2020/10/20

読書  本・文学

老眼のせいか、手仕事ばかりやっているせいか、スマホばかり見ているせいか、とにかく読書量が激減している。

そんなわずかな読書量なんだけど、最近読んだ本3冊について書きます。

昨日、薄い本だったので村上春樹「猫を捨てに」を読んだ。

春樹は「海辺のカフカ」以来だ。もう長編小説を読むのは無理なのだ。

それと春樹は「ノルウェイの森」や「ダンスダンスダンス」で、「何だよー💢」と怒ったことがあり、あまり好きでないのね。

でも短編小説は、うまいなぁ、文章がいいなぁと思うことがあって短編なら読もうという気になる。

この本は挿絵が沢山あって、児童文学のような体裁だが、内容は全然違う。

村上春樹の父親の話だ。

やはり戦争に関わる話は強烈だ。私たちの父親はこういう地獄を見てきたのだと改めて思った。筆致は冷静、淡々と調べた事実や思い出を記述していく。

文学者の文章には酔うというか、かき立てるイメージや感情が芳潤でうっとりするようなことがあるものだが、そういう感傷は全く入らない。簡潔明瞭な文章で、でも余韻は残る。

2冊目。
今年の夏、ふと朝吹真理子「きことわ」を読んでなかったな、と思い、図書館で借りて読んだ。

これはまさに文章とイメージに酔う作品ですね。大好きと思った。葉山が舞台なのもイメージしやすかった。

その他の作品も読みたいと思った。

3冊目。
ブレイデイみかこ「ワイルドサイドをほっつき歩け ー ハマータウンのおっさんたち」を読んだ。

ブレイデイさんの著書を読むのは「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」「女たちのテロル」に続いて3作目。

確かにおっさんの話ばかり。

ブレイデイさん周囲のベビーブーマー世代は「NHS」(国民健康保険サービス)への思い入れが強いんだな。

彼らの中でEU離脱すればNHSにもっとお金が回るという話を信じ離脱派になり、結果イギリスはEU離脱。しかし結局お金はNHSには回らず期待は裏切られたという話がある。知らなかった。

もちろん彼らはサッチャー主義は大嫌い。

イギリス労働者階級だから移民への反感が強いのかと思えば、理不尽な差別には怒り彼らを守ろうとする。人としての公平さがある。

それと面白かったのが、最近おっさんたちもビールよりスパークリングワインを飲むようになっている話。健康志向のようだ。

ブレイディさんな話はいつも面白いし、多角的な見方を教えてくれると思う。
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2019/12/16

「私たちは何も知らない」  本・文学

二兎社の新作「私たちは何も知らない」を東京芸術劇場シアターウェストに観に行ってきた。

(12/31、少し書き足しました)

二兎社の作品は毎回見ている。

今回は青踏社に集まった女性群像、平塚雷鳥、伊藤野枝、尾竹紅吉、保持研、岩野清、山田わか、そして奥村博史。
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平塚に朝倉ゆき、伊藤に藤野涼子、尾竹に夏子、保持に富山えり子、岩野に大西礼芳、山田に江枝元萌、奥村に須藤蓮。

始まる前は古い洋楽がかかっている。ヨナスさんのドイツオペレッタの中入っている曲も流れた。いかにも戦前風だ。そして、芝居が始まると「元始女性は太陽であった」がラップで歌われる。

舞台は斜めの壁があるだけのシンプルなもの。斜めの壁の向こうは階段になっていて、出演者が登場したり退場したりする。壁の前に机や椅子が並べられ、様々な場面に変わる。

女優たちの衣装は現代のものだ。

雷鳥役の朝倉ゆきさんは声がよく通り凛とした佇まい。細身だがしなやかだ。周囲をひきつけてやまない声と言葉。

朝倉さんは「書く女」にも出演されていたという。ということは、樋口一葉の妹役だろうか。着物の着こなしがきりっとしていて下駄を履いても身のこなしが美しかった。

なお高畑勲「かぐや姫の物語」のかぐや姫の声を演じたそうだ。美しい声だもの。

青踏のことは若い時から沢山本を読んできた。研究書、小説、映画も。だから私にはとても親しいものだ。

批評の中には「事実関係の羅列ばかりで人が描けてない」というのもあった。私はそうは思わなかった。

この中で語られる雷鳥の煤煙事件、長沼千恵子の表紙、与謝野晶子の文章、吉原登楼・五色の酒、同性愛、発禁処分、若いツバメ、堕胎論争、貞操論争、母性論争、売買春問題、辻潤、大杉栄、注釈なしでわかる。

