2017/12/29

「希望のかなた」を見た  映画

横浜ジャック&ベティにフィンランド映画「希望のかなた」を見に行ってきた。

「希望のかなた」公式HPより
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内戦が激化する故郷シリアを逃れた青年カーリドは、生き別れた妹を探して、偶然にも北欧フィンランドの首都ヘルシンキに流れつく。空爆で全てを失くした今、彼の唯一の望みは妹を見つけだすこと。ヨーロッパを悩ます難民危機のあおりか、この街でも差別や暴力にさらされるカーリドだったが、レストランオーナーのヴィクストロムは彼に救いの手をさしのべ、自身のレストランへカーリドを雇い入れる。そんなヴィクストロムもまた、行きづまった過去を捨て、人生をやり直そうとしていた。それぞれの未来を探す2人はやがて“家族”となり、彼らの人生には希望の光がさし始めるが…。
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カウリスマキ監督作品だ。この監督の作品は見たことがない。作品について調べると、必ず監督についての説明がある。独特の世界があるようだ。

全体の感想で言うと、不思議な味、おかしいけど哀しい、後になって現実の重みがずしりと響いてくる作品と言う感じ。

ハリウッド映画にありそうな「テンプレート」「起承転結」とは違って、作家性というのかな、が強く感じられた。

不思議な味というのは、説明が少ない、話す人物を正面から撮る、音楽が不意に挿入される、ユーモアと深刻な話の落差、というところかな。

対話の時、話す人物を正面から撮り、終わると答える相手も正面から撮るというのは、小津映画風なのかなと思ったり(あんまり小津作品に詳しくない)。

挿入される音楽は様々なジャンルがあって、ロックや民謡、ジュークボックス、シリアの民族音楽、その中ではギター2本のフォークソングが好きかな。

あと、煙草モクモクだ。これ意識的にやっているのだろうか。この監督作品の特徴と言っているのを読んだような気もする。

つまらない感想だけど、主人公カリドが山田孝之(時に真田広之)に見えて仕方なかった

主人公のカリド以外の、ひとりひとりの人間もとても個性的に描かれていて、どの人の人生について知りたくなる。

ヴィクストロムという人は普通のおじさんのようでいて、なんか裏道人生があるような謎めいている。存在感がある。

難民の保護施設で一緒になるイラク青年(この人とても良い人!)、レストランの同僚、ヴィクソトロムの妻、商売仲間、ミュージシャンたち、様々な公的組織の人々もまた個性的だ。

この映画のテーマは困っている人(&犬)には自然に手を差し伸べる、ということだろう。

見るからに不審な青年に片言の英語で尋ねられたら普通通報だろうと思うが、自然に道を教える人、ネオナチに襲われた時、助けるホームレスたち。不法入国を助けるトラック運転手。もちろんフィクションではあるが。

難民問題は現在の欧州の最大の問題だと思う。右派・極右の台頭も目立つ。でも、カウリスマキ監督は人々の素朴な善意を描き、それこそが今の世界で一番必要なことだ、と訴えているようだ。

で、一方考えたのは日本のことだ。日本の難民政策はひどい。難民に認定される人自体が一桁だ。入管での扱いもひどくて、病気でも医療が受けられずに亡くなったり、暴力もある。

人権や、人々の善意、優しさ、を日本社会に求めるのは、絶望的な気がしてくる。

それでも、カウリスマキ監督のメッセージは受け止めなくてはいけないと思う。
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