2022/4/5

読んだ本  本・文学

ポリタスTVで深澤真紀さんが推薦していた本。

ミン・ジヒョン著「僕の狂ったフェミ彼女」(加藤慧訳)発行イースト・プレス

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「1982年生まれキム・ジヨン」よりフェミニズムについて、ずっとよくわかる小説、と言っていた。

それで書店に注文した。amazonでは買わず近所の書店言って取り寄せてもらう主義。

とても面白くて、あっという間に読み終わった。

アメリカ留学の時別れた元カノが帰国してみたらラジカルフェミニストになっていたという話。

彼女を愛しているし彼女もそうだと思うけれど、話が噛み合わない、価値観が違い過ぎる。

「僕」はまぁ「普通」の感覚の男子。家父長制支持ではないし女性差別主義者じゃない。

その彼の言うことが「フェミ彼女」から見るとどうしようもない発言なのだけれど、彼には分からない。そのズレがとても面白かった。

恋愛したら結婚、結婚して親を安心させたい、自分が主な稼ぎ手になるから妻は嫌な仕事を無理してやることもない。もっと俺を頼れよ。

セクハラなんてやられた方にも原因があるんだろ、仕事のためには多少の嫌なことも我慢しなくちゃ、悪い男はいるかもしれないが僕はセクハラやパワハラはしない、男だからって敵扱いは頭にくる、フェミなんてブスな女の集まりだろ、etc.
 
彼には女性の置かれてある理不尽な環境が何も見えてない。

でも、フェミ彼女がとても小気味良いので読後感は心地よい。

韓国は日本以上に少子化が進んでいる。フェミニズム活動も盛んだけれど、政権交代で保守勢力からのバックラッシュが危惧されている。

この本の後書きには伊藤詩織さんの言葉が引かれている。「声を上げれば必ず届く」「助けてくれる人がいたのでここまで来れた」。この言葉に励まされたと書いている。

もうひとつ読んだ本は、韓国の漫画で「大邱(テグ)の夜、ソウルの夜」

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日本の漫画と違って、洋書と同じ体裁で漫画のセリフも横書き、だからあまり読みやすくはない。  

女性の置かれた状況は日本と同じ。だから段々心が沈んでくる。 

それでもね、シスターフッドは描かれてるし、自立しようとする女性たちには共感する。

日韓女性の連帯ができるんじゃないかと思った。

韓国がこういう状況なのに韓国ドラマにでは、女性に対して男性たちはとてもフェアだ。「愛の不時着」も「椿の花咲く頃」など、とても気持ちが良い。女性の自立を邪魔しない男たち。

「賢い医師生活」もそうだ。それで、こんな雑誌を買ってしまいました。
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「韓国TVドラマ」という雑誌の中の特集だ。

この記事の書き手はほんとうにマニアだと思った。

YouTubeやblogなどでは知識不足のことを喋ったり書いたりしてる人たちもいるけど、この方は全部正確で、視点も共感する。

「『賢い医師生活』名せりふ選」なんて全部書き出したいくらいだ。

シン・ウォンホ監督インタビューも興味深かった。

「イクジュン&ソンファ」カップルは今まで描いてきた(友情から愛情へ)作品より濃度を薄めたけれど、シリーズ1〜2を貫く軸なので適度な密度を守ることに一番気を使った、と言ってる。

「見る人にも彼らにも本当に少しずつ徐々に浸透するように演出しました」とのこと。

だから、私は二人の関係が良くわからなくて(そもそもそういうことに疎い)、見返したりしたのだけど、よくよく観察すると、本当に細かい部分にヒントが散りばめてあった。それを確認する作業は面白かった。

脚本家さん、監督さんは細かいところを本当に緻密に描いている、そして俳優たちが繊細に演じている。5回くらい見て、「あ、あれはそういう表情だったのか!」と気付いたところが幾つもあった。