だからそういう歴史的事実羅列の中で生き生きと活動する女性たちの姿がちゃんと見える。

女が自らの意見を主張することへの風当たり、封建・家父長制への異議申し立て、仕事(編集出版、著述)、友情、恋愛、出産、彼女らの問題提起と苦闘は今につながるものだ。

青踏社で奮闘していた女性たちも戦争においては協力を余儀なくされる。ここは辛い。国威発揚に取り込まれてしまうのは戦争協力と女性の地位向上とどうしてもつながってしまうからだろう。もちろん「国家民族の危機」と思うのは当時としては当然だったのかもしれない。

しかしなぁ、先頭に立って旗を振らなくてもいいと思う。(←そうせざるを得なかったのかなぁ。それはもっと調べてみる)

表だって反対できなくても非協力だった女性たちはいる。私はそういう立場でいたいと思うし、せめて国家に取り込まれないように自戒していきたいと思う。

「青踏社」の人々は敗戦後は「平和」運動、女性の権利運動へと動くことになる。

私の若い時代には平塚雷鳥さんをはじめ、まだみな活躍しておられた。

話は逸れるが、
もりまゆみさんの「青踏社の冒険」では平塚たち裕福な階級出身の無神経さが批判されている。
辻井喬「終わりなき祝祭」(富本憲吉と尾竹紅吉の話)は読んだが戦争中紅吉が一切戦争協力をせず、警察に追われる人をかくまったことは知らなかった。

瀬戸内寂聴の「美は乱調にあり」ほか世間に背いた女性たちの小説、大杉と伊藤との間の子どもの人生を描いた松下竜一「ルイズ 父にもらいし名は」も読んだ。

話を戻すと、

この劇では青踏社の実務を担当していた保持研さんが重要な役だ。ともすると思想、文学、社会運動的な面から「青踏」をとらえられがち、というかほとんどそうだけれど、編集出版販売という実務があっての「青踏」だということがよくわかった。

この役を演じた富山えり子さんがとても演技が闊達で魅力的だった。

俳優さん達がとても熱い。若い2人、紅吉の夏子さん、野枝の藤野涼子さんはやや台詞回しが重かった。夏子さんはそれでも奔放な紅吉を生き生き演じていたし、藤野さんは重さが逆に田舎臭さと頑固さを表現することになって効果的でもあった。

それと、当時は産制制限の知識もないから、女性たちは妊娠してばかり(というのは言い過ぎ)、野枝もそうだし、与謝野晶子もそう。それと家父長制においては男性の放埓ぶりが許され過ぎて本当に嫌になる(演劇でも描かれる)。

岩野、山田を演じたお二人はとても安定していて、達者な演技だった。

須藤さんは「若いツバメ」の頼りなさがよく出ていた。奥村は当時の男性としては権威主義でなく柔軟で誠実だとも思った。

岩野さんが平塚雷鳥に言う「街頭に出なさい」は永井愛さんの言葉だと思った。

この劇を若い人たちに見てほしいなぁと思う。#Me too の機運が高まっている今、100年前の女性たちが何を見ていたか、何と闘っていたか、それとその自由な精神をしっかり見てほしいと思う。

