2015/4/3

映画3本(1)  映画

3月14日公開と同時に見に行った「イミテーションゲーム 天才科学者の秘密」。
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何て言ったって、ベネディクト・カンバーバッチ主演。アカデミー賞ノミネイト作品。

脚本は最優秀脚色賞を受賞している。授賞式でのグレアム・ムーアのスピーチは感動的だった。

解読不能と言われたドイツ軍の暗号「エニグマ」を解読し、第二次大戦終結を導き、現代コンピューターの基礎を作った一人とされる数学者アラン・チューリング。その生涯をたどる。

アラン・チューリングについては、S・シン「暗号解読」で基本的な知識はあった。また、いつだったか、NHKの海外ドキュメンタリーで「エニグマ解読」を見た。シンさんの本よりこちらが先だ。製作したのは、多分、BBCだろうと思う。

以下ネタばれあり。(歴史上の事実でもネタバレ扱いなのは疑問があるが)



50年間秘密にされたと映画の宣伝では言ってるが、シン「暗号解読」では70年代に解読チームの事は明らかにされたと書いてある。アランの名誉回復はつい最近だけれども。

この番組ではエニグマ暗号の仕組みを詳しく伝えた。通信手が恋人の名前をいつも入れていたというエピソードもこの番組で知った。なんといっても印象的だったのは解読チームの一人が「イギリス中の秀才が集められたが、その中でも『天才』はアランだった。格別の才能だった」と話したことだ。彼が悲劇的な死を遂げたことも。

映画は彼の思春期、第二次大戦下、戦後の三つの時代を行き来する。

ベネディクとは、ナイーブさと、無頓着さ(無神経さ)と、一途さと、不器用さと、それらを深いところで融合させながら演じる。

暗号解読はチームとして成し遂げたこと、チーム内の人間関係、反発、理解、協調を中心に置く。ただ、ここがありきたり。

戦時下の緊迫感も弱い。

藤原帰一さんが「平板」と評したのはわかる。

で、私はもうちょっとエニグマの仕組みをひも解いてほしかったのね。ドキュメンタリーやシン「暗号解読」では分かりやすく説明しているのだから、できないことはないと思う。この仕事の困難さを描いてこそのアランだという気がする。

キーラ・ナイトレイの演じた同僚ジョーンが、当時の女性の置かれた立場を描き出す。アランとの関係もとても繊細に演じていた。

マーク・ストロングさんのMI6はかっこよかった。ロリー・キニアの刑事も純朴な風情があった。

アランや同僚たちの来ているセーターやベストが、いかにも手編みイギリス風で興味深かった。

あと、アランが一人走っているシーン、あれがとても良い。だけど、もう一つうまく使い切れていなかったのが残念でならない。

それと、一番良いと思ったのは音楽。哀切で、格調高くて、アラン・チューリングの生涯にふさわしいと思えた。

(この映画で泣いた、という人たちがいるが、予備知識なく見に行った方が感動できるのかな)

全体として、よくまとまった作品だった。

とにかくベネディクトが出ずっぱりなので、ベネさんファンとしては大満足なのだ。最初のナレーションの声だけで、「わぉ!」だからね。
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