「撮っていてちょっとやり過ぎだと思ったり、まなざしがロマンスっぽ過ぎると思ったところは省いた」そうだ。

こういう解説を読むと、また確認したくなるではないか。

このドラマは医療ドラマなので患者さんたち(プラス家族)が中心だけれども、医師たち日常も丁寧に描いている。

その中でイクジュン&ソンファのラブラインは隠されているだけにヒントを探し当てると同時に描かれない部分を想像することがとても楽しい。

作品にもよるのかもしれないけど最近見た韓国ドラマはストレスが少ない。

ハングルを習いたくなってる。

それと今までは「ヤマシン」のマスクを購入していたが、「賢医生」のイクジュンを演じているチョ・ジョンソクさんがCMに出ているairdaysのNF94マスクを買おうかな、なんて思ってしまう。つくづくミーハー。

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2021/12/29

本  本・文学

昨日も書いたが、メガネが合わなくなって、がくんと読書量が減った。

友人たちが本の話をするのを聞いて、私も読まなくてはなぁと思った。

それで、前にも書いたが、原田マハさん、中島京子さん、松田青子さん、村田沙耶香さん、山内マリコさん、西加奈子さん、宇佐美りんさんを読んだ。

https://blue.ap.teacup.com/applet/daizufengtien/20210730/archive

最近は庄野頼子さん「居場所がない」、川上未映子さん「乳と卵」を読んだ.

笙野さんには感心してしまった。アパートが借りられないというだけで、これだけのことが書けてしまう。人物や状況の観察が鋭い。もちろん自分自身へ向ける眼も。

今『性自認』に徹底的に反対しているせいか、作品の発表場所がないとのことだ。この本でもまだ一般的でなかった「オートロックは必須」とこだわるところに彼女の現在の行動につながるものがあると思った。

(そういえば林琴峰さんが笙野さんのことを『性自認』問題で批判していたが「笙野さんの著作は読んでいない」そうだ。あきれるよ。作品を読んだ上で、彼女の主張に向き合え〜)

川上さんの賞を取った作品を今頃読んだ。豊胸手術、生理のこととかあからさまに書いてて私の年齢だと抵抗があったが、それでも一人一人の心理描写や、クライマックスに至る筆力は見事だと思った。

小説だと、久しぶりに椎名誠の本2冊、それと初めて海棠尊(コロナ黙示録)を読んだ。

私のブログで「本」で検索すると、

原武史「皇后考」、萩尾望都「一度きりの大泉の話」、太田啓子さん「これからの男の子たちへ」(今著作はとても勉強になった。それだけにトランスジェンダリズム《性自認》の乗っかった発言は残念)、上野千鶴子「在宅ひとり死のススメ」、小山修「あの日、ジュバは戦場だった」、加藤陽子「それでも日本人は戦争を選んだ」、ECDさん「他人の始まり、因果の終わり」

などが出てくる。感想は書かなかったけど北村紗衣「批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く」も読んだ。

ともかく読者量は少ない。

来年はもっと読めるだろうか。

最近は読書より手仕事をしながらネット配信番組を見る方が好きだし、楽なのである。
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2021/11/12

訃報  本・文学

テレビでニュース速報が流れた。

作家の瀬戸内寂聴さんが亡くなった。99歳。来年の5月で100歳だった。100歳まで生きてほしかった。

若い頃、瀬戸内さんの本はたくさん読んだ。

66年「美は乱調にあり」から84年「青鞜」くらいまでだ。

考えてみたら子育てで中断したということかな。

その後は新聞や雑誌のエッセイやインタビューを読むくらいになってしまった。

テレビのドキュメンタリーや対談番組はかなり見た。

瀬戸内さんには影響を受けたし、とても励まされてきた。

当時(60〜80年代)瀬戸内さんの上の世代、同世代は彼女の生き方に眉を顰めていた。

73年のベストセラー「一人でも生きられる」は、私の母は憎んでいた。年頃の娘を抱えていたから「早く結婚させなければならない」は強迫観念のようになっていた。当時女性が一生働ける場所は少なかった。まして子どもを育てながら働くことはごく一部の職業だった。

