2007/1/31

イスラエルと中国の関係改善の動きに注目  イスラエルとパレスチナ、中東

*今月はイスラエルのオルメルト首相が中国を訪問。さらにリブニ外相が韓国と日本を訪問。イスラエルが中国、韓国、日本との関係を改善しよう(もしくは、もっと深めよう)とする注目するべき動きがあった。
「パレスチナ・ニュースソース」のブログにも書き込んだ関連記事を抜粋してみる。

(ニュース)
イスラエル首相、きょう訪中 政治・経済関係を強化
1月9日8時0分配信 産経新聞
 【北京=野口東秀】イスラエルのオルメルト首相が9日から3日間の日程で訪中する。両国は要人訪問などを通じ接近しており、中国は今回の首脳会談で両国の政治・経済関係の強化を図るとともに、イスラエルの最先端軍事技術も獲得したい考えだ。

 胡錦濤国家主席、オルメルト首相の首脳会談で両国は経済・農業・貿易分野などで関係強化を図るとみられる。2000年に江沢民国家主席(当時)、05年には李肇星外相らがイスラエルを訪問。03年にはイスラエルのカツァブ大統領が訪中した。両国は1992年に国交樹立後、毎年2ケタずつ貿易額を伸ばしている。中国側はイスラエルの情報・生物化学など最先端技術の獲得にはずみをつけたい意向だ。

 イスラエルは自国の軍需産業を維持するため中国を潜在的な巨大市場ととらえている。01年、高性能レーダー「ファルコン」を搭載した複数の早期警戒管制機の対中輸出を断念。05年には中国に売却した無人攻撃機の改造をめぐり米国から非難された。中国の新型戦闘機はイスラエルの戦闘機が基盤とされ、早期警戒管制機のレーダー技術も同国製と酷似しているといわれる。軍事技術の対中供与には米国が神経をとがらせている。

 中国側のもう一つの狙いは国連安保理常任理事国として中東和平への貢献を国際社会にアピールすることにある。和平への仲介役を演ずることで「外交大国」に向け存在感を示そうとの構えだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070109-00000006-san-int

<イスラエル首相>北京で温家宝首相と会談
1月10日19時39分配信 毎日新聞
 中国公式訪問中のイスラエルのオルメルト首相は10日、北京で温家宝首相と会談した。オルメルト首相は核開発を進めるイランに対して中国が圧力を強めるよう要請したとみられる。温首相は平和的な手段での問題解決を主張した模様だ。イスラエル首相の中国訪問は98年以来。オルメルト氏の訪中は昨年の首相就任後初めて。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070110-00000098-mai-int

中国、中東和平に意欲示す イスラエル首相と会談
1月12日8時0分配信 産経新聞
 中国の胡錦濤国家主席は11日、同国を公式訪問中のイスラエルのオルメルト首相と会談。胡主席は、中東和平問題について、「公正な解決のため継続して建設的な役割を果たしたい」と述べた。

 国営新華社通信などによると、オルメルト首相は、中東問題における中国の「公正な立場」を評価した。両国は、経済、貿易分野での拡大でも一致した。(北京、野口東秀)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070112-00000010-san-int

イスラエル外相、イランと北朝鮮の連携に懸念示す
1月17日9時16分配信 YONHAP NEWS
外相会談前に握手を交わす宋旻淳長官(右)とリブニ外相=16日、ソウル(聯合)
【ソウル16日聯合】イスラエル副首相を兼任するリブニ外相は16日、「イスラエルは、大量破壊兵器(WMD)を中心にイランと北朝鮮が連携することを懸念している」と述べた。

訪韓中のリブニ外相はソウル市内のホテルで記者会見を開き、北朝鮮の核問題について、国連安全保障理事会決議1718を支持する考えを明らかにした。イランの場合はWMDと急進的な理念が結びつき、イスラエルだけでなく地域全体を脅かしているとし、これに対する国際社会の共助が不十分とわかった時にはさらに強力な制裁が必要だと主張した。

 これに先立ち、外交通商部の宋旻淳(ソン・ミンスン)長官はリブニ外相との会談で、両国の協力強化策について話し合った。外交通商部によると、両外相は経済・通商関連の協力強化策と国際機関での協力方法、2012年国際博覧会の麗水招致問題、観光交流の促進、在外国民の安全措置強化策、地域情勢などについて意見交換した。先端分野での協力強化については、韓国・イスラエル経済共同委員会や科学技術共同委員会の開催問題をテーマに意見を交わした。

 外交通商部は、「両国はイスラエルとパレスチナ問題、イラク情勢などについて協議し、中東地域の平和と安定に向け、関係国をはじめとする国際社会の支援や関心が重要であることを改めて確認した」と説明した。

 イスラエル外相の訪韓は1962年の韓国・イスラエル国交正常化以来初めてとなる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070117-00000001-yonh-kr

<麻生外相>イスラエル外相と戦略対話
1月17日21時21分配信 毎日新聞
 麻生太郎外相は17日、外務省飯倉公館でイスラエルのリブニ外相と会談し、中東地域の情勢を多角的に協議する次官級戦略対話を設置する覚書に署名した。年内に日本で開催する見通しという。会談では、小泉純一郎前首相が提唱した中東和平支援策「平和と繁栄の回廊」構想を推進することで合意した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070117-00000148-mai-pol

