2015/8/8

let us all unite!(独裁者より)  映画

「チャップリンの独裁者」にワーグナーの「ローエングリン」が使われていると聞いた。最近「ローエングリン」を何度か見た(ヨナス・カウフマンのミュンヘンのとミラノの)ので確認したくなった。

使われているのは、あの世界地図が描かれた風船とヒットラー(らしき人=ヒンケル)が戯れる場面だ。超有名な場面だが、音楽には関心がなかったので、全く何も知らない。

「ローエングリンのどの曲かな?」

で、録画してある「チャップリンの独裁者」を見てみた。断片的にしか見ていなかったので、最初から見るのは初めてかもしれない。

確かに、「ローエングリン」。第一幕の前奏曲。
(追記:8/10動画がありました)



そして、この前奏曲は、ラストの恋人ハンナへの呼びかけの場面にも使われている。

「先の“独裁者の愉悦”と、ラストでの“迫害された者の救済”という、まるで相対する場面に同じ音楽を用い、双方でこのうえなくしっくりくるように演出したチャップリンのセンスには脱帽せざるを得ない。」(東京・春・音楽祭「歌劇≪ローエングリン≫〜映画の中の音楽」より)

(恋人ハンナが、気が強く、ナチスをも恐れない女性なのはとてもいい!)

「独裁者」の最後の演説はチャップリン史上最高のスピーチと言われている。

演説の最後は以下の言葉で結ばれる。

In the name of democracy,let us all unite!




1940年の作品。75年前だ。

これ、今まさに言うべき主張、そして日本国憲法の思想だと思う。

(8/10追記:動画がありました)


引用します。「ヒンケルの遊び部屋」さんより
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I'm sorry but I don't want to be an Emperor. That's not my business.
I don't want to rule or conquer anyone.
I should like to help everyone if possible, Jew, gentile, black man, white.

申し訳ない 私は皇帝になりたくない
支配はしたくない
できれば援助したい ユダヤ人も黒人も白人も

We all want to help one another, human beings are like that.
We all want to live by each other's happiness, not by each other's misery. We don't want to hate and despise one another.
In this world there is room for everyone and the earth is rich and can provide for everyone.

人類はお互いに助け合うべきである
他人の幸福を念願として お互いに憎しみあったりしてはならない
世界には全人類を養う富がある

The way of life can be free and beautiful. But we have lost the way.
Greed has poisoned men's souls has barricaded the world with hate, has goose-stepped us into misery and bloodshed.

人生は自由で楽しいはずであるのに
貧欲が人類を毒し 憎悪をもたらし 悲劇と流血を招いた

We have developed speed but we have shut ourselves in, machinery that gives abundance has left us in want.
Our knowledge has made us cynical, our cleverness hard and unkind.

スピードも意思を通じさせず 機械は貧富の差を作り
知識をえて人類は懐疑的になった

We think too much and feel too little,
more than machinery we need humanity,
more than cleverness we need kindness and gentleness,
without these qualities, life will be violent and all will be lost.

知識だけがあって感情がなく
人間性が失われた
知識より思いやりが必要である
思いやりがないと暴力だけが残る

The aeroplane and the radio have brought us closer together.
The very nature of these inventions cries out for the goodness in men, cries out for universal brotherhood for the unity of us all.
Even now my voice is reaching millions throughout the world, millions of despairing men, women and little children,
victims of a system that makes men torture and imprison innocent people.
To those who can hear me, I say "Do not despair".

航空機とラジオは我々を接近させ
人類の良心に呼びかけて 世界をひとつにする力がある
私の声は全世界に伝わり 失意の人々にも届いている
これらの人々は罪なくして苦しんでいる
人々よ 失望してはならない

The misery that is now upon us is but the passing of greed,
the bitterness of men who fear the way of human progress,
the hate of men will pass and dictators die,
and the power they took from the people will return to the people,
and so long as men die,liberty will never perish.

貧欲はやがて姿を消し
恐怖もやがて消え去り
独裁者は死に絶える
大衆は再び権力を取り戻し
自由は決して失われぬ!

Soldiers, Don't give yourselves to brutes,
men who despise you and enslave you - who regiment your lives,
tell you what to do, what to think and what to feel,
who drill you, diet you, treat you as cattle, as cannon fodder.

