2007/12/19

『アイ・アム・レジェンド』  映画

ニューヨークにたったひとり、生き残った男・・今、この話をリメークするのは、意外と『三丁目の夕日』と同じような発想なのではないだろうか。つまり、『三丁目の夕日』は進んだCG技術を空想の宇宙空間を造型するということよりかつての東京の町並みを再現する・・ということに使ったほうが新味があるCGの使い方が出来るのではないか・・といった発想から生まれたものだと思うのだけれども、この『アイ・アム・レジェンド』も、ニューヨークの町並みをリアルに再現することにCGを用いたほうが、現在のCG技術がどれだけリアルなものになっているかを描き出せるし、まったくの空想世界をCGで描くよりもCG技術そのものをより伝えられるのではないか・・といった発想なのではないかと。
空想の世界は、もともと見たことがない(現実世界に存在しない)ものであるわけだから、CG技術がどれだけリアルだろうとそれがどれだけリアルで進んだものなのかは観客には分からないわけで(CG技術がすごいのか否かにかかわらず空想のイメージが独創的なものだったらすごいわけで、それはCG技術そのものを味わうということとは違う)、むしろ、現実に知っているものをCG技術で再現してみせたほうが、うわー、ここまでリアルに描けるようになったのか、CG技術ってすごいなぁ・・とCG技術そのものを観客が味わうことが出来るのではないかと思うのだ。
この『アイ・アム・レジェンド』はそういう発想で作られているものなので、だからSFものなのにもかかわらずディテールとして出てくるものもほとんど知っているものばかりなのではないだろうか。たとえば、見ているビデオが『シュレック』だったり、CDがボブ・マーリーだったり・・。SFものなのに知っているものばかりが出てきて、何だか、懐かしい気がしてきてしまうのだ。これも、『三丁目の夕日』に近いような雰囲気づくりを狙っているのではないかと思ったのだ。
この映画はそういう、今の進んだCG技術で何が表現できるのか?ということとの格闘がそのままストーリーになっているとも言えるわけで、その意味では興味深い作品だとは思った。
ただ一方で、SFものとしてはそれほどでもないというのか、たとえば今の時代には存在していないロボットが出てきてその造型を楽しむとか、そういうSF映画ならではの楽しみ方は出来ないし、ウイルスの話も驚くことではないわけだし。(もともと原作は1954年のものなんだからある程度、仕方がないんだけど。)
そういえば、評判が良い『ボーン・アルティメイタム』にしても、僕がちょっと物足りない気がしたのはそのへんで、これはアンドロイドものなんだけど、アンドロイドものとしての部分はほとんど深く描かれていなかった・・。はっきり言って、別に主人公がアンドロイドでなくても全然、構わないアクションものでしかない。もっとも『ボーン・アルティメイタム』は今の時代の映像編集のリズムでアクションものをいかにきちんと成立させればいいのか・・ということこそを追求している映画なのだろうし、別にアンドロイドものをやりたいわけではなくてアクションをどのように描くか?をやりたいのだろうから僕が言っていることはないものねだりの話でしかないんだろうけど、結局、今の映像技術でどのように映画をつくるか?という点では『ボーン・アルティメイタム』も『アイ・アム・レジェンド』も興味深い作品ではあるんだけど、SFものとしてはちょっと物足りないかなぁ・・というのがおおまかな個人的な感想だと言える。映画ファンとしては興味を感じるところもあるんだけどSFファンとしては物足りなかったかなみたいな・・。

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