(神無月廿七日) インドネシア  経済

インドネシアに投資家の目が向いている。中国やインドなどには及ばないが、最近5年間の平均経済成長率は5%台後半で安定的に推移している。世界屈指の埋蔵量を誇る天然ガスや石炭などの資源輸出が有名で規模は年々拡大しているが、今の経済成長の牽引役は世界景気や為替に翻弄される輸出では無い。主役は世界第4位の2.3億人の人口が生み出す個人消費などの内需である。

政治的な混乱の伝統もユドヨノ政権の安定でリスクが低下したし、道路や電力などインフラ整備も進んできている。東アジア首脳会議のアジア総合開発計画構想でも、他のアセアン諸国と道路網等を結ぶインドネシア経済回廊建設が打ち出され、今後の伸展も期待される。2008年のリーマンショック後も4%の経済成長だったから世界のトップクラスの優等生経済だ。国民一人当たりGDPが耐久消費財が売れるクリティカルポイントの3000ドルを越え普及が進むことが見えている。こうした好調な経済環境を受け、2008年のリーマンショック後の底値から株価は4倍にまでなり、2007年の高値を抜いている。日興、大和に続き遅まきながら野村もインドネシア戦線に復帰した。

今、インドネシアに目が行くのは中国のせいでもある。今年は中国の労働争議が頻発し、雇用者報酬が大幅に引き上げられ、人件費面での優位性が薄れている。加えて外資優遇税制も撤廃され、メーカーとしては中国は消費地近接工場としてのメリット位しかなくなりつつある。これまで中国は、世界の対外直接投資の資金のかなりの額を引き寄せていたが、この資金の行き先が他に散らばるということ。その点、インドネシアも有望だ。インドネシアは観光のバリ島だけではない。
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(神無月廿日) ジャパン シンドローム  経済

英誌エコノミストにジャパン・シンドローム」と銘打って18ページの特集が掲載されている。内容はこれまでも既に指摘され続けたことが多く、いまさらという新鮮みのないものだが、いつまでもこの調子で日本は叩かれるのかと思うと少々情けない。まず、今の経済の停滞とデフレの根本的な処にあるのは、少子高齢化にともなる人口減少であるとしている。でもこれはいわれなくても周りを見れば分かるというものだが、ここは天下のエコノミストのいつもの名調子が続くのである。

労働人口の減少については「一人当たりの生産性をあげて労働人口の減少分を補う必要があり、その為には労働者のスキルを上げるか、賃金を引き下げてより競争力のある製品を作って海外に売り込む。」必要があるとしているが、だいたい今の日本でどのくらい生産性が上がるのか分からないし、そもそも今から身につけるスキルってなによ、といいたくもなる。まさか、英語とかでもいうつもりかな。それに賃金を引き下げてというが、そういう不人気な政策を取ればどうなるかは、今の英国の学生の大規模なデモを見れば分かるだろうが、足元のことにはエコノミストは我関せずというところのようだ。

「規制緩和をして新規企業活動をやりやすい環境を作れ」
「労働人口減少を補うために、女性の労働市場への進出を促進せよ」
「退職者の年齢を65歳まで完全に引き挙げよ」
というが、どれもありふれた話だし、最近の学生の就職難を考えれば、いつまでも働いている者がいれば、ますます若者の就職難が続くだろうし、企業のポスト減らしが進んでいるのに、男女平等で臨めば男性の管理職候補があぶり出されるということにつながる。確かに女性の優秀な方も多いが、男性はますます競争が厳しくなるようだ。

ではこの指摘に対してこう答えるのか、ノー天気な菅首相に代わって、私が明日お答えしましょうかね。眠い。
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(神無月参日) 通信キャリア  経済

NTTドコモは8日、通信速度を現在の5〜10倍に高めた高速携帯通信サービス「Xi(クロッシィ)」を12月24日から始めると発表した。まずUSB型の通信カードを発売。パソコンなどに接続すれば外出先で高精細映像を有線ネットワークなどと同様に楽しめる。2011年後半には音声にも対応した端末を投入する予定だ。高速通信方式「LTE」を使う。料金は5ギガバイトまでの利用で月額6510円という。

