2016/8/16

久しぶり東劇へ  音楽

METライブビューイングアンコール@東劇上映が今年も8月6日から始まった。

昨年初めて「ファウスト」をこの東劇に見に行った。長くても十分耐えられると分かったので、それ以来、METライブビューイングを見に行くようになった。

「ファウスト」を見に行ったのはもちろん、ファウスト博士役がヨナス・カウフマンだから。でもこの時は、ルネ・パーペのメフィストフェレスの方が目立っていた。

で、今回は「指輪」4作をアンコール上映するというので、これは見に行かずにはいられない。「ワルキューレ」のジークムント役で、ヨナスさんが出演しているから。

この「ワルキューレ」はWOWOWで放送したので録画し、もう何度も見ている。通しで見たのは1回で、あとはジークムントの出番と「ワルキューレの騎行」だけ繰り返し見ている。

それでも大画面と良い音響で見てみたいとずっと思っていた。

そもそも、このライブビューイングは2011−12シーズンなので、私が全くオペラに関心がなかった頃に劇場上映している。もう見る機会はないかもと思っていたので上映スケジュールを見た時は嬉しかった。

家族のOKをもらって、出かけた。前回東劇に一番近い地下鉄出口から行ったら、階段がきつかったので、今回は地下鉄歌舞伎座出口にした。これならエスカレーターで地上に出られる。

客の入りは7割くらいかな。前を見ると白髪頭と禿頭、観客層はシルバー。女性の方が多い感じ。

ワルキューレはいきなり、ヨナスさんが逃げ惑う場面から始まる。第一幕はもう本当に堪能した。

「父は剣を約束した」はCDでも聴いていたなぁ。迫力。

ジークリンデがニワトコの刺さる剣の謂れを話すところから、「冬の嵐は去り・・・」のアリアまで、ここ大好き。

以前も貼ったけど、またyoutubeを貼ってしまう。


剣を抜く場面。


そして、二人が愛を確かめ合って、フンディングの家を出るところまで一気呵成。ヨナスさん素敵過ぎる。

録画で気になった「よだれ」もおなかのたるみも気にならず。

2幕はヴォーダンと妻との夫婦喧嘩。妻フリッカ役のプライスの声と貫録は神々の長ヴォーダンですら敵わないのだと納得させてしまう。

そして、ブリュンヒンデがジークムントの死を告げに行く場面、こういう時のヨナスさんは最強。英雄の強さ、気高さを見事に体現。そしてジークリンデへの深い愛情をこの上のない優しさで繊細に演じる。ブリュンヒンデならずとも心動かされるだろう。


「指輪」の中で、こんなに愛情を示す人物は他にいないそうだけど、本当に「死なないで」と思ってしまう。

息絶える前、父親の顔に手を伸ばして一瞬見つめるジークムント、この演技、涙出るよ。

幕間インタビューで、インタビュアーのディドナードさんがヴォ―タン役のターフェルさんにいきなり「ジークムントに何をしたのぉ!」「彼の命!」と言うけれど、まさに、そんな気持ち。

そして、3幕の「ワルキューレの騎行」。連なった大きな鉄板(マシーン)を馬に見立てて、ワルキューレたちが現れる。この女性歌手たちがみな、凛々しくてかっこいいんだわ。

この場面の録画を家で見ていたら、6歳と2歳の孫が気に入って、「もっと見る」と言う。曲も勇壮だし、ワルキューレたちが滑り台のように「マシーン」から降りてくるのも面白いらしい。ついでに「ホヨッホー!ホヨッホー!」「ハヤッハー!ハヤッハー!」と歌うのも楽しいらしく、早速真似していた。4回くらい繰り返し見たかしら。孫たちをオペラファンにしたいなぁ。

これ


3幕は、父と娘のやりとりと別れ、ヴォ―タンの「さらば、勇敢で気高いわが子よ」はしみじみと聴いた。ヴォ―タン役のターフェルさんは体格、風貌とも神々の長にふさわしい。シルエットで登場する時も堂々たるものだ。ただ、歌う時、首を動かしすぎじゃないかな。癖ならしょうがないけど、もっとスクッと立っていてほしいと思うのよ。

5時間以上の長丁場、2幕の夫婦喧嘩からヴォ―タンの独白のあたりは眠気に襲われたがそれ以外は、大丈夫だった。

このオペラ、壮大な話なのに出演歌手は少ないのが意外。ワルキューレが8人だけど、それ以外は6人、ジークムント、ジークリンデ、フンディング、フリッカ、ヴォ―タン、ブリュンヒルデ。

「ヴァルハル(ヴァルハラ)」神々の宮殿のことらしい、この言葉、「マッドマックス怒りのデスロード」にも出てきたと思う。象徴的に使われることが多いみたい。でも、このオペラを見るまで知らなかった。

いろいろ知らないことがあるものだと思う。

この「ワルキューレ」を見て、また新国立劇場の「ローエングリーン」を見て、ワーグナーはいいなぁと思った。

ヨナスさんがこれからもワーグナーに取り組んでくれるようなので(今年はマイスタジンガ−、やがてジークフリード、トリスタンとイゾルデも)、私も少しずつ見て、理解していこうと思う。

MET「指輪」4作のトレイラーはこちら。
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