2012/9/13

映画「アメイジンググレイス」  映画

先日WOWOWで放送していた「アメイジング・グレース」を見た。

「『アメイジング・グレイス英版』を見れ!」より

「奴隷貿易廃止に貢献したウィリアム・ウィルバーフォースの半生を描く。タイトルは、奴隷船の船長だったジョン・ニュートンが作詞した賛美歌「アメイジング・グレイス」から採られており、映画はニュートンがウィルバーフォースに与えた影響についても描いている」

上記HPでは奴隷制廃止運動についても詳しく説明している。
http://www.amazing-movie.jp/slave.html

主人公ウィルバーフォースの親友であり、英国宰相「小ピット」役で「シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチが出演している。それもこの映画を見た理由の一つ。

ベネディクトは上流階級の役が似合う。小ピットは14歳でケンブリッジ大学に入り、24歳でイギリス首相になったという天才にして有能な宰相。

この映画では勿論政治的な同志としてもだが、それ以上に主人公のウィルバーフォースとの友情、気心の知れた友人同士の会話がいい感じだった。

で、この映画は「裏切りのサーカス」の主要人物キーラン・ハインズ、トビー・ジョーンズが出ていて、それにベネディクトだから、なんか不思議な感じだった。ハリーポッターに出演している俳優も多いみたい。

映画全体としては、どうしても昨今の原発を巡る話と重なって仕方なかった。

奴隷貿易は正義に反し、倫理的にも人権尊重の理念からも許されない、と主張する人々。

ジョン・ニュートンは奴隷船長だった過去を悔い信仰の道に入った。修行の身でも「奴隷2万人の亡霊とともにいる」と自らを責めている。

(脱原発、反原発の中には原発の元設計者、技師、研究者の方々が多くいる)

一度奴隷船に乗り合わせた貴族は、人間のすることとは思えない悲惨さに衝撃を受け奴隷廃止運動に加わる。

一方、奴隷貿易賛成者は「経済」だ。

農場は奴隷がないと成り立たない。農場が成り立たなければ、税金が取れない。農場に出資している人たちも財産を失う。奴隷船がなくなれば港もさびれる。経済がダメになる。

第一、イギリスだけ奴隷貿易を廃止したらフランスが儲けるだけ。

これらの奴隷制維持論者の理屈は原発推進維持論者と全く同じ。

短期的な視野、短期的な儲けしか考えていない。経済面でも奴隷制は生産性が低く、生産方式の改革、収穫の増大にはつながらない。将来性はない。

そもそも人道に反した生産様式は絶対に長続きしない。

ウィルバーフォースとトマース・クラークソンらは演説会や黒人指導者の伝記発行、署名運動繰り広げ、議会にも法案を提出する。

(署名された巻物が議会に披露された場面、現在の脱原発1千万人署名を思い起こした)

しかし、フランス革命が起きて、イギリスはフランスと戦うこととなる。戦争が起きれば、国内問題は後回し、まして「人権」を掲げればフランス革命の理念と重なり、利敵行為=「売国奴」とされる。

(今、日本も中・韓の国境問題がある)

奴隷廃止運動は逆風にさらされ、指導者たちは「でたらめな個人攻撃キャンペーン」で追い込まれていく。もっとも弱い立場の黒人指導者は死。同志は隠棲。ウィルバーフォースも心身とも病んでしまい、転地療養を余儀なくされる。

(反原発首都圏連合の人たちに対して週刊誌がえげつない個人攻撃を行った)

事態が動くのは対仏戦が好転してから。前回の失敗から学んだウィルバーフォース達は、奴隷廃止法の前に、フランスの植民地への奴隷貿易を助けたり、参加したりすることを禁じる法案を提案・支持する。この法によりイギリスの奴隷貿易の2/3は禁じられることとなった。

ウィルバーフォースらの20年以上にわたる苦闘の末に、奴隷廃止法案は283対16で可決され、奴隷貿易法は1807年3月に国王の裁可を受け成立した。

ジョン・ニュートンは言う。奴隷船で亡くなった2万人以上の人々には名前があった。アフリカの地でつけられた立派な名前があった。「彼らが人間で我々がサルだった」

映画としての出来とか、内容(ちょっときれいごと過ぎる、貴族の特権はどうなんだとか)には多少疑問はあるが、昨今の日本を考えると非常に示唆に富んでいると思った。

脱原発の気持ちは一時の感情やノリ(青森県知事、石破議員の言)じゃない。

民主党の党首選、自民党総裁選、維新の党など見たくもない顔が並び、気持ちが萎えてしまいそうだが、でもあきらめない。54基の原発をこの地震列島に並べてしまった後悔の念、自責の念がある。絶対にあきらめない。
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