(如月壱拾四日) 教訓  経済

1962年10月、関西の若手経営者が社長学を学ぶために集まった。その会は「井植歳男社長を囲む会」通称「井植学校」のはじまりである。メンバーは森下仁丹の森下泰、サントリーの佐治敬三、ダイキン工業の山田稔、大和ハウスの石橋信夫、ダイエーの中内功などそうそうたる経営者たちである。

井植学校で歳男は「三つの切る」ことの大事さを教えた。
・ 古いものに対して思い切る。
・ 新しいことへ踏み切る。
・ 合理的に割り切る。

しかし歳男の長男、井植敏が社長になってからの三洋電機は「なにわのGE」とちやほやされて、多角化への道をまっしぐらに進んでいった。デフレ経済下では時代の流れに乗れず、一時的にデジカメで世界シェア40%を占め、回復かと思われたが、専業メーカーの攻勢で今や足を引っ張る存在に成り下がってしまった。そして今回の孫の敏雅の社長辞任である。

そもそも井植学校は二世経営者が勉強する場所でもあった。そこでは同じ同族経営でありながらも、サントリーやダイキンのようにその後業績を残したのに、先生の子供や孫がアホというのは皮肉以外の何者でもない。

井植歳男はこうも云っている。「困難に遭わない人生というのはありえない。もしあるとすれば、それは怠けている証拠である。」
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(如月壱拾六日 望) 年金  経済

今日の日経の一面は、欧米各国が年金の受給開始年齢を引き上げるという記事だ。意外感のある記事ではなかったか。急速な高齢化が進む日本のことなら納得がいくというか、さもありなんというのだろうが、欧米各国はすでに引き上げラッシュなのである。ドイツやフランス、ベルギーなどはこれからのようだが、米国、デンマーク、ノルウェー、アイスランドはすでに開始年齢は67歳となっているし、英国でも改定法案が提出されており。(英国は面白い国で、男女で年齢が異なる。現在、男の開始年齢は65歳、これを68歳に引き上げようとしており、女は現在の60歳をいったん65歳に引き上げた後、68歳にするというプランである。)

そもそも受給年齢を引き上げることは不人気政策に他ならない。しかし、平均寿命の延びと財政難がそうさせるのである。日本も平均寿命と財政難は世界のトップなのだから、日本も当然引き上げないと制度自体がもたないのはわかりきっている。そもそも現役世代が扶養するという、いわば福祉年金制度なのだから持つわけがない。年配の方々、無いものは仕方ないのですよ。無い袖は振れないと昔から言っていますから。

でも基礎年金制度が始まって、旧来からの引継ぎに社会保険庁の怠慢もあって、自分の年金に誤りが多いのも事実。一度役所に行かれることをお勧めします。
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(如月壱拾七日) ハリバートン  経済

イラク戦争の後方支援・復興に関わる多くの事業をほぼ独占しているハリバートンの前CEOが、チェイニー米副大統領というのはよく知られている。この会社の本社はヒューストンにあるが、本社機能を中東のアラブ首長国連邦(UAE)の首都ドバイに移転すると発表したのだが、その時期については明らかにしていない。ドバイは中東の交通の要衝として指折りの経済都市に成長し、日米欧の有力企業が拠点を相次ぎ設けているが、ハリバートンのように本社の移転までおこなう企業は異例である。この裏には何かあるのではないか。

数年前、ハリバートンのイラク戦争での儲けぶりについて、政権癒着を指摘する声が大きくなった。実際、後方支援や復興に関わる事業の85%ぐらいがハリバートンによってなされており、この会社にとってイラク戦争は金づる以外の何者でもない。大統領選挙を来年に控え、チェイニー副大統領が主役になることはまずない。となると、再びこの会社の経営者として復帰することも考えられる。ヒューストンでなくドバイに本社機能を持ってくるというのは、それまでに稼いだ資産についての追求をかわす意図も見えてくる。

結局ブッシュが仕掛けたイラク戦争というのは、国家の代理戦争として一部紋間企業への所得の移転行為に他ならなかったということではないだろうか。さらに会社は儲かっているが、ここの多くの社員は契約社員を含めてイラクの地で犠牲になっていることを忘れてはならないのだ。
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(弥生参日) 再び嵐?  経済

先週末のG7は家族旅行のドイツ財務相など、やや緊張感に欠けた会合だった。だいたいこの時期ワシントンで開かれるG7前後は荒れやすい市場になることが通例だった。今年は平穏に終わったかのように思われたが、今日の東京株式市場は前日までのNY株高にはなかなか反応せず頭が重い展開だったのに、昼前から下げ足を早め、あれよあれよの下落となった。上海や香港市場の大幅下落はあったといえ、外の世界に左右される様は相変わらずである。

個人投資家はというと、新興市場の壊滅的な状況で買い方はほぼ全滅。リスクマネーの収縮が顕著である。さらに新興市場銘柄の下方修正が続き、極端な市場不信に陥っている。こうした状況は早急に改善する見込みはなく、しばし茫然自失なのである。

