2013/5/31

「リンカーン」を見てきた  映画

続けて映画3本を見た。一つはシネコンで、一つは自主上映で、もう一つはDVDで見た。

シネコンは「リンカーン」だ。ずっと見たかったので、ようやく見に行けたという感じ。第一回目の上映だったので、観客は20人いたかなぁ。

この映画は「ザ・ダニエル=デイ=ルイス」でした。圧倒的。

アカデミー賞でも「賞レースに絶対はない、と言われるが、ダニエル=デイ=ルイスは絶対確実。抜きん出ている」と言われていた。

映画の見どころはダニエル=デイ=ルイス。

映画音楽はおなじみのジョン・ウィリアムス。今回はとても格調高い静かな音楽だった。
共演陣ももちろん見事だった。見知った俳優もいるのに、ちゃんと南北戦争時代の人に見えるよねぇ(と言っても南北時代を知らないから、要するに現代人のようではない、と言うべきか)。

この映画はリンカーンの生涯のうち、「奴隷制廃止の憲法修正13条」をめぐる議会の攻防2か月間だけを描いたものだ。

予備知識なく行ったので、これがそもそも意外というか、ちょっと拍子抜けだった。だが、議会の投票場面はスピルバーグらしく、結果はわかっていてもハラハラさせられた。盛り上げるのが上手い。

昨今の情勢と照らし合わせて、政治的リーダーは「理想を語るべき」とつくづくと感じた。自由、平等、博愛。

「博愛」。「人間愛」「隣人愛」=人として普通の感情。
リンカーンが奴隷制廃止を主張するのは、鎖でつながれた黒人たちの悲惨な姿を見たことが原点になっている。それは映画「アメージング・グレイス」で描かれたウィリアム・ウィルバーフォースの姿に重なる。彼の行動の原点は奴隷貿易船での黒人たちの悲惨な状況にあった。

(ただしリンカーンはアメリカ原住民インディアンに対しては残酷だったとのことだ)

それと、言葉の深さと豊かさ。要するに教養。日本は今、露悪的な言葉がもてはやされる。建前への嫌悪はわかるが、本音を言えば良いわけではない。やはり、人間社会が積み重ねてきた人智というか、思想哲学への尊敬は失ってはならないと思う。

一方でリンカーンは政治家としてのしたたかさもある。「方位磁石」の話が印象に残っている。磁石は「北(正しさ)」を常に指し示す。しかし、磁石はそこに到達する道に、岩山があるか沼地があるか砂漠があるかは教えない。われわれは北へ到達するために、岩山を上り、沼地を避けなくてはいけない。正しい道に到達するには回り道も、妥協も、必要だということ。

それと、リンカーン家で働く黒人女性の「私たちはずっと戦ってきたのです」という言葉は重いと思った。抑圧されてきた人々はずっと戦ってきたのだ。今も闘っている。

冒頭の南北戦争の殺戮シーン。戦争とは殺人だ。簡単に「戦争」を語ってほしくないと思う。
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