だから「一人でも生きられる」と若い娘を「扇動」するが如きこの本は許せなかった。

だけど結婚だけが人生なんて、私たちには受け入れられない考えだった。だった瀬戸内さんは女性の生き方を応援してくれたのだ。

また「花芯」でポルノまがいと言われたことで、母校の大学教師は「私の目の黒い歌は彼女を校内には絶対に入れない」と息巻いていた。

しかし、73年に出家して以来、宗教者としての活動と幅広い文学活動によって、人々に深く尊敬されるようになった。

阪神大震災や東日本大震災の時は現地に赴いて、物資を届けると同時に、人々に語りかけた。心の支えとなった。

追悼文は各新聞社で様々に出された。親交のあった方々も感謝の言葉とお悔やみを述べていた。

東京新聞の特集記事はとても良かった。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/142223


記事より
安保法制
***
安保法案が衆院で可決される結果は想像していたわよ。それでも反対しなきゃならないと思ったの。いくら言ってもむなしい気もするけれど、それでも反対しなければならないの。歴史の中にはっきり反対した人間がいたということが残るの。そのときは「国賊」だとか言われても、どちらが正しかったかを歴史が証明する。一生懸命、小説を書いてきて分かりました。
***

原発再稼働反対
***
座り込みに参加した時、私は再稼働は「あるかもしれない」と思った。でも、なぜ座り込んだかというと「反対した人がいた」ということを歴史に残しておかなきゃいけないから。そして声に出して行動に表さないといけない。たくさんの人が行動して、人々の同じ「念」の力が大きくなれば、ものは動くかもしれない」
***

同じことをおっしゃっている。  

(今、思い出した。安保法制強行採決前「今が一番悪い時代だと思いますよ」と寂聴さんが発言した時、江川紹子氏が「今が一番悪い時代とは何事か。戦前を知らないのか。『横浜事件』を知らないのか(うろ覚え)」と言った。江川氏の方こそ瀬戸内寂聴さんの仕事を知らないのか💢と思った。江川さんの無知に驚いた。大逆事件の管野スガの墓参りに瀬戸内さんは行っているではないか。それ以来江川氏の言説には留保をつけている)

そして、戦争経験者として、宗教者として戦争反対、護憲、平和主義は一貫していた。
***
いい戦争はない。絶対にない。聖戦とかね。平時に人を殺したら死刑になるのに、戦争でたくさん殺せば勲章をもらったりする。おかしくないですか。矛盾があるんです。戦争には。
***

「青春は恋と革命よ」

瀬戸内寂聴さん、ありがとうございました。心よりご冥福をお祈りします。
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2021/7/30

読書メモ  本・文学

ずっと家にいるので、少しは本を読む。

友人たちから良いよ、と勧められた中島京子さん、
「夢見る帝国図書館」、「平成大家族」。

「夢見る・・」は最初読みにくくて、なかなかページが進まなかった。上野の「国際子ども図書館」の歴史、図書館と文学者との関わり、と現在の物語が交差する。この構造が私にはなかなか馴染めなかった。

主人公が、たまたま知り合った女性の一生を少しずつ知っていく過程が陳腐な言い方だけど推理小説のようでもあった。

登場人物たちが悪意のある人たちでないのがホッとさせられる。戦後の厳しさや不自由を生き抜いた女性が得た自由闊達さ魅力的だった。

「平成大家族」は現在の家族の悲劇となりかねない設定で始まるけれど、それぞれ安心できる方向へ落ち着いていくのが、読んでいて心地よかった。

2冊しか読んでないけれど、中嶋京子さんの小説は温かいなと思った。

だって、高村薫、桐生夏生、田口ランディとか、結構暗いでしょう?

松田青子の小説 1冊半。

「持続可能な魂の利用」。今を生きる女性、つまり「おじさん社会」と否応なく戦わざるを得ない女性たちの姿を描く。こういうことを描ける時代なんだなと思った。  

戦前生まれの女性作家たちはなんだかんだ言っても男性の価値観から逃れられなかったと思うよ。

海外で暮らすと、特に女性は「楽になる」というのは他の小説でも読んだ。つまり日本社会は、特に「おじさん」が牛耳っているこの社会は本当に息苦しいのよね。

この小説で、私がついていけないのは「アイドル」の存在。「推し」もよく理解できない。

もう一冊は「おばちゃんたちのいるところ」。これはダメでしたね。私向きではない、挫折しました。

村田沙耶香の本 2冊
「コンビニ人間」。これはひたすら面白かった。主人公の設定が秀逸と思う。主人公というより、その主人公から見た「普通」と思っている私たちの姿が滑稽で、この描き方に切れ味があった。

