2021/6/15

圧倒された  音楽

NHK BSプレミアムでコルンゴルト「死の都」が放送された。

ずっと楽しみにしてきたオペラだ。

見終わっての第一感想。

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なんかやたらレベルが高かった。現実と妄想が入れ混じり、舞台転換(回り舞台)が早く、音楽は現代音楽風、ペトレンコの緊張感みなぎる音楽と、難しい歌唱&演技&身体能力の歌手陣、圧倒された。
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オペラ「死の都」とは。

19世紀のブルージュ、若きパウルは亡くなった妻マリーを悼み街を彷徨う。そして出会ったのがマリーと瓜二つの踊り子マリエッタ。次第に夢と現実の境界が曖昧になるパウル。

コルンゴルト作

演出:サイモン・ストーンの
指揮:キリル・ペトレンコ
バイエルン国立管弦楽団

パウル:ヨナス・カウフマン
マリー/マリエッタ:マルリス・ペーターゼン

バイエルン国立歌劇場合唱団&児童合唱団



YouTube の動画で分かる通り、舞台上にはパウルの白くてモダンな住居がある。この住居は回り舞台の上にあり、歌手達は目まぐるしく部屋や外部を出たり入ったりする。隣の部屋に入るだけでなく、奥へ行き、別の部屋に現れる。

この動きを覚えるだけでも歌手達は大変だったろうな。

2幕では2階が据え付けられ、梯子で上り下りする。またパウルの部屋のまま、あやしげな店になる。

パウロの妄想が視覚化され、病身の妻が次々に現れたり、ベッドの下から子どもたちが飛び出して来たり、自分の分身と出会ったりする。

亡き妻に執着するパウロと、生きている自分を主張するマリエッタの歌の激しいやりとり、それを音楽が支える、というかさらに緊迫を強化する。

このオペラはようやくオペラに慣れ始めたわたしには難しくて、旋律もよくこんなメロディを歌えるなぁ、と思うし、オーケストラも不協和音や不規則(に聴こえてる)なリズムで、どうしてこんな音楽を一矢乱れず演奏できるんだろうと思ってしまう。

ペトレンコさんの指揮は(私はワルキューレしか聴いたことないし素人なんだけど)、それでもどうしてこう緊迫感に満ち、精緻で、美しく陶酔的だったり、気持をかき立てられたりするのだろう。

ともかく、何重にも高度で深くて、はあ⤵、クラシックの本場はこういうことができてしまうのねぇ。

カウフマンさんは妻の死から立ち直れず、混乱していく男を演じて、こういうのは本当に上手い。

高音が多くて歌うのが大変な役というが、余裕を持って、輝かしい声を響かせていたと思う。最後の妻の死を受け入れる静かな歌は聴いていてしみじみしてしまった。その前の激しい場面から一転しての歌なので、余計に心に沁みた。

マリア/マリエッタの、ペーターセンさん、このオペラ演出は彼女があってのものと思った。自由奔放で、でも理不尽には身体を張って対抗する女性、生き生きしててかっこよかった。

まだ書くことはあるけどとりあえず、ここまで。
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