NYLON100℃ 30th SESSION
犬は鎖につなぐべからず〜岸田國士一幕劇コレクション〜
作:岸田國士
潤色・構成・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:松永玲子、みのすけ、村岡希美、長田奈麻、新谷真弓、安澤千草、廣川三憲、藤田秀世、植木夏十、大山鎬則、吉増裕士、杉山薫、眼鏡太郎、廻飛雄、柚木幹斗、緒川たまき、大河内浩、植本潤、松野有里巳、萩原聖人
観劇日時・場所:2007年6月1日19:00〜青山円形劇場
先日は約1年半ぶりにNYLON100℃の芝居を観に行って来ました。加えて青山円形劇場には初めて入りました。
「犬は鎖につなぐべからず〜岸田國士一幕劇コレクション〜」というタイトルのとおり今回は岸田國士のいくつかの作品を一本の物語になるようにケラリーノ・サンドロヴィッチが潤色し演出したものでした。
正直岸田國士という人がどのような作品を残した人なのか知りませんでした。ただ岸田國士戯曲賞というものがあり、それが「演劇界の芥川賞」といわれている事、それをケラさんも「フローズン・ビーチ」で受賞している事ぐらいしか知りませんでした。
ですので一体全体どんな芝居になるか観る前はどきどきしていました。というのもいつものケラさん独特の世界が展開するのか、それともいつもと違ってすごく真面目な芝居になるのか・・・
結果的には部分部分でケラさんが得意とする不条理で重い展開、恐らく岸田國士の言葉をそのまま伝えているであろう部分はすごく真面目で重い空気が流れていた。
どちらに転んでも重い。ただいつのもようの得体の知れない、何かもわもわっとしたりずっしりぐわわぁんっとした後味が悪いような爽快な気分になったようなへんてこな気分は味わえず、わりと淡々としていた。まあ、こういうのもありかなという感じです。
機会があれば今回上演された劇のオリジナルとなった戯曲も読んでみようと思います。
というのもどこまでが岸田國士の言葉でどこまでがケラさんの言葉なのかが気になって仕方がないですし、今回の作品は非常に日常的な場面を描いていてなにげない台詞なのですがその台詞の中に含まれる言葉の一つ一つが物凄く人間の情を深く抉った作品でしたので、岸田國士のほかの戯曲も読んでみたいという気にさせられました。