「しろいろの町の、その骨の体温の」。小学校〜中学校までの少女の話。子どもの頃の情景や心理、子どもたちそれぞれの個性、よく描けているなあと思った。でも青春小説なので、ま、私向きではなかった。

山内マリコ 「あの子は貴族」
これは、映画がとても話題になっていたので、読んでみたいと思っていた。女性の自立とシスターシップはいいですね。

もう一つ連想したのが「カタログ」で、「なんとなくクリスタル」。服やバック、着物、ホテル、食事、ブランドなど具体名で人物を描写するところ。と言っても、もう「なんクリ」のことはほとんど忘れているけれど。

西加奈子 「ℹ︎」。

繊細な心理描写と社会問題との交差、力作だった。ここでも女性の友情が描かれている。

西さんのこの小説には「反原発デモ」も描写が出てくる。

松田青子さんの「持続可能な・・」には安保法制反対の国会前大集会が出てくる。「ケッカイ(決壊)」という言葉が出てくるところが面白かった。

「決壊」の現場には私もいたからね。2015年8月30日だけでなく、他の日でも決壊の現場には何回か居合わせた。

彼女たちもあの中にいたんだなぁ、私が思うより、ずっと広範囲の人々がデモや集会にきていたのだなぁと思った。

(「決壊」とは、国会前集会で歩道の押し込められていた人々が、あまりの人数で歩道から車道は溢れ出てしまうこと。歩道と車道の間に設置してある鉄柵が倒されて人々が車道へとなだれ込んだ。そもそも歩道に押し込める警備か誤り)

上野千鶴子「在宅ひとり死のススメ」。いずれ私たち夫婦もどちらかがいなくなって一人暮らしのになる。介護施設に入るのだろうと思ったが、在宅で最後までいけるかもしれない。そう思ったら、少し気持ちが明るくなった。

上野さん、いつもありがとう。

本を貸してくれた、友達、ありがとう。この場を借りてお礼を言います。
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2021/5/19

こんなマンガが  本・文学

「共同親権」や「連れ去り」、「DVシェルター」などを調べていくうちに、こんなマンガがあるのを知った。

(つまり嘉田由紀子議員の悪質発言の件)

「モラニゲ」


「『モラニゲ モラハラ夫から逃げ出した妻たち』 大増量読み放題はこちら」
https://comics.gendaibusiness.com/viewer/moranige/1

このマンガ、怖い話ばかり。

で、こういう関係性のなかにあると、妻もそれがモラハラとは気づかないかもしれない。気づいてようやく逃げ出すのだ。

また、モラハラ夫の方も、自分の加害行為がわからない。
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妻子が逃げると夫側は「自分のほうが被害者だ」と思うようだ。妻が何もできない女でも我慢して結婚してやった、これまで誰が稼いで食わしてやったんだ、こうやってわざとみっともないことをして俺に恥をかかせている、誰かに金目当てでそそのかされた、他に男ができた、、まるで定型文のようにだ。〜橋本久美氏〜
***

こういうDV夫が主張するのが「共同親権」。今のところ「共同親権」だとモラハラに耐える妻を苦しめることにしかならない。離婚後の面会交流は



そう思う。
国会の参考人質問でも「共同親権の方が非行に走らない」との主張に専門家が共同親権は関係ない、親と子の関係性と言っていた。


もう一つのマンガは、北原みのりさんのtweetがなければ絶対知ることもなかったこれ。



峰なゆかさんの生い立ち、AV出演など半生を描いた自伝的漫画

この対談はとても面白い。ぜひ読んでもらいたい。

AV撮影現場では「女優さんたちは絶対に仲良くさせない」のを、こっそり連絡先のメモを渡してシスターフッドを作り上げていく、とか、

AV女優になったのは自傷行為だった、とか、

例えばこんな文章も
(女性問題を語っていると)「『男の生きづらさを全然わかってない』みたいな否定的な反応はめちゃめちゃ多かったんですけど、じゃあ具体的に何がどうなのかって言うと、やっぱり自殺者数とかホームレスの数、割合とかを挙げるだけなんですよ。

