2018/4/12

アイーダ  音楽

5日の「ローエングリン」コンサート形式に続いて、11日新国立劇場「アイーダ」に行ってきた。1週間に2度もオペラ関係。びっくり。チケットを購入する時、よほど高揚していたのだなぁ。

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ポスターです。

このアイーダを見よう・聴こうと思ったのは、アムネリス役がセメンチュクさんだから。

セメンチュクさんは2013ザルツブルグ音楽祭「ドン・カルロ」でエボリ公女役を演じている。この録画何度見たかわからない。ヨナス・カウフマン、アーニャ・ハルテロス主演のオペラだ。

そしてパッパーノ指揮、カウフマン、ハルテロス、テジエのCDでもセメンチュクさんがアムネリスを歌っている。

新国立劇場の「アイーダ」はゼッフィレリ演出版、杮落しの舞台だという。だからポスターを見ても分かるように豪華絢爛だ。それも楽しみだった。

開幕。中央の壁の所に女性が現れる。立ち姿がもう美しい。そして風格がある。「あれがセメンチュクさんかな?」。そうだった。

ラダメス役マヴリャーノフは背が高く、すらりとしていた。

早速「清きアイーダ」。「アリアの最後のB♭はメッサ・ディ・ヴォーチェ(弱音からクレッシェンドしてまた弱音に戻る歌い方)」だそうだが、カウフマンさんはそう歌う。

この方はずっとフォルテだった。と意地悪な聴き方をしているなぁ。でもブラボーの声があがった。

「アイーダ」の戦争前の場面、「戦だ」「戦だ」の合唱、昂揚感がある。

アムネリスの自信に満ちた振舞と、腕も剥き出しにした「奴隷」のアイーダ。対照的だ。

アイーダ役イム・セギョンの歌唱。この方、声量があって声が劇場の隅々まで響き渡った。

アムネリスの部屋。子どもたちのバレエがある。みな上手。アムネリスとアイーダとのやりとり。声の質が違うので、丁々発止だった。

凱旋の場。これは絵画のようだった。豪華絢爛、兵士が次々に現れる。300人の出演者がいるそうだ。これ、一人が何人かの役をやるそうで、舞台裏に行くと急いで着替えてメイクも替えてまた出て来るそうだ。

そしてバレエ。METより出演者が多いような気がする。すてきだった。

何よりびっくりは馬が2頭出てきたこと。思わず拍手しそうになった。そしてラダメスは白馬で登場。英雄だねぇ。

この辺はおなじみの曲、場面だ。

凱旋の場の、ラッパとか、合唱とか聴いていると、サッカー日本代表を思い出す。日本代表は大丈夫かなぁ、と心配になる。

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第3幕。アイーダと父親アモナズロの場面。ラダメスから情報を聞きだせと命じられる。アイーダの、ラダメスと祖国との板挟み、この心情の揺れ動きは良く表現されていた。

ラダメスはこの場面アホだよね。まんまと機密情報を話してしまう。

で、やっぱり、このラダメス役いまいち。アイーダへの切ない愛情や祖国への裏切りの深い絶望があまり感じられないのだ。

第4幕。ラダメスとアムネリスのやり取り。ここのセメンチュクさんは良かったですね。人としての複雑な感情、自分を愛さないラダメスは憎い、でもその彼を愛している。死ねばいい、死なせてはいけない、揺れ動く感情を歌い上げる。

神殿の地下牢。見ていると息がつらくなる。恋人たちの歌が弱くなり、地下牢が舞台下に下りて行く。その上でアムネリスが静かに祈って終演。

アイーダは見どころが沢山あって、曲も有名曲が多くて、初心者にはとても向いているオペラだと思う。

そのせいか、いつもより物音が多いような気がした。

日本人歌手は神官ランフィス、アイーダの父アモナズロ、エジプト王、伝令、巫女を演じる。

ランフィス役の妻屋秀和さんは貫録があって声も響いてさすがだった。

アイーダのイム・セギョンさんは声量があって、堂々たる主役だが、私はあまり好きな声ではないのだ。金属的というと言いすぎだが、鋭角的な気がする。もっとふくよかな方が好き。段々聴いているのが辛くなってきた。

ラダメス役マヴリャーノフさんは見た目もいいし、歌も悪くないんだけど、やはり歌ってるだけで、このラダメスの「ダメ男」ぶりが目立っちゃう。そもそもの設定がダメ男なんだけど、もっと切なさや絶望が出せるはず。
(というのは、CDでカウフマンさんの声を聴いているからだね)。

カーテンコールで一番拍手を浴びていたのがやはりセメンチュクさんだった。出てくると手を振り、投げキッスをして、とてもキュート。自分でもこの役に自信があるのだと思う。

とにかく、立ち姿の姿勢、両手を広げた時ピンと伸びた腕、立居振舞が切れがあって美しいのだ。

とても満足の公演だったし、出演者に賛辞を送りたいと思ったので、カーテンコールの最後の方、隣の女性たちと立ち上がって拍手した。お客さんは7〜8割方退席していた。

すると2列位後ろにいたジジイが「立ったら見えないじゃないか」と怒っていう。はぁ?

あなたスタンディングオベーション知らないの?見えないなら、あなたも立てば?或いは隣はガラガラなんだから、そっちへ移ったら?

でも性悪ジジイと喧嘩しても嫌な気分になるだけなので、少し横に移動して、つまり後ろは誰もいない、スタンディングオベーションを続けた。

私たちの前の席はみんな立っていたんだよ。如何にに理不尽な言いがかりか。これが私たちでなくて、男性だったら文句言わないんだよ、そういうジジイって。

最後気分悪かったな。

これで昨秋から(カウフマンさんの分を入れるともっと前から)貯めていたチケットを使い切った。散在したので、当分コンサートはなし、だ。
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