2014/4/1

サントリーホールへ  

3月中旬、サントリーホールへ「五嶋みどり」さんを聴きに行った。

チケットを取った時は「五嶋みどり」さん目当てだった。だけど、このコンサート、五嶋みどりさんだけではなかった。

ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団。このオーケストラについての予備知識はなかった。指揮者のリッヒャルド・シャイ―さんについてもだ。

まず五嶋みどりさんの「メンデルスゾーン・バイオリン協奏曲」。中学の音楽鑑賞でも取り上げられる名曲だ。

わかりやすく華やかでロマンチックと思っていた。

みどりさんの音は、ひとつひとつ揺るがせにせず、突き詰めた音だ。繊細で緊張感がある。2楽章の途中、きれいな音に涙が出そうになった。オーケストラに彩られた華やかな音の奥にある、純粋な、音、メロディがくっきり聴こえたと思った。

何故なんだろう。五嶋みどりさんの演奏姿を見たり、演奏を聴いたりすると、純粋でギリギリまで突き詰めた音、といつも思う。

このコンサートの感想をいくつか読んだが、「メンデルスゾーンの曲と一体化し、憑依したかのような」「一音たりともないがしろにしない、それでいて優美さにあふれる」「弱音方向へのダイナミックレンジの広さは神的。信じられないほどだ。デリカシーの表情は驚くほど柔らかい。五嶋の弱音の表情の豊かさは圧倒的だ(Reiji Askura)」とあった。

アンコールはバッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番

これだけでも、十分すぎる。これがアンコール曲なんて、すごい贅沢。

心奥深くまでしみ通るような演奏。内省的。終わった時聴衆は「ふぅ」と息をついて、その余韻を味わおうとしているかのようだった。だから、ブラボー!という雰囲気ではない。でも拍手はなりやまなかった。

ライプチヒ・ゲヴァントハウス交響楽団。知らないオーケストラなので、「大」期待はせずに行った。すみませんでした。素晴らしかった。

ショスタコーヴィチの交響曲5番。ショスタコービッチの曲はほとんど聴かない。でもこの曲は派手だから、困惑したり飽きたりすることはない、と思っていた。

演奏は本当によかったですね!

娘は「笑っちゃうほどかっこいい曲だよね」

以下素人感想。いや、この記事全部素人感想だけど。

金管や打楽器が派手に鳴るけど、このオーケストラは弦や木管の音がとてもきれいだと思った。だから、派手派手しくなっても、基本に繊細な美しさががあるから、浮つかない。

印象的なフレーズで始まる1楽章、緊張感がある。民俗的なメロディーのある2楽章、マーラーのアダージョを思い起こさせる3楽章、そして、カッコイイ4楽章、どれも聴きごたえがあった。

最後は打楽器がガンガン鳴らされて、大盛り上がりで終わった。ブラボー!ブラボー!だった。
指揮者のシャイ―さんも会心の出来だったというように、両手を挙げて拍手に応えていた。

ショスタコーヴィチは、「ムツェンスクのマクベス夫人」で厳しい批判を受け、2年の沈黙の後発表したのが「5番」。これは社会主義にふさわしいと称賛を得た。体制への迎合のようでいて、実は、という話がプログラムに書いてあった。確か、NHK「名曲探偵アマデウス」でもショスタコーヴィチの「抵抗」について推理する回があったよ。

だから、権力者の好みそうな壮大な音楽を聴きながら、作曲者の苦難と強靭な精神力を想像した。

追記:今、プログラムを見たら、1楽章は英雄の苦悩、人民の苦難、2楽章は民衆的舞踏様式、マーラー風。3楽章は死や追悼、ロシア正教聖歌を引用、4楽章の説明はよくわからない。2楽章、4楽章は、マーラーを参照することで、現実を皮肉をこめて見ている、芸術家の抑圧をほのめかし、「偽りの勝利」という仕掛けがある、とか。

サントリーホールではいつもたくさんのチラシをもらう。厚すぎて、その場では読み切れない。家に帰ってじっくり見た。行きたい演奏会が沢山あった。

サッカーと日程調整をして、できるだけ聴きに行きたい。

そのチラシの中の一枚。「夏のヨーロッパ音楽祭を訪ねるツアー」があった。70〜80万円。

ザルツブルグ音楽祭、ルツェルン音楽祭、バイロイト音楽祭。いいなぁ。でも、費用のことは別にしても、とにかく、場馴れしていないから、コンサートに何を着ていくのだろうとか、どういう立居振舞をしたらいいのだろうとか、それだけでもうダメ。所詮お呼びでない。

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