2006/1/26

奇人と異才の中国史  本・文学

岩波新書「奇人と異才の中国史」(井波律子著)を読んでいる。電車の中で読むにちょうどいい。

10人くらいの人物と思ったら、なんと56人も取り上げている。一人当たり3ページくらいだ。総花的じゃないかと思ったが、ずっと読んでいくと中国史の流れが見えてきたり、人間のあり方を考えさせられたりする。詩や詞、書や絵画の基礎知識も得られる。

それにしても、自分の知識は高校世界史までだなぁと思ってしまう。一応東洋史を専攻したのに、大学で学んだことは忘れている。名前を見て、内容を読んで、「そうそう、そうだった」と思い出す。「明末清初」の思想・文学なんか昔、結構感動を持って学んだはずだったのに。

政治家であり軍人であり、思想家であり、芸術家でもある、という人物が多く取り上げられている。王朝を起こしたような英雄はともかくとして、科挙で国家の重職に付く人物は必然的にそうなる。その教養の深さ、精神の強靭さは現代人は及びもつかない。

読んでいると、古い時代ほど、万能人間が多く、時代が下るにつれ専門分野に分かれてくるのは興味深かった。著者は出版者や編集者、文献収集者も取り上げている。書物に囲まれる、書物を読む、という言葉が多かった。

女性は6人。則天武后の他は詩人が多い。あ、秋瑾は革命家だ。昔武田泰淳の「秋風秋雨人を愁殺す 秋瑾伝」を読んだなぁ。まだどこかに本があるはずだ。

著者が「愛妻家」の話を書く時はちょっと嬉しそうな気がした。そういう例が少ないからかな。
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