4月のリサイタルのプログラムにクルタークの作品を入れました。「8つのデュオ〜ヴァイオリンとツィンバロンのための〜」という作品なんだけど、実は僕の友人のお父さんのためにクルタークが書いた曲。この友人のお父さんというのはサライ・ヨージェフ氏。留学中は僕のツィンバロンのバチを作って下さってたり、またコンサートの前には僕の楽器の調律もして下さっていました。息子のアンドラーシュは同級生で何度かコンサートで共演しました。ツィンバロンも上手いし、作曲もするし…。いわゆる天才です。
作曲家クルタークは、僕にとっては身近な存在で、ディプロマコンサートでもクルタークの作品をプログラムに入れたくらい。かつてクルタークがリスト音楽院で学んでいた時、ツィンバロンも勉強していて、そのツィンバロンが今でもリスト音楽院に残っているんだけど、クルタークが使っていたそのツィンバロンを借りてコンサートもさせてもらったこともあります。また、僕の友人のピアニストがハンガリーに留学中、クルタークの家の近所に住んでいて、クルタークの生活ぶりを聞いたこともあったりして、なんかとても感覚的に近い作曲家なのです。
クルタークの作品は、次々と発見があって、実に面白い。作曲家と演奏家が時空を超えて会話するというか…。なんというか、サウンド的にもテクニック的にも難しいところも多々あるけれど、関わりだすとその面白さは止まらない…そんな感じなのです。
リサイタルで弾く「8つのデュオ」はそれぞれとても個性的な楽章で構成されています。攻撃的でアグレッシブな楽章もあれば、官能的で超エロティックな楽章もあります。いろんな音楽の要素を凝縮したような作品です。共演してくれるヴァイオリニストは、「アンサンブル・バラトン」でも「あしぶえ☆金星音楽団」でも、いつもお世話になってる、中島慎子さん。とっても生き生きしたヴァイオリンの音にいつも感動します。今回のデュオも楽しみです!!


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