2009/1/16

チェ 28歳の革命  映画

「チェ 28歳の革命」を見てきた。

今週、この映画は興行成績が2位だった。どちらかと言うと単館上映タイプで、そう大衆受けする映画ではないと思っていたので意外だ。

映画館に入って最初に気づいたのは男性が多いこと。女性はカップルで来ている人だけ。

私は「女性向け映画」またはレディースデイに行くことが多いから、ほとんどが女性で男性は居心地悪そうに数名と言うことが多い。

それともう一つ気づいたこと、映画終了後「ゲバラっていうのはさ」とか「ゲバラを初めて知ったのは・・」とか連れに熱く語る男性が多かった。

普段私が見る映画と雰囲気が大分違う。

映画は、4時間の大作で、本作はその前半部分だ。だから映画の評価は「チェ38歳別れの手紙」を見てからでないと出来ないのだとは思う。

革命の輝かしい成功の後の、苦難の道。何かが理想から離れていってしまったのだろう。後半はそれが描かれているのか。

簡単に感想と、いつものように連想。

ゲバラの人間性はよく描かれていたと思う。村人たちを診察する時の優しさ、教育を重要視すること、倫理感の強さ(軍律の厳しさ)、常に読書をしているインテリとしての側面。ゲリラ戦を通じて、軍人としても成長していく。

「戦いたくないものは去れ」「十代は兵士にしない」という戦い方は、現在の武装勢力の有様=アフリカでの「少年兵士問題」アフガニスタンでの「子どもを自爆攻撃に使う」とははるかに隔たっている。

この現代の堕落は何がもたらしたものなのだろう。先進国の圧倒的軍事力や、革命の理想主義喪失、冷戦の終結などがあるのだろうか。

フィデル・カストロの政治指導者としての資質もちゃんと描かれていた。

が、「革命家」を描いても「キューバ革命」はあんまり描かれていなかったような気がする。

映画を見終わった若者が「結局、ゲバラって何をしたかったの?」と言っているのを聞いてそう思った。

革命前のキューバの惨状は言葉で少し説明されるだけだった。

(そういえば:「ゴッドファーザー」の2か3で、キューバ革命前の歓楽地としてのハバナが出てくる。そこでのショーはひどいものだった)

私たちの年代にしてみれば、キューバ革命の年〜ゲバラの死までと言えば、反帝国主義闘争の時代=アジア・アフリカ諸国の民族独立運動(ベトナム戦争も含む)、人権闘争の時代=黒人差別反対運動、社会主義下での自由を求める闘争が行われていた時期とわかる。

ゲバラが求めていたものも理解できる。自明のことだ。

はるか時代が過ぎてしまって、若い人たちにはわからないのかもしれない。社会主義の理想もとっくに色あせてしまった。民族独立運動=近代主義世俗主義だったが、今は民族自立・社会変革も宗教色を帯びることが多い。

アルジェリアのフランスから独立闘争を描いた秀作に「アルジェの戦い」(1966年、ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞)がある。


今から30年位前、その映画と併映で「ゲバラ」(オマー・シャリフ主演)を見た。この「ゲバラ」は興ざめの思いで見た記憶がある※が、併映だったことはまんざら意味がないわけではない。

※⇒このことは05年1月「モーターサイクルダイアリーズ」でも書いた。



「チェ28歳の革命」で物足りなかった方には、「モーターサイクルダイアリーズ」(若きゲバラの南米旅行)と「アルジェの戦い」をお勧めします。

ゲバラについては、08年3月にも書いた。
ゲバラのフラッグ

↑↑この中で触れた戸井十月さんのNHK教育での話は「ゲバラ最期の時」(集英社)として刊行されているようだ。

書店で「ゲバラの写真集?」も見かけた。デルトロより本人の方がカッコイイね。

ゲバラの写真と言うと(前に書いたかな?)

69年に新宿西口フォークゲリラというのがあった。野次馬で見に行った。フォークソングを歌う人達を囲んで群衆が座り込んでいた。

細身の若者が、その人々をかき分けかき分け中央に進み、柱に「ゲバラ」のあのポスターを貼ったのだ。

なんか演劇的で印象的なシーンで、今でもしっかり覚えている。

「フォークゲリラを知っているかい」なんてサイトもあるんですね。
こちら
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