(神無月廿日) リベンジ  

2年前四谷見付の高橋尚子は息も絶え絶えで、シドニーオリンピックの雄姿のかけらもなかった。その悪印象?からアテネ代表には選ばれず、野口みゆきが金メダルを獲得したのを境に、Qちゃんはもう過去の人というイメージが先行していた。親代わりの小出監督との二人三脚も足並みが乱れつつあったようだ。そうしたなか、「チームQ」を結成し、小出監督からの自立を果たして、今回の東京国際女子マラソンに臨んだはずである。しかも直前に肉離れという故障を明かしての強行出場はコーチ陣やドクターからも呆れられたという。この大会がすべてではないと思うのが、周りの人間の一般的な考えであったことは言うまでもない。しかし、高橋は足にテーピングを張りまくってスタートラインに立った。

二年前のような前半からの一人旅ではなく、また20度を超える暑さから急速にスタミナを失うことなく、市ヶ谷の上り勾配の35キロ時点でスパートをかけ、先頭集団からあっという間に飛び出していった。何度も後ろを振り返っていた姿が印象的だったのは、そのスパートに自信がなかったのでないか。しかし、後続はついてこれない。勝利を確信した表情はゴール直前でしか見せなかったが、内心では喜びを隠し切れなかっただろう。

俺様が育ててやったんだ、自分でできるものだったら、俺様無しでやってみろ、できるわけないだろ。といつまでも自慢しつづける「親」から「子」が自立し羽ばたいたという歓喜の叫びが聞こえるようだった。「子」が自立する姿はうれしいものである。世間は親子鷹ともちあげるが、いつまでも親の自慢話を聞かされるのは面白くないものだ。横峯さくらも高橋を見習うべきだろう。


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