LTE様式のXiは3Gネットワークに完全に置き換わるもので、大幅な高速化と技術改良により、HDビデオなどさまざまなデータタイプを送信できる。これまで独自に進化した日本の携帯電話は世界標準からかけ離れ、希少生物の多いガラパゴス島と揶揄された。

今回は日本独自の独自規格を早々と断念し、欧米勢に従った。この新規格を早々と打ち出すのは、上手く行けばガラパゴスだけでなく世界でも売れるかもしれないという期待があるからに他ならない。

今のドコモはiPhpneを引っさげて急成長するソフトバンクに押されっぱなし。三星のギャラクシーで巻き返しをしても追いついていない。しかし、新規格のユーザーが普及すれば、いずれ殆んどが新規格に移行するから、3Gで負けていた分をオセロのようにひっくり返すことも可能だ。アップルは携帯キャリアを自由に選べ、ユーザーもアップルサイトと接続できれば、SIMMカードを別のキャリアの端末に移しても問題は無い。

よって、日本でSIMMロック解除がされれば、4G対応iPhpne端末の販売権をドコモなど別の会社と契約してもなんら問題は無い。ただ、現在のスマートフォン市場は、ハードウェアの使用よりも、どんなソフトを使って楽しむことが出来るかというソフト勝負になってきている。新世代のマシンのPS2やWIIをだしてきたソニーや任天堂などのゲーム業界では、ハードの仕様が先端的過ぎて、新しいマシンを使いこなしたゲームソフトを第3者のゲームソフト会社が作るまでにとても長い時間がかかり、普及がおくれた。

ドコモは、このゲーム業界の轍(FOMAの轍でもある)を踏まないようにすべきなのだ。
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(長月廿九日) 一人っ子政策  経済

30年間でこうも変わるものだろうか。中国が「一人っ子政策」を国家目標として掲げたのは人口爆発を恐れたためだが、それは国民に十分な食糧を供給できないことに通じる。いわば今の北朝鮮の状況にも相当するのである。

今年中国本土では10年に一度の国勢調査が始まっているが、世界一人口の多いこの国では労働者と花嫁の不足が深刻化しており、経済の成長と社会の安定に脅かしかねない状況にある。「一人っ子政策」とは無関係に中国の出生率は急低下しており、子供は一人で充分だという家庭が増えていることも事実である。特に上海は世界で最も出生率が低い都市とも指摘されている。当局は子作りを奨励する活動を繰り返し行ってきたが、成果は上がっていない。ある調査によれば上海市民で二人以上の子供を持ちたいと答えた人の割合はわずか18.5%にとどまったという。

このことは何を物語っているのだろうか。市場が政府の仕事を肩代わりしているのではないか。地球上のあらゆる地域と同様に、国民が豊かになり、都市部に移り住みようになると、子供の数が減るのではないか。
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(長月廿六日) サムソンの躍進  経済

韓国サムソン電子の株価は1991年1月に16,421ウォンだったが、この10月には772,000ウォンとほぼ50倍にまで急成長した。一方同時期のソニーの株価は4,400円から2,560円と半分近くになった。時価総額はサムソンが8兆円、ソニーが3兆円、アップルがソニーを買収するのではないかという噂が飛び交うほど、業界の勢力地図は一変した。

このサムソンの成長の要因は何かと考えてみると、韓国の教育が生んだ競争力による高い労働力と、それを使いこなす経営陣や企業文化にあるのではないだろうか。韓国の教育は日本以上に過熱している。センター試験と同様の修学能力試験に向けて多くの子どもや親が必死の形相で取り組んでいる。試験日は企業や官公庁の始業時間が変更になったり、パトカーが遅刻した学生を受験する学校まで送り届ける光景は見慣れたものになっている。

サムソンは90年代のバブル崩壊で凋落していくソニーや松下を見切って方向転換を図ったようだ。採用する学生を韓国の有名大学を卒業した学生よりも欧米の有名大学や海外MBAを取得した世界各国の学生を採用することに重点を移した。いまやTOEICで900点以下の大学生が採用される可能性はほとんどないとまでいわれている。