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2019/11/29

「チェコへの旅」  本・文学

先日、小森陽一、金平茂紀、辛淑玉「加藤周一、米原万里と行くチェコの旅」という本を読んだ。

もう図書館に返してしまったので、その時tweetしたものを載せておく。



tweetが上手く貼れないので、言葉だけをコピー&ペーストする。
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「60年安保以来大きな組織は解体されたが、持続的にやろうとした人たちの小さな組織はたくさん残った」「一人ひとりの自立した個人の運動が大事」とか。68年チェコ「プラハの街頭に相対していたのは、圧倒的で無力な戦車と、無力で圧倒的な言葉であった」とか。

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「プラハの街」というのは1968年夏、「プラハの春」を押し潰すためにソ連軍などが戦車でプラハに侵攻した時のこと

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韓国の人達の言葉「軟弱だと思われていた日本の人たちが2015年に国会を取り囲み、野党共闘を実現したことに学んで、2016年にパククネ大統領を辞任に追い込むことができた」。キャンドル革命はすごいと思っていたけれど、あの時国会前にいたことも、こうして繋がっているのだな

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そして加藤周一さん達が立ち上げた「9条の会」は最初から高齢者運動が基本方針だったとか。だから街宣右翼が「ジジイとババアばかりじゃねえか」と集会の周りで罵っても「そうだよ、それが何か?」ってことなんだね。

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小森陽一さんは同じ時期チェコにいた。この本を読むと、米原さんの知識量・読書量の半端なさにただただ驚く。

金平さんはモスクワの特派員に派遣される前に米原さんにロシア語を習ったという。飢え死にしない程度のロシア語を学んだそうだ。

そして、あのロシアクーデーターの時、戦車の上に立つエリツィンなどをモスクワから報道し続けたそうだ。歴史の目撃者だ。米原万里さんは東京から駆け付けて同時通訳をし続けたという。

加藤周一さんの文章や言葉、もうこういう言葉を綴れる文化人はいないのかもしれない。

そして米原万里さん、本当にもったいなかった。私と同年齢。もっともっと生きていてほしかった。プーチンにされるがままの日本ではなかったろうと思う。

でも、こうして彼らの言葉や業績を語ってくれる人々がいる。これを後の世に残していかなくてはならないと思う。

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2019/2/21

82年生まれキム・ジヨン  本・文学

今話題のチョ・ナムジュ著「82年生まれ キム・ジヨン」(筑摩書房)を読んだ。



ヘイト本を極力置かないようにしているくまざわ書店が近所にあるので、注文した。1週間くらいかかると言われたが、2日程で届いた。

アジアの小説としては異例の8万部の売れ行きだという。新聞各紙でも書評が載っている。(韓国では100万部のベストセラー)。

表紙は女性の顔だが、特定の顔ではなく、顔の部分には風景がはめ込まれている。「キム・ジヨンは私だ」ということだと思う。

主人公は82年生まれの女性なので、ウチの娘たちと同世代と思う。

書かれている内容は主人公の親世代の私も身につまされることばかりだ。女性差別は変わらない。

本当に「こういうの、あった」「ひどかった」「許せなかった」と心が痛くなることばかりだ。

そうだ、そうだったと思うエピソードは沢山あるが、

学校の前に度々出没する露出狂を学年の「不良」少女たちがつかまえて突き出したのに、とがめられたのは少女たちだったというエピソードはほんと悲しくなった。

この小説で、私世代と一番違うのは「働く女性」が直面する差別問題だ。

何故なら私たち世代は必ずしも民間企業で働くことが一般的ではなかったからだ。

男女雇用機会均等法もなかった。民間企業には結婚退職制、30歳定年制があった。就職しても事務補助がほとんどで「職場の花」と言われた。「腰かけ」とか。

同級生で働き続けられたのは地元に残った教師、公務員、医師、看護師、薬剤師位だ。親(実家、婚家)の援助が得られる人たちだった。(それでも続けられない人ももちろんいる)

家を離れて、横浜で働こうとすると、保育園も少なかった。私立保育園は高かった。給料に見合わなかった。近所で働き続けた女性は配偶者が教員、公務員、自由業だった。民間企業の人はほとんどいなかった。配偶者が民間企業の場合は女性の実家が近い人だった。