 それただの結果じゃん。お前ホームレスじゃないし、自殺もしてないじゃん、お前の話を語れよ、って」

父親は元バンドマンで、ヒッピーでヒモというのもびっくり。

とても冷静に客観的に自分を語っているし、問題の本質をとらえる力が非常に優れている方だと思う。

国際女性デーでの文章もぜひ。

「男の生きづらさについて改めて考えてみる」
⇒ https://laurier.excite.co.jp/i/am_our_97681
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2021/5/5

こどもの日、読んだ本3  本・文学

こどもの日なので、前にも掲載した写真を。

孫たち、こんな時代だけど、健やかに育ってね。

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読んだ本3

男孫がいるので、この本を読んだ


太田啓子著「これからの男の子たちへ 『男らしさ』らから自由になるためのレッスン」」(大月書店)

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5月1日のTBS「報道特集」でも取り上げられていた。ベストセラーだそうだ。

太田啓子弁護士は神奈川県在住で「憲法サロン」という小さな集いをさまざまな場所で開いている。私も一度反原発関係の講演会で話を聞いたことがある。

また、彼女は「献血センターの宇垣ちゃんポスター」、「特産品『鰻』CMのうな子」等の女性を性的に扱った公共団体広報に対して異議申し立てをし、「オタクミソジニスト」「表現の自由戦士」たちから猛烈なバッシングを受けてきた。

例の歴史学者呉座氏も誹謗中傷している。

彼女の訴えはごく常識的なもので、これは非難する方が一方的に誤りなのである。

話を戻す。

「社会から性差別をなくすには男の子の育て方こそが大切じゃないの?」という問題意識で、これから大人になっていく男の子たち自身が「性差別ゃ性暴力という問題に自分か当事者としてどうかかわっていくかの入り口にしたい」と書いている。

「暮らしの中のジェンダーバイアス」「男の子にかけられる呪い」「ホモソーシャルの同調圧力」は男の子を取り巻く環境の厳しさ、生きづらさを物語る。幼児期から男子の権力闘争は始まる、とある。

この生き辛さの原因は女の子たちを苦しめているものと同根だ。
 
しかし、性暴力の加害者の圧倒的多数は男性、加害者たちの認知の歪みは根深いという。

「レイプカルチャー」という言葉があり、これは「性加害が普通のことと考えられており、レイプしないように教えられるのでなく、レイプされないように教えられる文化」のことだそうだ。「暗い道を歩くな」「服装に気をつけろ」「スキがあった」とか思い当たる。

そして「性教育」の話。

ユネスコの「国際的セクシュアリティ教育ガイダンス(生殖の例)」があり、包括的性教育が必要とされる。

日本では性教育がタブー視されてきた。七尾養護学校の性教育が都議の攻撃を受けて、めちゃくちゃにされた事件があった。(裁判で教育への不当な介入として養護学校側が勝訴した)。安倍を筆頭とする日本会議勢力が性教育を敵視した。

このことによる日本の性教育の遅れは深刻なものだと思う。私もこの問題は旧世代なので避けてきたと思う。そういう意味で、この「セックスする前に男子に知っておいてほしいこと」は重要な章だと思う。

更に、性に関する「表現」の問題。 

何か問題なのか、いろいろな例(炎上広告、しずかちゃん入浴シーン等)をあげて懇切丁寧に論じている。「『性表現』が悪いのでなく、『性暴力を娯楽にする表現』が問題」なのだ。

これを読んでなお、太田さんを「表現の自由の敵」思う人がいたら、まさに「認知の歪み」だと思う。

3人の方との対談も入れて、具体的で、易しくわかりやすく書かれている本なので、「これから」の子どもたちのことを考えている人たちにぜひ読んでもらいたいと思う。

とても勉強になります。
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2021/4/30

読んだ本2  本・文学

図書館に久しぶりに行った時、原武史さんの本はないかと探した。

「レッドアローとスターハウス」という著作が面白かった。私好みなのである。西武線にまつわる様々なエピソード、団地の歴史、団地に住む文化人、政治家の話、西武と東急の対比、手堅い事実の積み重ねで、その時代の空気や社会を描いていくのが興味深く、「あーそうだったのか!」「へえ、知らなかった」ばかりなのだ。

