毎日新聞、<エゾシカ>対策条例を制定へ…北海道、食害で頭数管理
エゾシカによる農林業被害の拡大を受け、北海道は対策を強化するため「エゾシカ対策条例(仮称)」を制定する方針を決めた。特定の生物に焦点を絞った条例は全国でも珍しく、今後、具体案を検討し、来年度中の制定を目指す。
道エゾシカ対策室によると、野生動物の頭数の管理目標や施策などは、道が鳥獣保護法に基づいて策定する保護管理計画で定めている。だが、エゾシカのように特定の種が増えすぎ被害が拡大したり、生態系のバランスが崩れる可能性が生じたりした場合に、どう個体数を管理すべきかを示した法令はなかった。
条例では、道内でエゾシカの頭数を増えすぎないよう管理する意義や必要性を明記した上で▽頭数管理による生物多様性の保全▽適正数維持のための取り組み推進▽捕獲したエゾシカの有効活用−−などを基本理念として盛り込む。道や道民、狩猟者などの責務、役割についても検討する。
同室は来月以降、道内各地で住民との意見交換会を開催。その後、道環境審議会に諮問し、今年度中に素案をまとめる方針。
道によると、道内のエゾシカの推定生息頭数は現在、約65万頭。年々増えているとみられ、10年度の農林業被害は約59億4400万円と10年間で倍増した。

0