2016/3/19

アンナ・ネトレプココンサート  音楽

当代随一のソプラノ歌手アンナ・ネトレプコさんのコンサートに行ってきた。

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映画「ラ・ボエーム」や「椿姫」(ザルツブルグ)MET「愛の妙薬」「エフゲニー・オネーギン」「マクベス」「イル・トロヴァトーレ」(これのみ映画館)など、(あ、アン・ハサウェイ「プリティ・プリンセス2」にも出演していた)、をテレビで見ていたので、一度どうしても生の声を聴きたかった。

チケットはほぼ完売。聴衆は女性の方が多い。音楽大学生らしい若い女性たちも多かった。SMBC証券のプラカードを持っている人たちもいたのでお得意さん招待かな。

結構高いチケットだったけど、B席どんづまりの席。あぁ、オペラグラス忘れた、と思ったが、NHKのカメラが入っていたので、表情はテレビで見ればいいや、ただ音、声だけを聴こう、と思い直した。

プログラムは
オペラ「運命の力」序曲 これ、最近ミュンヘンオペラのブルーレイを見たばかりだから知ってるよ。カッコイイ曲。

で、ネトレプコさん登場。きらきらビーズを散りばめた白のドレス。

オペラ「アドリア―ナ・ルクヴルール」から「私は神の卑しい下僕です」
第一声から聴衆を虜にした。ドン詰まりの席なのに、耳がビリビリするくらいの声量。厚みのある豊かな声。うっとりだ。

この曲は昨年夏のミュンヘン野外コンサート(3大スターネトレプコ・カウフマン・トンプソンWOWOWで放送)で歌っている。だから、知ってました。予習もしてきた。

ついで、ネトレプコさんのご夫君エイヴァゾフさん
オペラ「アルルの女」から「ありふれた話(フェデリーコの嘆き)」

このアリア、お隣のオペラファンの女性たち、知らない曲、と言っていた。でも、私はヨナスさんのCDに入っていたので、よく聴いていた。

エイヴァゾフさんはテノールらしい、高いきれいな声で声量もたっぷり。

オペラ「イル・トロヴァトーレ」から
ネトレプコ「穏やかな夜…この恋を語るすべもなく」

これはMETライブビューイングで見て、聴いて「すっげー」と感嘆した歌。声量、技巧ともにないと歌いこなせないと思う。こういうのを聴くとオペラ歌手は人間離れしていると思うわ。

ついでエイヴァゾフさん、有名な「ああ、あなたこそ私の恋人」これ、きれいな曲でうっとりなんだけど、エイヴァゾフさん、ちょっと自己陶酔してしまったみたい。テンポ遅くなってオーケストラが合わせるのに苦労していた(ように感じた=素人の意見です)

続けて「見よ、恐ろしい炎を」すごい有名曲で大好き。で、ハイトーンと言うの?その点ではエイヴァゾフさんは問題ない。でも、この曲は男声合唱があってこそ盛り上がるよね。コンサートでは難しい。

オペラ「アッティラ」序曲

オペラ「オテロ」より二重唱「すでに夜も更けた」
初めて聴いた。やっぱりネトレプコさんの方が感情豊かと思った。でもステキでした。二人のラブラブぶりも見えたし

ただ、私は来年ヨナスさんが演じるので、どんなふうに歌うのかな、デスデモーナは誰なのかな?なんてことを考えていた。

お隣の女性たちは「え、あの歌、オテロなの?」なんて言っていたが、思っていたのと違うのだろうか?
≪休憩≫
ネトレプコさん、ブルーグレーの、後ろにふくらみが何段もあるボリューム豊かな(うまく説明できない)豪華なドレスに着替えて登場。

オペラ「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」日本公演なら外せない。圧倒的な声。

オペラ「トスカ」より「星は光りぬ」名曲よねぇ

オペラ「アンドレア・シニエ」より「亡くなった母を」
これ、私は一番感動した。美しい曲で、聴いていて涙が出てきた。ネトレプコさんステキ。

同じく「アンドレア・シニエ」より「5月のある晴れた日のように」エイヴァゾフ
これもヨナスさんのCDで聴いていた。難しい歌。歌詞がいかにも詩人が歌う詩で抒情的だ。これも素敵だった。

オペラ「マノン・レスコー」より間奏曲
これはミュンヘン野外コンサートでも演奏された。チェロから始まる。ステキ。

最後がオペラ「アンドレア・シニエ」より「貴方のそばで、僕の悩める魂も」
ネトレプコ・エイヴァゾフ・狩野賢一(名前を呼ぶ役)。二人の歌が、コンサートだけど、オペラみたいだった。でも演技力・表現力はネトレプコさんの方がだいぶ優っている印象だ。

このオペラ、美しい曲が多くて、一度見てみたいと思った。
(バイエルン2016-17シーズン カウフマン・ハルテロスコンビで上演する。ヨナスさんファンは大喜び。見たいなぁ。けど現地には行けないので攻めて映像化してほしい)。

ブラボー・大拍手で一旦終了。

アンコールは「チャールダッシュの女王」から「山こそわが故郷」。ネトレプコさん、狭い舞台上でくるくる踊った。観客も一緒に手拍子。大盛り上がり。
(これもミュンヘン野外コンサートで歌ってた)

エイヴァゾフ「トゥランドット」から「誰も寝てはならぬ」。誰もが知ってる。この歌も盛り上がる。男声歌手は普通お辞儀だけだけど、エイヴァゾフさんは女性歌手がするように膝をついて胸に手を置いてあいさつした。

指揮者と3人に大きな花束が渡された。

最後の曲は「忘れ名草」。哀愁ある美しい曲だ。この曲もヨナスさんが歌っているから知っていた。ミラノ・スカラ座プッチーニコンサートのアンコール曲の一つ。

(「知ってた」「知ってた」ばかりで申し訳ない。知っている曲を歌ってくれると嬉しくなってしまう。それと、昨年の6月1日以来、私すごく勉強したのだ、と言いたいm(__)m)

ブラボー!スタンディングオベーション(客席の半分くらいかな)。エイヴァゾフさんが花束の中から赤いバラを一本ずつ抜いて、最前列の女性たちに投げていた。女性たち大喜び。

二人とも、最初から、舞台後ろの席の人にも挨拶し、引っ込むときは手を振り、とても聴衆に気を配っていた。

終了後10時からサイン会。400名も並んだそうだ。サイン会案内放送で「最終列車の時間をお考えの上ご参加ください」と注意していたのもわかる。

とても素晴らしいコンサートで満足満足。

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けど、昨年のヨナス・カウフマンコンサート程の衝撃はなかった。あれは何というべきか。

テノールの歌は、毎日ヨナスさんの歌を聴いているので、つい比べてしまう。

エイヴァゾフさんは艶のある良い声で声量も豊かだ。が、批評で「一本調子」と言われてしまうように、演技力は今一歩のようだ。なんか自分の声や歌に酔うタイプにも見受けられた=それが当然なんだけど。

昨年のヨナス評「歌手の幸福がこちらの幸福に感じられるもので、カウフマンは全く醒めていた」「カウフマンは、どうやら他のテノールとはちょっと違うみたいで、(中略)歌を、才能とか勢いとかではなく、テクニックを知的に組み合わせて歌っている」

声は暗くて重い。普通のテノール歌手とは違う。でも、キレがあって、ドラマチックで、聴衆の感情を揺さぶってしまう。

(しかし、そもそもソプラノ歌手のコンサートに行って、ヨナスさんのことを考えてしまうなんて、ひどいね。)
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