兵士諸君 犠牲になるな
独裁者の奴隷になるな!
彼等は諸君を欺き
犠牲を強いて家畜の様に追い回している!

Don't give yourselves to these unnatural men, machine men, with machine minds and machine hearts.
You are not machines. You are not cattle.
You are men.
You have the love of humanity in your hearts.
You don't hate, only the unloved hate. Only the unloved and the unnatural.
Soldiers! Don't fight for slavery, fight for liberty.

彼等は人間ではない! 心も頭も機械に等しい!
諸君は機械ではない!
人間だ!
心に愛を抱いてる
愛を知らぬ者だけが憎み合うのだ!
独裁を排し 自由の為に戦え!

In the seventeenth chapter of Saint Luke it is written "the kingdom of God is within man" -
not one man, nor a group of men - but in all men - in you, the people.

"神の王国は人間の中にある"
すべての人間の中に! 諸君の中に!

You the people have the power, the power to create machines, the power to create happiness.
You the people have the power to make life free and beautiful, to make this life a wonderful adventure.

諸君は幸福を生み出す力を持っている
人生は美しく 自由であり すばらしいものだ!

Then in the name of democracy let's use that power - let us all unite.
Let us fight for a new world,
a decent world that will give men a chance to work, that will give you the future and old age and security.

諸君の力を民主主義の為に集結しよう!
よき世界の為に戦おう!
青年に希望を与え 老人に保障を与えよう

By the promise of these things, brutes have risen to power, but they lie.
They do not fulfil their promise, they never will.
Dictators free themselves but they enslave the people.

独裁者も同じ約束をした
だが彼らは約束を守らない!
彼らの野心を満し 大衆を奴隷にした!

Now let us fight to fulfil that promise.
Let us fight to free the world, to do away with national barriers, do away with greed, with hate and intolerance.
Let us fight for a world of reason, a world where science and progress will lead to all men's happiness.
Soldiers! In the name of democracy, let us all unite!


戦おう 約束を果す為に!
世界に自由をもたらし 国境を取除き 貧欲と憎悪を追放しよう!
良心の為に戦おう 文化の進歩が全人類を幸福に導くように
兵士諸君 民主主義の為に団結しよう!

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だけど、21世紀、日本国憲法を持つ日本で、この演説を思い起こさなければいけないという現実がとても悲しい。
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2015/8/5

池澤夏樹さんが冬の旅を  音楽

家に帰った時、夫が「喜びそうな記事があるよ」と「図書8月号」を見せてくれた。

池澤夏樹さんの「『冬の旅』からウェルエテルへ」

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ヨナス・カウフマンというテノール歌手がいる。
ミュンヘン生まれで四十代なかば。
声質や歌唱力はもちろん立ち姿から挙止ふるまいに至るまでほれぼれするような男(後略)

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彼がシューベルトの「冬の旅」全曲歌うのを一時間十五分、陶然として聴いた。

*****
ぼくには音楽評論の力などかけらもないから、今回もただ気持ちよく彼の声に浸ったとだけ言っておこう

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「陶然とした」うんうん。「ほればれするような男」そうそう。

あの川崎に池澤夏樹さんもいらしたのだろうか。同じ空間にいたのだろうか。

とにかく嬉しい。

ヨナスさんの「冬の旅」CDを買って聴いている、のも同じですね。

文章はこの後、「冬の旅」の詩について論じ、同じように恋に破れた青年としてゲーテ「若きウェルテルの悩み」について語る。

私も最近「若きウェルテルの悩み」を再読した。これも池澤さんと同じ!なんてね。

私はヨナスさんがオペラ「ウェルテル」を演じているから読んだのだが、池澤さんは「恋に破れて絶望する若者」を共通項として読んでいる。

ゲーテは自分とウェルテルに一定の距離があって、自分とウェルテルを同一視していない。これを25歳で書いたゲーテはやっぱり偉い、と言っている。

(私は「若き・・・」を読んで、まず(日本語だけど)、自然や人物描写に感心した。)

この「図書」には斎藤美奈子さんの「文庫解説を読む」シリーズが毎月載っている。
これがまぁ面白い。毎回大笑いだ。今回の「走れメロス」もおかしい(笑)。ほんと鋭い。

これ一つにまとめて本になるんでしょうね。文庫解説を安易に引き受けて書いた人たちは恥をさらすことになるね
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2015/8/4