いくつかあったけど、一番読みたいと思ったのが「皇后考」。ただ、本の厚さにためらった。

だって652ページもある。厚さ4.5センチ。

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読み始めてみると、これ、皇室のゴシップまとめみたいですね。だからスイスイ読み進められた。「レッドアロー・・」と同じて、へえ、おーそうだったの、ばかりで、最後まで面白く読んだ。4日くらいで読み終わった。

もちろん、実証研究なので、公文書、新聞記事、日記、証言集、随筆等々、膨大な資料に基づいている。

第一章が神功皇后。神功皇后は私など戦後生まれにとっては「誰?」程度の存在感だが、戦前はお札の顔にもなっていたし、重要な人物。「三韓征伐」は政権のイデオロギーとしても役立ったのだろう。

神功皇后は仲哀天皇の妻、応神天皇の母。

この章で驚いたのは大日本国憲法では「万世一系の天皇が統治する」と謳っているのに、発布の時に万世一系の天皇が決まっていなかったということだ。

会議が開かれて、南北朝時代は南朝を正当とする等が決まったとのこと。そして神功皇后は古事記や日本書紀には天皇だったと記述されているのに、「天皇」から外されてしまった。それにより次の応神天皇の在位期間が100年を超えてしまったのだそうだ。

神功皇后は応神天皇の摂政ということになってるらしい。つまり政治に深くかかわっている。

皇后の一つの姿だ。

もう一つは光明皇后。聖武天皇の妻、孝謙天皇の母。光明皇后はハンセン病患者治療の伝説で知られている。こちらが皇后が医療福祉に深くかかわるルーツになる。

皇后考の最初は明治天皇の妻、美子。昭憲皇太后。子はなく、大正天皇は側室の子。

明治天皇は乃木の自刃、漱石の言葉などからカリスマ性のある人物とずっと思ってきたが、この書によると、日清日露戦争は反対だったそうだし、軍艦に乗ると酔ってしまい、あまり好きではなかったとのこと。逆に皇后は軍艦に乗ることや軍隊の演習を見ることが大好きだったそうだ。

大正天皇は様々なエピソードがある。脳の病気だったのではないかと言われていて、昭和天皇が摂政になり、公務を代行した。

最初婚約していた女性は美しかったが、健康面でどうかということで、農家に預けられて育った九条節子が皇太子妃に選ばれた。器量はともかく頑健だったことが選ばれた理由。確かに男子を4人産んだ。

大正天皇は「女好き」だったというエピソードがある。日光御用邸で静養中、天皇がお気に入りの貴族の女性を呼んだので皇后が怒って帰京してしまった話などが載っている。

ある尼寺の庵主は天皇の落し子ではないかという噂はずっとある。

このように、ゴシップまがいの話があるのでスラスラ読み進められたのだ。

この「皇后考」の中心は大正天皇の皇后節子、貞明皇后の話だ。大正天皇は1926年に47歳で逝去。それから25年間、1951年まで皇太后として過ごすことになる。

皇后は秩父宮を偏愛していた、2.26事件の時の昭和天皇の反乱軍に対する激怒はこれも関係しているかもしれない。

また、政府も、皇族(息子たち)も皇后の意向をひどく気にしている。彼女の意思が無視できなかった。1945年6月にはは停戦(敗戦)をほぼ固めていた天皇が8月まで決断できなかった陰に皇太后の影響がなかったとはいえないのではないか、とのこと。

この頃は神功皇后のことを意識していて、政治にも関わりを持とうとしたのではないか。

一方、「光明皇后」の医療福祉への貢献も、皇后(&皇族)の重要な役目として、特にハンセン病院訪問は熱心になされている。

皇后の思想的なことも「神ながらの道」とあって、詳しく論述されているが、ここは割愛。

それと、宮中行事の多さ、長さも大変な仕事だ。それでも、代理で済ませていたことも数多くある。今はどうなのだろう?

貞明皇后は日本中をよく回っていて(巡幸)、その頑健さは皇后に選ばれた理由が納得できる。

戦後は養蚕業組織の長として養蚕地域を訪れている。秩父にも来て、秩父神社に参拝している。最愛の息子は「秩父」宮だったし。

私が子どものころは秩父宮妃殿下が時々秩父にいらして、何回かそのお姿を見た。

昭和天皇の妻は良子。香淳皇后。皇后はなかなか男子に恵まれず、これは大変ご苦労なさったたのではないだろうか。
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