2022/1/9

長いドキュメンタリー  映画

「ディズニー+」にあるビートルズの長編ドキュメンタリー「Get Back」を見た。

この作品はパート1がトゥイッケナム・スタジオでのセッション、パート2がアップル・スタジオでのセッション、パート3が“ルーフトップ・コンサート”ノーカット完全版となっている。

約8時間ある。

やっぱりパート3のアップル社屋上のコンサートが一番興奮した。

あの足の踏ん張り方、膝の曲げかた、ギターの持ち方、マイクへの向かい方、口の開け方、リズムの取り方、ドラムをたたく時の姿勢や表情。

そうそう、これがビートルズ!と思った。懐かしかった。

そして、ジョンとポールの声の重なり、「最高」だよね。陳腐な賞賛だけど、浮かんできた言葉はこれしかなかった。

二人とも歌がうまいわー。

ビートルズが出てきた頃、世のおじ様たちが(明治大正生まれ)が「ギャアギャア言ってるだけ、歌じゃない」なんて酷評してたけど、彼ら、演奏も歌も一流なんだよ、と今更言ってみる。

私は映画「Let's it be」は3回くらい映画館に見に行った。

その時はビートルズの終焉を描いたものと思っていた。

でもこのドキュメンタリーを見て、監督のピーター・ジャクソンが言う通りだった。
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その映像は、バンドが一緒になって作業する姿を、これまでに見たことのないほど親密に、そして私的に捉えたものでした。

娯楽性に富んでいて、お互い陽気に接し合っているバンド仲間としての彼らを、また、喜びも辛辣さも、そしてしばしば見られるひょうきんさやじゃれ合いなどの触れ合いも見ることのできる映像だったのです。

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そう、とことん話し合い、音や歌詞を突き詰め、一つの楽曲ができる様を見ることができる。

ハンブルグ時代の話をしたり、インドへ行った時のことを語ったり、スウェーデンでの公演の話をしたり、本当に仲間という感じ。

ジョンとポールがハモる時にお互いの顔を見つめてタイミングを計ってる。もう10代の時からこうやって歌ってきているんだよねぇと感慨を覚えてしまった。

印象に残ったこと、

@パート1でジョージが「ビートルズを辞める」とリバプールへ行ってしまったこと。

不和の原因は何よりヨーコの存在と思い込んでいたので、そういえばそうだったのかも、と遠い記憶をたどったりした。

こういう時、というか、全編を通してリンゴの存在がみんなの緩衝材になっていたなと思う。何を言うわけでもないが、彼がいるだけで、ギスギスが和らぐ気がした。

Aヨーコがいつもジョンの隣にピタっといること。

4人が輪になって曲のことを話し合いながら楽器を弾いている時もその中にいる。5人のバンドのようだ。ぴったりくっついてその場にいるが、映像を見ている限り、何か口をはさむことはない。とにかくいつもジョンと一心同体。

他のメンバーはそれを受け入れているように見えた。

しかし、ジョンとヨーコがいない時ポールが他の人たちと「ビートルズの解散原因がヨーコがアンプの上に座っていたからじゃダメだろう」とか「ジョンはビートルズとヨーコのどちらを選ぶかと言ったらヨーコを選ぶだろう」と言ったり、するのを見るとやはりわだかまりはあったのだと思う。

ポールはもっとジョンとの距離が近くないと曲は生まれないとも言っていた。

ポールがリンダを連れてきたこともあるが、リンダは他のスタッフと同じ場所にいて、4人の中には入らなかった。

もちろん、大勢(家族)ごちゃごちゃで練習している時はそばにいるけれども。

しかし、こういう時に平然としているヨーコさんは自己肯定力が高いのだろうなと思った。

Bセッションの時に「help!」だの「love me do」「please please me」だの、「stand by me」だのを突然歌いだしたりするのが嬉しかった。

Cコートは高価そうなのに、その下のTシャツなんかは普通ぽかった。ヨーコは基本黒づくめ。ビートルズの服はあの当時の流行だけど、今見てもおしゃれ。

D屋上コンサートは始まった時は近くにいた背広姿の男性や近所の年配者が多かったが、時間が経つにつれて、ミニスカートの若い女性たちが増えてきた。ビートルズが演奏していると聞いて駆けつけたのだろうな。

スカーフを頭に巻いている女性たちがチラホラいて、最近このファッションはなくなってしまったと思った。

全編を通して感じたことは「彼らがとても親密だったこと」。

屋上コンサートが彼ら4人最後の演奏だったというのが本当に悲しくてならない。

もっと聴きたかったな。

でも、個性の強い4人がそれぞれの音楽性の違いや思想の違いがあり、ビートルズとしての統一性、世の中の期待、スケジュールに縛られることの窮屈さに耐えられなくなっていったのもわからなくはない。

そして、この画面にいた、ジョン、ジョージ、リンダ、ジョージ・マーティンその他、もうこの世にいないのだなぁと思った。

1969年1月の作品。53年前のこと。半世紀も経ったとは思えず、デビュー〜あの時のままの彼らが私の記憶にとどまっている。

その後のジョンの「イマジン」もあの時の4人に比べると私の印象は薄い。
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