<イスラエル首相>今春にも訪日実現へ 安倍首相が招請
1月18日12時47分配信 毎日新聞
 安倍晋三首相は18日午前、イスラエルのリブニ外相と首相官邸で会談し、オルメルト首相の早期訪日を招請。リブニ外相は、中東情勢次第で今春にも訪日を実現させたい意向を明らかにした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070118-00000052-mai-pol

拉致問題解決への協力表明=安倍首相にイスラエル外相
1月18日15時1分配信 時事通信
 安倍晋三首相は18日午前、首相官邸でイスラエルのリブニ外相と約30分間会談した。首相は北朝鮮による拉致問題に関し、日本の立場への理解と協力を求めた。これに対し、リブニ外相は「イスラエルも(パレスチナのイスラム原理主義組織)ハマスなどに兵士を拉致されており、日本国民の気持ちは十分理解できる。協力したい」と応じた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070118-00000101-jij-pol

<イスラエル外相>中東の対立軸は「穏健派対過激派」に変化
1月18日19時35分配信 毎日新聞
 来日中のリブニ・イスラエル外相は18日、東京都内の外国人特派員協会で講演し、中東の対立軸がかつての「ユダヤ対アラブ」から「穏健派対過激派」に変化したとの見方を示し、穏健派アラブ諸国との連携を視野に入れていることを明らかにした。イランの核開発などを懸念する親米アラブ諸国に共闘のシグナルを送った形だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070118-00000107-mai-int

*こうして見ると、日本の間とも中東和平支援策「平和と繁栄の回廊」構想(以前に書いた通り、個人的には僕はこの構想には疑問を抱いているー注)についてや拉致問題への理解を示すという注目するべき話し合いがあったようなのだが、それ以上に注目されるのは中国との関係改善の動きではないだろうか?
中国には首相が訪問し、日本と韓国には外相が訪問したという扱いの違い(?)から見ても、とりわけ中国との関係改善をイスラエルが重視していることは明らかなのではないだろうか?
(まあ、日本はアメリカに追随するだけだから、黙っていてもイスラエル寄りだから特に外交努力をすることもないと思われている?のかもしれないけれども・・)
そして、以下の記事にもあるように中国側も方針転換をしようとしているようなのだ。

(ニュース)
中国がイラン・イスラエルの仲裁に 2007/01/25 janjan
【北京IPS=アントアネタ・ベツロヴァ、1月12日】
 先週英国の週刊紙『サンデータイムス』は、国連のイラン制裁が失敗に終わるなら、イスラエルはイランの核兵器獲得を阻止するため、戦術核兵器を使ってイランのウラン濃縮工場を攻撃する計画であることをイスラエルの軍事筋が明らかにした、と報じた。

 こうしたセンセーショナルな報道がある中、イランの核交渉責任者アリ・ラリジャニ氏とイスラエルのオルメルト首相を相次いで北京に迎えた中国は、中東紛争交渉者というこれまでにない役割をこの2週間果たした。

 ラリジャニ、オルメルト両氏ともに、訪中は成功と評価した。国連安保理常任理事国にイラン制裁の強化を働きかけることを目的に訪中したオルメルト首相は、「中国政府がイランの核武装を望まないとの考えを明らかにしていることは極めて重要」と、中国との会談を「予想以上」の成果と記者団に語った。

 イランのラリジャニ氏は北京滞在中、イランと中国の関係、とりわけ拡大しつつある商業関係は、たとえ中国政府がイランの核研究プログラム非難に米国をはじめとする安保理理事国と同調する決定を下してもその影響は受けないことを強調しようと努めた。

 中国はこれまで厳しい制裁には消極的であったが、先月安保理イラン制裁決議に賛成の票を投じた。イスラエルにとってこの中国の動向は、中国のイランとの経済関係を考えると驚きであったのかもしれない。イランからの石油輸入高は現在、中国の重油輸入の12%を占め、今後中国経済の成長に伴いさらに増大すると見込まれる。

 ラリジャニ氏滞在中、中国指導者は、国連制裁への賛成は不拡散保障措置に関する中国政府の懸念を反映したものであると伝えた。

 しかしイランに対し国連に対する抵抗をやめるよう警告した中国であるが、テヘランとのビジネスは変わらず続けることを明確にした。中国はイランと、160億ドル相当のイラン海洋ガス田開発の契約締結を進めている。

 こうした取引はイランの孤立化に向けた努力に反するものとの米国の非難に対し、中国外交部の劉建超報道官は、1月11日の定例記者会見で「この種の協力や関係は合法であると考える。通常の協力は妨害されるべきではない」と述べた。
イラン、イスラエルの指導者を迎えた中国政府の動きについて報告する。(原文へ)

翻訳/サマリー=坪沼悦子(Diplomatt)/IPS Japan浅霧勝浩
http://www.janjan.jp/world/0701/0701248735/1.php

*この記事にあるように、「中国はこれまで厳しい制裁には消極的であったが、先月安保理イラン制裁決議に賛成の票を投じた」のは、中国がイスラエル寄りに方針転換しようとしていることのように思える。
今後の中東情勢を考える上でこの中国の方針転換がけっこう意味を持ってくるのかもしれない。

*(注)「平和と繁栄の回廊」構想については以下の記事を参照。
日本が中東和平で進める「ヨルダン渓谷開発構想」とは?
http://blue.ap.teacup.com/documentary/829.html

日本が進める「ヨルダン渓谷開発構想」を批判する
http://blue.ap.teacup.com/documentary/835.html

日本政府のヨルダン渓谷開発援助計画のナゾ
http://blue.ap.teacup.com/documentary/859.html
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