(霜月廿参日) 本当の覚悟  経済

昨日も書いたように日本の労働力人口は減る一方だが、社会で支えるべき高齢者人口は増え、今後の日本経済はつるべ落としのように落込むことが人口動態から明確となっている。経済成長とは、労働力の伸びと投下資本の伸びと生産性の向上の3項目の掛け算から成り立つものである。

労働力人口減は、3要素の1つの労働力を減少させるし、高齢者増は貯蓄を取り崩して消費に回すことが増えることで、投下資本の減少をもたらすというあまり指摘されないが(よく云うじゃないですか、どんどん使って消費を増やそうって!)リスクを生じることになる。日本企業が手持ち現金で国内投資をしてくれれば良いが、上期に海外直接投資に1.5兆円払っており、年3兆円の流出で投下資本は外に向かっているのが現状だ。

欧米や新興国では、つまり日本以外では乏しい国内投資を増やし、雇用を増やし、経済を活気付けるために外国企業による対内直接投資を増やそうと躍起になってきた。外資系企業による雇用、資本の拡充を進めてきたのだ。例えば、アメリカは1980年代に日本や韓国からの自動車工場進出を促したし、国有企業ばかりであったフランスの市場に対して、政府が競争力増加のために外資を誘致してきた。この結果、外資系企業が製造業の総固定資本形成を占める割合は、日本で2%程度しかないのに対し、英仏は3分の1に達する。製造業の雇用に占める外資系企業のシェアは、米が10%、英仏が27%もあるが、日本は1%にも満たない。

日本が長期不況なのは、上記の事態を放置し、政府や都道府県知事が、外資企業の誘致へのインセンティブを図り、積極的に海外営業するという本来しなければいけない仕事をサボってきたことも大きかったのだ。テレビに出まくって地元物産を売ることよりも、テレビに映らないかもしれないが、海外に営業行脚して企業誘致を図ることが本来の知事の仕事なのだ。中国は外資企業に国内企業よりも低い税率にしてまで積極誘致を図り十分な投資がなされる状況になって、税率を元に戻して、きちんと経済振興と雇用拡大と税収増をものにしている。

最近、対日のM&Aで中国が目立つようになってきたのはこういうことだ。日本国内に投下資本と雇用増をもたらしてくれるものなら、国籍など関係ない。有楽町の西武百貨店が閉店したと寂しい話題が出たが、有楽町銀座界隈で最も活気のあるのは何か。それは、来日する東アジア旅行客にブランド品を売る仏米企業の店だ。資本も客も外人だが、投下資本と雇用増を受けて景気が良くなり、周辺も潤っている。

生まれ育った日本が好きなら、日本の長く続いた伝統が好きなら、今後も永く存在させたいなら、自らを変化させ、異質なものを受け入れるようにしなければならない。ただし安全保障は別だけどね。
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