆円、ソニーが3兆円、アップルがソニーを買収するのではないかという噂が飛び交うほど、業界の勢力地図は一変した。

このサムソンの成長の要因は何かと考えてみると、韓国の教育が生んだ競争力による高い労働力と、それを使いこなす経営陣や企業文化にあるのではないだろうか。韓国の教育は日本以上に過熱している。センター試験と同様の修学能力試験に向けて多くの子どもや親が必死の形相で取り組んでいる。試験日は企業や官公庁の始業時間が変更になったり、パトカーが遅刻した学生を受験する学校まで送り届ける光景は見慣れたものになっている。

サムソンは90年代のバブル崩壊で凋落していくソニーや松下を見切って方向転換を図ったようだ。採用する学生を韓国の有名大学を卒業した学生よりも欧米の有名大学や海外MBAを取得した世界各国の学生を採用することに重点を移した。いまやTOEICで900点以下の大学生が採用される可能性はほとんどないとまでいわれている。

英語がすべてとはいわないが、企業が世界を相手に戦っている現状では共通語の英語はひ必修だし、プラス現地語というパターンが当たり前になっている。ゆとり教育を受けた日本の子どもたちがこの韓国の精鋭たちと争うのだから先が見えているようにも思える。教育はその国の将来を占うものであるということを明らかにしてきたのは日本の教育だったのに実に嘆かわしいことである。
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(長月廿五日) 10年目のアマゾン  経済

アマゾンジャパンは今日日本でのサービス開始からちょうど10周年を迎えた。この記念式典の席上で同社のジャスパー・チャン代表取締役社長が日本語で挨拶し、「本日11月1日以降、商品の通常配送料金を完全に無料にする」と発表した。アマゾンを利用されている人なら、これを読んで「本の配達が無料になる」「今まで無料配送やってたからあまりかわらないな」のいずれかの思いだったのではないか。

しかし、よく考えれば楽天やYAHOOショッピングがやばいのではないか。

アマゾンは2008年春に商品を出品している企業向けに、在庫保管・商品配送の代行を行なう新サービス「フルフィルメントby Amazon」を開始している。「マーチャント@amazon.co.jp」を通じて商品を出品している企業の在庫商品を、物流センターで保管・管理し、出店企業の受注に応じて梱包・出荷・配送する有料サービスである。このサービスを使うと、出品企業は在庫保管、販売、受注、配送を任せることが出来、企業は商品開発や顧客の誘導に集中することが出来るのである。

アマゾンは利用顧客の増加によって見込み客の大量囲い込みという競争優位性があるが、今回の配送量無料化によって、「5000円以上買ってくれないと配送代がかかります」としているライバルに差別化ができる。多くのネット通販利用者が配送料無料にするために無駄な買い物をしているから、この違いは大きい。

消費者がある商品をネットショッピングするときは、ものが同じなら、アマゾン、楽天、YAHOO等検索でひっかかったサイトの中で、配送料込み、ついで買いコストも含めて最も安い価格のサイトで買うのが自然だから、売上げがどこに集中するかは明らかだろう。

不況が続く中でも通販業界はこれまで順調に成長してきた。その理由の1つが「○○円以下のお買い物は配送料が別途かかります」とうたう事で、配送料を支払うのが嫌な顧客に付け足し買いをさせて客単価をあげることが出来たからである。今後、アマゾンに売上げが集中すれば、配送料無料化が常識になってゆくだろうから、ネット通販会社もこれまでのような利益が得られるかが厳しくなってゆくのではないか。このような視点の記事はなかったけど。
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