生物多様性の保全と生物多様性条約は、同じではない。
昨今、2010年の生物多様性条約締約国会議に向けて、様々なシンポジウムや講演会が開かれている。
その多くが、生物多様性やその保全に主眼を置いている。しかし、そこには、大きな誤解を産む原因が潜んでいることが周知されていない。
日頃、議論されている、生物多様性の保全と生物多様性条約締約国会議は、扱っている範疇が全く違う。
生物多様性条約が掲げている3つの目的は、1.生物多様性の保全と持続可能な利用、2.遺伝子組み換え問題、そして、3.遺伝資源の公正・公平な配分の3つである。
そして、その3つの目的を議論する為、7つのメインテーマと17の横断的テーマが選ばれている。締約国会議では、各テーマについて、徹底的に議論される。

この全体像を抜きに、または、説明せずにシンポジウムや講演会を始めると有らぬ方面から本筋と異なる質問が出る。
例えば、先住民問題は、どうすのか? 身近に起きている開発問題は、どうすのか? 等々。
生物多様性の保全と生物多様性条約締約国会議の議論の切り分けを周知徹底する時期に来ていると考える。
草刈携帯より

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