松田選手の命日  サッカー(マリノス)

松田選手がこの世を去ってから4年。5回忌だ。

マリノスタウンに記帳所が設けられるというので、行ってきた。
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まだ、信じられない思いでいる。

マリノスが苦しい時、手を叩いてチームを鼓舞する姿がピッチ上にあるような気がする。「オラオラ」と言いながら駆け上がる姿が見えるような気がする。

もうあんな選手は出ないよね。

マリノスの優勝時のビデオを見るたび、あぁ松田選手も奥選手もいないのだ、と思って悲しくなる。

でも、感傷に浸っていても始まらない。マリノスの選手たちは勝利に向けて頑張るのみ。

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マリノスタウンも今年限り。もったいないなぁ。

この写真の奥の方、俊輔が練習している。全体練習は終わっていたので、自主練かな。

中澤選手はランニングしてた。話し声が聞こえた。楽しそうだよね。

斎藤選手は厳しい顔で黙々と走っていた。

横浜駅に帰る時、ローソン脇からピッチを見ると、俊輔(呼び捨てちゃうのはいけないかな)が天野、若手選手にPK練習をさせていた。通りかかったサラリーマンが「あ、俊輔だ」と足を止めた。

今日は神奈川新聞花火大会。マリノスタウンで花火縁日という催しがある。花火を見ながら、選手会主催の縁日を楽しもうというわけ。

出かけた人たち、松田選手を偲びながら、イベントを楽しんでください。
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2015/8/3

8月の抗議行動予定  政治

8月の戦争法案廃棄を求める行動予定を貼っておく。

8月2日の高校生抗議デモ
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TeensSOWLのHP
http://teenssowl.jimdo.com/

総がかり行動実行委員会

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暑いので無理せず、体調を見ながら、参加できるものに参加していくつもりだ。
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2015/8/3

8.2高校生デモ  政治

8月2日渋谷で戦争法案に反対する高校生のデモがあった。参加人数は約5,000人!

私は体調不良だったので、参加せず。ネットで配信される動画やtwitterを見ていた。

話題の「とりま廃案!それな、それな」は知っていたよ!「とりあえず、まぁ」の略語。ポスターが出来た時、?と思って調べたのだ。

コールはいろいろ面白かったね。「とりま」の他にも「アベシンゾ―が一番脅威」とか「I don't need アベアベアベ」「アベマジムカツク」

「裸の王様は誰だ?アベアベ」は天才的という評を読んだ。子ども=高校生が言うからこそ衝撃的だ。

「売国総理はマジいらねー」「喩えの下手な自民党」とか面白かった。

「鉄砲持たすな、希望を持たせろ」は、悲痛だよ。

スピーチはいくつかあったが、どれも実にしっかりしたものだった。

「湾岸戦争はそもそも石油資本が起こした」「アフガン戦争イラク戦争の帰還兵は深刻なPTSDで苦しみ、自殺者は戦死者よりも多い。自衛隊もイラク戦争後、58名が自殺している」「自衛隊員をアメリカの戦争に参加させてはいけない」「格差社会、子どもの貧困で若者が経済的徴兵になる可能性は高い」。←こんなことアベは言わない、言えない。

16歳の少女のスピーチ。



スピーチ書き起こしはこちら ↓ ↓

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/256101

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2015/8/2

本の紹介2  本・文学

もう一冊下の記事に書いたのだが、反映されないので、別記事で紹介。

同じく
「本屋になりたい この島の本を売る」(ちくまプリマ―新書)



もともと大手書店の社員。赴任先の沖縄で、小さな古本屋を譲り受て店主になった。

文章から感じるのはとても堅実で真面目な人ということ。でも親元からも遠く離れて、大手書店の経験はあるにしても、古本屋を始めてしまうのは大胆だなぁと思う。

堅実で真面目で、情に篤く、でも大胆。ユニークだよねぇ。そして何より本への愛情!

一読をお薦めします。
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2015/8/2

本の紹介  本・文学

娘の知り合いの本を紹介します。

神奈川の出身だが、今は沖縄那覇で古本屋をしている女性の本です。

宇田智子
「那覇の市場で古本屋ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々」(ボーダーインク刊)



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