というわけで、「キム・ジヨン」との世代差は働くことよりも専業主婦になることが、そもそも働く場所がない、子育て援助もない以上、『最適』な選択だったという点。

そして、団塊の世代の女性たちはM字型と言われる働き方でパート、自宅アルバイトをした。されに経済的余裕のある女性はボランティアで福祉、地域活動を支えた。

それはまだ日本が高度成長時代の名残りがあって、働き手が家庭で一人でもやっていける時代だったからだ。

しかし今は違う。専業主婦家庭よりも共働き家庭が多い。女性が働くのは当たり前だ。

「キム・ジヨン」を読んでいて、大学まではまぁ、同じような差別があったなぁ、それ自体、とても悔しいし、許せないことだ、しかし、企業に入ってからの差別はきつい。子どもを持ってから、特に矛盾が押し寄せる。

本当にね、働く女性たちは様々な差別に直面する。過労死された女性たち、努力して高学歴を手に入れ、やりたかった仕事を手に入れたのに、そこで女性差別(待遇差別、賃金差別、セクハラパワハラ)に見舞われて身も心もすり減らして行った。

仕事ができなくても男性は最初から総合職になり、賃金はずっと上、昇給もする。しかし、女性は総合職の募集自体少なくて、大多数一般職、どんなに仕事ができても、給料はある程度から上がらず、昇進もない。「女性が輝くなんちゃら」と言われても差別の実態は変わらない。

親戚の女性は転職をしたが、老舗企業の子会社は無能なオヤジ達のたまり場になり、旧態依然、労働条件や賃金はよくなったが、ばかばかしくなり1年もたたず転職してしまった。能力ある女性が力を発揮できないなら日本企業が衰退し続けるのは当然。

というわけで、キム・ジヨンの祖母、母親の受けた女性差別、キム・ジヨンが直面した女性差別、どれもこれも身につまされすぎる。

「キム・ジヨンは私だ」と女性たちが叫び、共感するのはよくわかる。こうやって言葉に、文章になることで、自分たちを取り戻すのだ。

よく売れているので、書店には置いてあると思います。ぜひ、お読みになってください。
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2018/12/30

お奨めの本  本・文学

こんなtweet



宇田智子さんは横浜出身。

東大を出てジュンク堂書店に勤務、沖縄支店に配属になり、その後、那覇の市場で閉店するという小さな古本屋を受け継いで、「市場の古本屋 ウララ」を開店、今に至っている。

以前にも取り上げたことがある。
https://blue.ap.teacup.com/applet/daizufengtien/20150802/archive

娘と同い年でこんな文章を書けるなんて驚きだ。
(考えてみれば、今年40歳になるのなら、数多の女性作家の事を考えても当然なのかもしれないが、自分の娘と同年齢と考えるとやはり驚く)



ぜひ読んでください。
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2018/12/27

テレビで  本・文学

朝テレビを見ていたら、NHKBSプレミアムで「白洲正子」を放送していた。

1日目は「かくれ里」。手元に本がないので、うろ覚えで書くけど、「街道からは外れているが秘境というほどではない小さな集落」、「そこでは村人たちが仏を守っていたりする」

そうそう、その村人たちが「お寺」や「ほとけ様」を大事に守っている、というのは「小浜⇒琵琶湖周辺・観音の里」を旅した時に、強く感じたこと。

2016年若狭・近江旅行9月30日の記事 と10月1日の記事

これを白洲さんはもう何十年も前に書いていたんだなぁ。本を読みたくなったが、このテレビ番組の影響か図書館では数名の予約が入っていた。

出てきた地名、メモ代わり。

菅浦、琵琶湖東岸・石塔寺、西岸・西教寺石仏群、栗東市金勝山独坂磨崖仏、国見岳(採石場の跡?)
近江小椋谷、永源寺、蛭谷君が畑・大皇器地租神社、百穴古墳群、今津から北国街道、竹生島、湖北大音、木之本、己高山

