2007/2/6

笑う大英帝国  本・文学

岩波新書「笑う大英帝国―文化としてのユーモア」(富山太佳夫著)を読んだ。

「別の国の人間にとってはイギリスのユーモアは不愉快なもの。われわれの神経にとってはキツ過ぎる」(19世紀フランス人)

真っ先に笑いの対象とされるのは「王様」。「シェークスピアの時代から国王は馬鹿にされ、虚仮にされることによってその存在価値を保障されているようなところがある」そうだ。ヴィクトリア女王も随分おもちゃにされている。現王室もその例外ではない。笑われる王室は気の毒だが、我が皇室のように大事にされすぎるのも逆に窮屈で苦しいだろう。

政治家として世界史の教科書にも登場するディズレーリは風刺画で徹底的に笑われている。ディズレーリ七変化というか、「天使」になり「サーカスの綱渡り」になり、「空中ブランコ」をやり、「二人舞踏」をし、「錬金術師」にもなり「女装」もし、「馬」にもなってしまう。結構笑える。

18世紀イギリスのお笑い3原則は「デブ・ヤセ・シリ」。品がない。

パロディの話は私には難しかった。原典を知らないのと英語が弱い。手の込んだパロディ(お笑いの仕掛け)があることだけはわかった。

「ピーターパン」も取り上げられている。映画「ネバーランド」を見たとき、こんな感動話がこの童話の背後にあったなんて、とウルウルしたのだが、どうしてどうしてそんな甘い作品ではなかった。パロディ満載。それでも著者が紹介するこんな一節はいいね。

「あのね、ウェンディ、最初の赤ん坊が初めて笑ったとき、その笑いが千個にもはじけて、とびはねるんだ。それが妖精の始まり。・・・・・・だから、男の子にも女の子にも、ひとりずつ妖精がついているんだ」

チャップリンを生んだのはイギリスだったね。「モンティ・パイソン」というみょうちくりんなテレビ番組もあったっけ。

ところで、一番ウケたのは、
「笑いとかユーモアの本を読もうなどという人は意外と誠実で、真摯で謹厳実直、融通のきかない石頭であることが多いので」。

はい。
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