12年前のことである。私は、現在、大地震で心配されている、ソロモン諸島のギソに行ったことがある。
ソロモン諸島には、トータルで3回、仕事で訪れた。総滞在日数は、30日になる。
主に、滞在したのは、首都のホニアラとギソの間にあるバングーヌ島のミチ村である。
マスコミ等で伝えられている通り、ソロモン諸島の多くの島は、電気もガスも水道も電話もない。
でも彼らの周りには、豊かな海洋資源と山の幸があり十分暮らしていける。
その豊かな資源を守って来たのは、ただならぬマラリアである。ソロモン諸島は、マラリアの常襲地でアフリカのマラリアとは異なる。感染すると一生のお友達になる。マラリア原虫は、内臓に止まり、感染者の体調が不良になると増殖し体内で暴れ出し、苦しめる。
ソロモン諸島には、2種類のマラリア症が存在する。脳に侵入するものと内臓等で暴れるものである。
私が主に、訪れた島は、2種類とも存在していた。マラリアに感染しないようにするには、次の6つを遵守することが寛容である。
1.マラリアタブレットを食後、服用すること。服用した後で横にならないこと。
2.虫よけスプレーを足下に丹念にかけること。マラリアを媒介する蚊は、日の出、日の入りの頃に活発に飛び回るが、低空飛行であるから。
3.日の出、日の入りの頃に、外を歩き回らないこと。
4.就寝する時、蚊帳(カヤ)に入って寝ること。
5.蚊取り線香をたくこと。
6.蚊が大量発生する梅雨の時期を避けること。
しかし、感染する人は多い。青年海外協力隊の二人に一人は、感染していると聞く。
大地震の救済に向かう人は、感染を覚悟して望むべきである。
自然豊かなソロモン諸島と日本との関係は、森林資源と海洋資源にある。もう既に、乱伐は終わったが、日本の丸紅など大手商社が彼らの森を買い取って伐採して来た。
ソロモン諸島は、慣習上の土地があり族長が権利を有している。住民は、子供達を学習させ社会に出すため、身近な森林資源をタダ同然の価格で売りさばく。後には、何も残らない。
海洋資源は、マグロである。ソロモン大洋は、マグロを日本に輸出している。村の住民は、ソロモン大洋が来てから、漁獲量が減ったと嘆いていた。しかし、ソロモン大洋は、住民4000人を雇用する基幹産業でもある。
ソロモン諸島には、日本で失われつつある村社会が存在している。共同生活、役割分担、助け合いなどなど。忘れていた心の豊かさを垣間見た。
全て12年前の話であるがこれを機に、日本が何をしてきたのか、何をすべきか向き合う良い機会であろう。同じ間違いを犯さないために!
草刈(携帯)より

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