(神無月四日) レンタル  

娘の大好きなビデオのレンタル期限が来ていたので、宇品のフタバ図書へ行く。いつもは次男が通学路の途中なので返却してくれるのだが、今日は何本か娘が物色したいらしいので、連れて行ったのだ。駐車場完備の店は新刊本やCD,DVDなどとともにレンタルもそこそこの在庫がある大型店。最近このあたりはマンションの新築ラッシュなので、結構ニーズが高いようだ。娘は相変わらず○○レンジャーやディズニーのビデオを熱心に探している。愚妻によると、いつものことだという。

そんな店内を見ていると、少し前(という記憶だがどうだったか)高村薫原作の「レディ・ジョーカー」のDVDがあったのでレンタルすることにした。映画にも行こうと思ったが、結局見過ごしてしまった作品である。こうした大作の映画化というのは、原作の重厚さというか重みが2時間という制約から、期待はずれになることが多く、宮部みゆきの「クロス・ファイヤー」や「理由」もそうだったし、あの「終戦のローレライ」も原作を読んで、映画を見るとがっかりするはずである。「レディ・ジョーカー」もそうしたひとつだった。

社会の弱者が大手ビール会社の社長を誘拐して、解放後に金を要求するというのは、あの「グリコ・森永事件」を彷彿させる。映画だとあちこちに飛び地をつたっていくように展開するため、すべてが薄作りとなって、なんだかつまらない。渡哲也や長塚京三の好演もかすんでしまう。満を持して登場した21世紀の石原裕次郎とのふれこみの徳重の頼りなさが、原作のあの合田にまったく合わないのである。キャスティングミスともいうべきか。

しかし、私がこの作品に興味を示したのは、障害者を持ち妻にも逃げられたトラック運転手がつぶやく言葉である。障害児の娘の存在に、『いつも「ババ」を引いている』。自分の娘が障害児だと認識したとき、なぜ娘がという問いがいつも頭の中にあった。「レディ・ジョーカー」、娘が楽しそうにビデオを探している姿を思い出す。でもこの子から私は人間として大切なことを学んできた。私には「レディ・トレジャー」なのである。
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