2019/9/18

試聴ラウンジ・ショパン  音楽

みなとみらいホール・レセプションルームで開かれる「試聴ラウンジ」に行ってきた。

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レセプションルームからの眺望はこんな感じ。

今回で3回目かな。

最高級のオーディオで専門家の解説を聞きながらCDの名盤を聴くという催しだ。みなとみらいホール友の会員対象なので、私も参加資格がある。

今回は「ショパン」

案内人はピアニストの江崎昌子さん。

何と今日はピアノが置いてある。
ショパン:マズルカ 第1番 嬰へ短調 Op.6,No.1
ショパン:マズルカ 第2番 嬰ハ短調 Op.6,N0.2(遺作)映画「戦場のピアニスト」で使われた。

この2曲が生演奏だった。もう〜素敵だった

江崎さんが「戦場のピアニスト」の試写会に行った時隣が外国の方だったので、「どちらから?」と聞いたら、「私は彼の息子です」

なんと戦場のピアニスト・シュピルマンの息子さんで、福岡在住だったそうだ。

そんなエピソードを散りばめながら、ショパンの音楽をひも解いていく。

「マズルカ」はポーランドの農民の踊り。国歌もマズルカなのだそうだ。

農民の踊りの汗が地に落ちて、ショパンがそれをダイヤモンドにした(うろ覚え)という有名な言葉があるそうだ。

CD(江崎昌子さん演奏)を聴く。

ショパン:夜想曲 第20番 嬰ハ短調(遺作)
ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.21 第3楽章
  この3楽章がマズルカなのだそうだ。

ショパン:エチュード Op.10 第12番 ハ短調「革命」
ショパン:24の前奏曲 Op.28 第24番ニ短調

そして
タチアナ・シェバノワ演奏のCD
ショパン:スケルツォ 第1番ロ短調 Op.20

このスケエルツォ、最初は激しい悲鳴のような音楽、中間部がゆっくりした曲になる。このゆっくりした部分がクリスマスキャロルなので、クリスマスキャロルも聴いた

クリスマスキャロル 「眠れ、幼きイエスよ」
 ボーイソプラノの歌声がまさに「天使の歌声だった」

この曲が中間部に入る。そして最後また激しい曲調になる。現実→クリスマスキャロル(子守唄)→現実、という構成だそうだ。

この曲を作っていた時、ショパンはワルシャワを離れ、ウィーンに滞在していた。ちょうどクリスマス。ワルシャワでは「クリスマスに一人でいてはいけない」と言われ、必ず誰かと一緒にクリスマスイブを過ごすそうだ。

この時ポーランドは強国に3分割されていて、ウィーンでも冷たい目で見られていた。そしてクリスマスを一人で過ごすショパン、現実の厳しさ、そして懐かしい祖国のクリスマス、そしてまた現実というのがこの曲に込められたショパンの感情だという。

「エチュード 革命」もワルシャワで起きた11月蜂起に対し、国外にいたショパンの気持ちを曲に込めたものだそうだ。

ショパンを評してシューマンは「花々に隠された大砲」と言った。繊細、優美、華やか、と見えて、鋭いナイフのような音楽、あるいは大砲が隠されている、というのがショパン、これは初めて知った。

そして、江崎さんがショパンの手のレプリカを全員に回してくれた。亡くなった時に型を取ったそうで、指は痩せている。大きさは私とほぼ同じ。

こんな小さな手で、あの音楽を書いたのか、と驚く。

ショパンを「ピアノの詩人」として偶像化、どこか遠くの、歴史上の人物、と私は考えていた。ピアノ曲も楽譜上の音符の連なり、ただ必死に鍵盤を押さえるだけ、のような気がしていた。

でも、江崎さんのお話を聞くと、生身の人間の、生な感情が一つ一つの曲に、あふれるように詰め込まれているのだなぁと感じた。血が流れている音楽なのだ。

故国の民族民俗舞踊をピアノ曲にしたのも、故国に対する深い深い想いだものね。

楽譜上の音符の連なりではない、練習曲ではない。ショパンの激しい感情、故国への愛情が音楽に昇華したものなのだ、と本当によくわかった。

江崎さんはほっそりとして、優雅でとても素敵な方だった。こんな先生にピアノを習えたら、いいなぁ。でもボーっとして練習がおろそかになりそうだ。

音楽を聴きながら、みなとみらいの曇り空を見ていた。どこか哀愁のある、悲しさもあるショパンの音楽は曇り空によく合っていた。

ピアノの音に全身を包まれて、幸せだった。至福の時間であった。
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