(長月参日)赤本  社会

大学の試験問題などに著名人の文章が使われることがよくある。内田樹の文章も、試験によく使われている。ふと思ったのだが、試験問題にたくさん文章が使われる人とは、どうも著作権にうるさくない論者ではないのか。内田さんは常々、自分が発表した文章はどうぞ自由に使ってもらってかまいません、と宣言している。

少子化がだいぶ進んでいるが、団塊の世代は250万人もいた。今では若い世代の人口はどんどん少なくなり、大学関係者にしても予備校関係者にしても、入学してくれる学生が少なくて困っているわけだ。

大学入試の過去問を載せた『赤本』(教学社)がある。早稲田大学のように、受験者数があまり減っていない大学の『赤本』は今でも売れ続けているようだ。しかし、ほかの多くの大学では受験者はどんどん減っている。赤字になってしまうために、『赤本』が作れない大学も増えてくるはずではないだろうか。

ところが日本文藝家協会や日本ペンクラブのような団体は、著作権に関して受験産業にものすごく圧力をかけている。試験問題に誰かの文章を使ったりした場合、あるいは『赤本』にその過去問を掲載した場合は、著作者に著作権料を払えと言っている。全著作者に試験問題転載の許可を取らなければ、『赤本』の印刷は始まらないのだ。こりゃ大変だぁ。

昔のように少子化ではなかった時代には、そこまで厳密にやっていてもまだ良かったとは思う。試験問題集の出版さえ成り立たないような少子化の時代に、いったい何を言っているのだろうか。『赤本』編集部の人たちが、著作者の住所を全部割り当てるだけでも大変な作業だろう。すると出題者の意図としては、あとで連絡が取りやすく、なおかつ著作権にうるさくない人の文章を選びたくもなるわけで、試験問題も膠着する可能性があるというわけだ。
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