「ガシャン!!」コンピューター音がまるで自分の心臓のリズムのように頭の中を無限にまわりつづけるなか、突然すべての電気という電気が落ちた。まるで、あの世や死とはこんなかんじだろうと感じれる程の静寂のなか、予備電源で作動している私のパソコンだけが奇妙なシステムプログラムを表示していた。
「ん?こんなプログラムくんでないぞ?」
しかも、なぜかみたこともない、なにを意味しているかわからないプログラムだ。長年この仕事をやっているが、みたことも理解もできない。まるで、あのときのように・・・。
私には婚約者がいた。年がら年中コンピューターとにらめっこの私を、なにするわけでもなくニコニコながめていてくれた人だ。名前はめぐみという。いや、いった。が正解だろう。彼女はもういない。目の前で・・。あっという間だった。どうすることもできなかった。その時すべてを理解できなかった。あの時と同じように今も呆然としている私に画面が話かけてきた。
「・・ガガ・・ピ・・すべての生命は・・めぐ・り・・この・・世・・界に転・・・成する・・。」
かすれながらもハッキリと聞き取れる。
「汝・・転生を・・ガガ・・もと・めるか・・?」
な、なんだと?私は彼女を生き返らすために、世間からはなれ研究に没頭してきた。あの時のままの彼女の遺体を隣におき、いつか、彼女を・・と。
「悪魔でも天使でもいい!彼女をもう一度!!」
「了・・解。・・転生・プログ・・ラム稼働!」
と同時にまぶしすぎる光、光。慣れてきた私の目のなかに写しだされる見慣れた人影・・。
「めぐ・・?」
間を少し空けた彼女が恥ずかしげに口をひらいた・・。
「手札を破壊します。」
ジェニー!!!
おしまい。

0