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「村人たちが守っている」というのは2016年に己高山「石道(しゃくどう)寺」へ行った時の記事でもわかる。リンクしてある2016年10月1日の記事。
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「受付に人の姿が見えないので、覗くと横になっておられた。すぐに対応してくれて、お堂の戸を開けてくれ、お厨子も開けてくれた。

重要文化財十一面観音像。檜一木造り、色彩がよく残っている。

こちらのお寺は真言宗長谷寺の末寺。しかし、お寺を守っているのは村の方で、「私たちは浄土真宗、本願寺さんの門徒なんです。年に3回くらい長谷寺系統のお寺からお勤めに来ていただいています」とのこと。純朴、朴訥な感じの方が話してくれた。このあたりも高齢化で、この先お寺を守っていけるか心配ですとおっしゃっていた」

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近江八幡、三上山、水口・大岡寺(芭蕉、伊賀から京都へ向かう途中立ち寄る。旧友と再会)

芭蕉「命二つの中に生きたる桜かな」

若狭湾 神子(みこ)、神子桜海上から見ると良い。

鞍馬越え、原地(はらち)の火祭り=松上げ祭り、花折峠、
安曇川、葛川妙王院 相応和尚 不動明立像

2日目、西行と明恵
西行の歌
番組紹介順
心なき身にもあはれは知られけり 鴫たつ沢の秋の夕暮れ

年月をいかでわが身におくりけん 昨日の人も今日は亡き世に(親友の死)

面影の忘らるまじき別かな 名残を人の月にとどめて(愛する人との別れ)

数ならぬ心の咎になし果てじ 知らせてこそは身をも恨みめ

青葉さへ見れば心のとまるかな 散りにし花の名残りと思へば

ふりにけり君がみゆきの鈴の奏は いかなる世にも絶えず聞こえて

なみだおば衣河にぞながしける ふるき都をおもひいでつつ

とりわきてこころも沁みてさえぞ渡る衣河身に来たる今日しも

待ちきつる八上の桜さきにけり 荒くおろすな三栖の山風

何事のおはしまするか知らねども かたじけなさの涙こぼるる(西行の歌かは疑わしい)

年たけてまた越ゆべしと思ひきや 命なりけりさやの中山(69歳の歌 40年前に越えた中山)

風になびく富士の煙に消えて ゆくへも知らぬわが思ひかな

ねがはくは花の下にて春死なむ そのきさらきの望月のころ

吉野山梢の花を見し日より 心は身にもそはずなりにき

73歳没。60代後半で平泉までの旅をするとか信じられない。あの時代の旅は苛酷だったろう。たまげてしまう。義経も鞍馬から平泉に行き、平泉から頼朝のもとへ駆けつけ、そして壇ノ浦まで行ってしまうことを考えると、昔の人は平気だったのだろうか、と幼稚なことを考えてしまう。

「ゆくへも知らぬわが思ひかな」「心は身にもそはずなりにき」という言葉、今も実感としてわかる。啄木の「空に吸われし十五のこころ」にも通じるような。

この番組では、「西行の歌は中世の歌の源流」「『さみしい』を初めて歌のテーマとした人」「孤独の人生を選んだ人」と言っていた。

吉野の西行庵、と鴫立つ庵は行った。

辻邦生の「西行花伝」は読んだけれど、今一つピンと来なかった。この番組の西行像は分かりやすかった。

白洲正子さんの本を読まなくては。
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2017/2/19

偉大「動物のお医者さん」  本・文学

twitterを見ていたら、「動物のお医者さん」で盛り上がっていた。



本当にね。



元ネタは「アフリカの呪術師」と対決し電子マネーを導入した企業の話なのに、「アフリカの呪術師」に反応した多くの人が「漆原教授」を思い浮かべたという。

ついには「togetterまとめ」までできた。



この「まとめ」の中で皆が触れている、どれも思い出せる。



合唱団の人がtweeetしているのが笑えるけど、私も「トスカ」というと「動物のお医者さんを思い出すよ。

本当に偉大な漫画だ。
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