こうしたなか年度初めの営業はなかなかスピード感が伴わなく、時間だけが過ぎていく。さらにこの春の天候不順は次第に体調の異変を訴えている。こうなればGWなど絶好の休息期間になるのだろうが、世間の父親はこのときばかりは雑用に追いまくられ、再び疲労困憊となってGW明けを迎えるのである。あと一ヶ月あまり、体と相談しながら動かざるを得ないようだ。
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(弥生廿弐日) 中国で大油田  経済

連休中の新聞を見ていたら、中国渤海湾で大油田が発見されたという。確認埋蔵量が4億トン、推定では10億トンも可能らしい。石油輸入国になった中国にとっては朗報だろうし、ますます大陸棚の油田開発に傾斜するかもしれない。

ところで、石油というと地下でどういう状態になっているかご存知だろうか。誰もが中学校ぐらいの理科の教科書で見た記憶があるポンチ絵ではないだろうか。それには地層の中心部に黒く塗りつぶされた部分が池のようになっていなかったか。ところが、地下の原油は液体として存在してはいない。地圧によって地下を構成する岩石の中に微細な粒子として閉じ込められているのである。仮に地下5000mの油層には50気圧という圧力がかかっている。この圧力が岩石の微細な隙間に原油と水とガスを閉じ込めているのである。これが掘削により地表の1気圧とパイプでつながった瞬間に、岩石の中の粒子がいっせいに噴出して地表に上がってくる。このとき静かに取り出せば問題ないが、岩石のかけらが掘削用の鉄骨などにぶつかって火花など散らしたものなら大変だ。それが噴出するガスに引火すると原油の火柱となって吹き上げるのである。これが暴噴と呼ばれるものである。

しかし、50気圧でもつぶれないシームレスパイプってすごいし、これからの油田開発は条件の難しいところばかりだから、原油高でコストがかかってもペイするので開発に拍車がかかるのである。そして世界一のシームレスパイプメーカーは儲かるのである。それは・・・。
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(弥生廿参日) トップの行動  経済

月曜日にあったNHKの「敵対的買収を防げ〜新日鉄・トップの決断〜」の再放送を見る。一般的には新日鉄という日本を代表するメーカーが世界のM&Aのなかで苦悩しながらも対応しているというものである。しかし、世界の潮流という点ではおおきなズレがあるのを新日鉄社長は感じているのだろうか。

買収対策には株主対策が重要というのに、株主説明会には社長が出て行かずに役員でもない財務担当執行委員に任せきりだったり、その財務が作った経営者用のプレゼン資料は日本の証券会社によるもので、世界の資本の動きの把握は出来ていない。反転攻勢のブラジルへの進出も部長クラスに任せている。ではトップは投資家が満足するような未来図をしめしているかといえば、それもない。

かたやミッタルはトップ自ら世界中に出掛け、即断即決ですばやく動いている。この差では守勢一方という構図は変わりそうにない。でもミッタルの買収攻勢は社長ではなく、ある担当役員が入社してから始まった。NHKもそこまでの取材ができていないのでは、オーセンティックに取り組んでいない証拠ではないか。
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(卯月参日) 三角合併  経済

5月から、いわゆる三角合併が解禁され、外資による日本企業買収が容易になっている。いまのところ目立った動きは見えないように思えるが、水面下ではいろいろな動きがあるのではないか。安倍首相は「外国からの投資を5年間で倍にしたい。具体的には、三角合併が確実にできるようにする。」と先月の訪米前に語っている。しかし、外資は日本の大企業を買収しなくても、地味な中堅メーカーを買うだけで、日本の主要企業の生命線を握れるのである。世界一の自動車メーカーでさえ、底辺を支える部品メーカーの技術が流出すれば、グループの企業価値は一気に低下してしまうはずである。

これに対して、米国は安全保障の観点から、他国企業による自国企業の買収を阻止できる「国防生産法(エクソン・フロリオ条項)」を整備している。欧州でもフランスのダノンが米ペプシコに買収されるとの噂が広がったときに、ペプシコが否定したにもかかわらず、仏金融当局が調査に乗り出している。ところが、日本の外為法による投資の事前審査は、「届け出内容に間違いはない」という性善説が前提になっている。業種の別なく自国企業を防衛する米国や、噂レベルで当局が神経を尖らせる欧州と比べると、日本政府の対応は恐ろしく甘いのである。

ここを突いてきそうなのが東証マザーズ市場に虎視眈々と上場予定している中国企業である。高度成長が続く中国企業の時価総額は日本人が思っているよりはるかに大きいが、三角合併により対価として受け取る株式が現金化しにくいのであれば、既存株主は当然反対行動をとるだろう。東証上場計画はそれを防ぐためのものであることは明らかである。

団塊の世代がリタイアして、企業も代替わりの時期を迎えている。事業継承の意識が薄い二代目や三代目が、外国企業に買収されても現金化できる株式をもらえるのであれば、簡単に会社を中国企業に売却する可能性は大きい。それらの企業には軍事転用が可能な極めて高精度な技術を持っている会社も多い。うかうかしていると、あっという間に日本の技術が中国企業に盗まれることを日本政府は考えているのか。早急に法整備をおこなうべきである。
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