英語がすべてとはいわないが、企業が世界を相手に戦っている現状では共通語の英語はひ必修だし、プラス現地語というパターンが当たり前になっている。ゆとり教育を受けた日本の子どもたちがこの韓国の精鋭たちと争うのだから先が見えているようにも思える。教育はその国の将来を占うものであるということを明らかにしてきたのは日本の教育だったのに実に嘆かわしいことである。
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(長月廿五日) 10年目のアマゾン  経済

アマゾンジャパンは今日日本でのサービス開始からちょうど10周年を迎えた。この記念式典の席上で同社のジャスパー・チャン代表取締役社長が日本語で挨拶し、「本日11月1日以降、商品の通常配送料金を完全に無料にする」と発表した。アマゾンを利用されている人なら、これを読んで「本の配達が無料になる」「今まで無料配送やってたからあまりかわらないな」のいずれかの思いだったのではないか。

しかし、よく考えれば楽天やYAHOOショッピングがやばいのではないか。

アマゾンは2008年春に商品を出品している企業向けに、在庫保管・商品配送の代行を行なう新サービス「フルフィルメントby Amazon」を開始している。「マーチャント@amazon.co.jp」を通じて商品を出品している企業の在庫商品を、物流センターで保管・管理し、出店企業の受注に応じて梱包・出荷・配送する有料サービスである。このサービスを使うと、出品企業は在庫保管、販売、受注、配送を任せることが出来、企業は商品開発や顧客の誘導に集中することが出来るのである。

アマゾンは利用顧客の増加によって見込み客の大量囲い込みという競争優位性があるが、今回の配送量無料化によって、「5000円以上買ってくれないと配送代がかかります」としているライバルに差別化ができる。多くのネット通販利用者が配送料無料にするために無駄な買い物をしているから、この違いは大きい。

消費者がある商品をネットショッピングするときは、ものが同じなら、アマゾン、楽天、YAHOO等検索でひっかかったサイトの中で、配送料込み、ついで買いコストも含めて最も安い価格のサイトで買うのが自然だから、売上げがどこに集中するかは明らかだろう。

不況が続く中でも通販業界はこれまで順調に成長してきた。その理由の1つが「○○円以下のお買い物は配送料が別途かかります」とうたう事で、配送料を支払うのが嫌な顧客に付け足し買いをさせて客単価をあげることが出来たからである。今後、アマゾンに売上げが集中すれば、配送料無料化が常識になってゆくだろうから、ネット通販会社もこれまでのような利益が得られるかが厳しくなってゆくのではないか。このような視点の記事はなかったけど。
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(長月廿四日) 顧客に近い経営者  経済

P&Gは世界最大の日用消費財メーカーで売上げは8兆円以上あり、従業員は約14万人いる世界屈指の大企業である。そのトップ経営者の行動は、「社用車に乗って秘書と共に動き、社内では広い個室に陣取り、会う人間は限られた種類の人たち」という、日本人が大企業経営者に対して抱く印象と大きく異なっている。

大企業トップつまりP&G最高経営責任者ボブ・マクドナルド氏自らが、新興国の消費者の自宅を訪問し、自分でその家に(自社商品に限らず)どんなモノがおいてあるかを調べて回っている。これが、たまたまの大名行列による視察(日本のトップが良くやっている)では無い事は、中国の上海の庶民の家を「まるでマツモトキヨシの店舗」という言葉で称していることで分かるだろう。

他の国の一般家庭も数多く訪問しているから、それとは異なる家庭内の状況という事を言いたいのだろう。マツモトキヨシという店舗名を出したことでマクドナルド氏は、同社の
商品を販売する小売業の店舗も数多く訪問していることが窺える。同氏の経営が、会議室での部下への指示による経営ではなく、「自社商品が売られ、使われる現場で、現物を見て、現実に合った指示をしている」経営ということだ。

「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」という青島刑事の台詞そのものの経営というわけである。花王もこの相手じゃしんどいはずである。
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