2009/11/11

また「通販生活」  本・文学

「通販生活」2009秋冬号が少し前に届いた。

相変わらず充実している。商品紹介も楽しいが、それ以外の記事がその辺の週刊誌・雑誌よりもずっと面白い。

巻頭の「お正月の『おみくじ』信じる?信じない?」は読者からの「おみくじこぼれ話」が結構笑えるし、「おみくじ」豆知識も参考になった(笑)。

「憲法9条」や「死刑制度」を考える硬派の記事も、「通販生活」ならではだ。

「人間にしかできない仕事」は体を張って商品開発に取り組む人々の話。

KINCHO(大日本除虫菊)は当然、蚊やアブ・ノミに自らの腕を差し出して実験する。
共同乳業は新鮮な大便を研究材料にする。
無限電光はバイク用エアバック開発のためにブロック塀に体を衝突させる。

などなど。本当にご苦労様です。商品には開発者のこんな苦労がつまっている。

「人生の失敗」は「ど根性ガエル」作者の吉沢やすみさん。彼は、作品がこの「ど根性ガエル」ただ一つなんですね。この作品を超えるものが書けず、ある日失踪してしまう。そして、駅の清掃員やデパートの警備員などをしたそうだ。

そういえば、やはり漫画家吾妻ひでおさんに「失踪日記」があるね。売れっ子漫画家はきつい、辛い。臼井義人さんも不可解な事故死だった。

吉沢さんは今は平穏に暮らしているという。

その他、家庭の介護問題、絵本の話、「BDレコーダーはどれを買えばいいか」、野坂昭如と村松友視の往復書簡、皆読み応えがある。

小森陽一「文庫本で読む女性作家の名作」は「大庭みな子」さんだった。

女性作家の作品は結構熱心に読んできた。最近の女性作家はあんまり読まないけれど、自分より上から、やや下くらいの世代の作品はよく読んだ。

が、大庭みな子さんは全く読んでいなかった。あれだけの作家なのに、1冊も読んでいないというのは、これは怠慢。

なんていうか、外国帰りの女性作家の作品は、共通のある匂いがあって、それが私は苦手だったのだ。

たとえば、素晴らしい須賀敦子さんがだめだった。どうしてなんだろう。

で、ともかく大庭さんを読もうと思って、書店に行った。文庫本はなかった。図書館で借りることにした。

「三面川」短編連作だ。電車の中で本を読んでいて、涙が出そうになったのは久しぶりだった。

私や、やや上の世代だったら、家族の話はどれも共感できると思う。細やかな心理描写や人の描き方にこの作家は信頼できる人だなぁと思った。

最後の方の「詩」や「放送劇」はちょっとついていけなかった。

ついで「三匹の蟹」を借りた。芥川賞受賞作だ。

これがだめだった。そうなんです。このテイストについていけない。外国でのしゃれた(?)会話。

次の「火草」も難解だった。そこでギブアップしてしまいました。

「日常の世界と異世界が縦横に交錯されている」、「日本語の世界で古代から流通してきた異類婚姻譚の記憶」、「現代と古代とか性を通して往還されていく」(小森陽一)世界は、現実世俗で日々を過ごす身には難解すぎる。

でも、まさに文学。こういうのを読めないのは情けない。あきらめずにもう少し読んでみよう。「寂兮寥兮(かたちもなく)」「オレゴン夢十夜」とか。

というわけで「通販生活」はとても「脳」を刺激してくれるのだ。
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