2013/5/8

「自分を動かす言葉」  サッカー(マリノス)

マリノスのオフィシャルショップに行った時、並べてあったので購入。

中澤佑二「自分を動かす言葉」(ベスト新書)だ。最後に俊輔との対談があるので、それも購入動機だった。


内容的には以前に発売された「不屈」にほぼ同じ。「不屈」の中から、「言葉」を選び出して、サッカー選手やスポーツ選手だけでなく、一般の人にも役立つように編集したという感じだ。

(「不屈」の感想は⇒こちら

印象に残ったことを幾つか書く。

*「思い知ったのが、自分の教養のなさだった。何か伝えようとしても言葉が出てこない」
オシム監督によって更にその思いを強くした、それ以来、本屋に行くようになったとのこと。

この言葉が、この本で一番嬉しかった言葉だった。

「話し手の知識が言葉に力を生む」「簡単な言葉でも話し手の知識で圧倒的な魂が宿る」というのは真実だと思う。本を読むこと、知識を血の通ったものとして得ること、つまり教養を深めることの重要性は強調してもしすぎることはないと思う。

にしても、オシムさんが病に倒れなかったら、どんなサッカーができたのだろう。日本代表の可能性がもっと広がった気がする。中澤選手もオシム時代が一番楽しかったと言っている。

*「『はい分かりました』と言ってみよう」と「自由をはき違えさせない」
これは中澤選手らしいと思った。

「結局、組織に属する人間にとって大事なことは、自分に与えられた役割を果たすこと」
と言い、
「サッカーは自由なスポーツであるし、それぞれが自分の意見を持っていることは悪いことではない。だけど、周囲のシチュエーションを無視して、自分だけが自由になってはダメだ。」
と言う。その通りだ。

けれど、反射的に思ったのが松田直樹さんのこと。もちろん、彼も「チーム第一」だったと思う。でも「やんちゃ」な面があって、強烈に印象づけられてしまっている。代表チームから勝手に帰国してしまったこととか。

でも、そういう個性も、「はい」と言って従う個性も、ともにチームに力を与えていたと思う。

*「なんでキャプテンやらないの」(俊輔)「代表で一番頑張っている人がキャプテンでないのは納得がいかない。キャプテンは佑二さんしかいないよ」(闘莉王←いい奴よね)。

南アW杯で直前にキャプテンをおろされた中澤。この二人の、さりげなく発せられた言葉で救われたという。

これ以外にも、言った本人は何気なく、ふっと発した言葉でも、中澤選手のかけがえのない言葉となったものがある。

そういうことは誰でも経験があるのではないだろうか。ふっと発せられた言葉が自分の心の一番奥に響くこと。そのことで深い安堵の気持ちになったり、自信を取り戻したり、信頼関係を確認できたりすることがある。

自分では意識していなくても、その言葉を求めていたのだと思う。

私は、その人の不安や憤りに対して、届く言葉を発することができるのだろうか。その人のことを心配していたり、考えているのに、いつも上から目線で説教くさいことばかり言っているのではないだろうか。

と言っても、いつでも「いいこと」を言ってやろうと思っても言えるものではなくて、そこは共感能力とか信頼関係なのかな。

(追記:南アW杯の時、松田直樹さんから俊輔へ「お前が出ないワールドカップなんて見ねえよ」と電話《メール?》をもらって、すごく嬉しかったという。マツは素直に気持ちを届ける人だったと思う。)

最後の俊輔との対談。面白かったのは長友の話。処世術というか、人の懐に飛び込むのが上手いんですね。俊輔は「長友は、南アでは本田の方へ寄って行った」と毒を言いつつ、「それは必要なこと」と理解も示している。

決して順風満帆なサッカー人生ではなかった中澤の言葉だけに、この本によって、教えられたり、力づけられたりする人(特に若者)も多いのではないだろうか。
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