2005/6/28

大連日本人学校の教材没収  ニュース

*また新たな日中の火種が出てきたようです。
しかし、西日本新聞の記事に

>文部科学省国際教育課は「副教材の使用の判断は日本人学校にあるが、(中国側が問題視している)中国と台湾の色分けは日本の教科書検定では通らない内容だ」

とありますが、日本で刊行されている世界地図は現在の日本政府の公式見解に基づくものなら中国と台湾が色分けしてある(別の国になっている)ということは基本的にはないはずなのですが。中国が問題にしている副読本がどういうものかは分かりませんが、これについては事実誤認の可能性があるかと思います。
「尖閣諸島を日本領に表記した地図」ということの方を問題にしているのなら話は別ですが。

上のように書きましたが、日本側が抗議しないと言っているところを見ると、実際にそういう地図のものがあったのでしょうか? これは日本で文部省の検定を通った地理の教科書ではなく、検定を通っていないものを副読本として使おうとしたものなのでしょうか?

この件について他のブログを見たら中国の対応に怒っているものをいくつか、目にしましたが、僕個人は上に書いた通り、中国政府の対応をどう思うかという以前に、事実関係として「どういうこと?」と疑問に思ってしまいました。
もし、大連の日本人学校で中国と台湾ははっきりと別の国家であると教えているということなら(日本政府もそうした見解はしていないはずなのですが)、中国側が問題視することは分からないことではないように思います。
しかし、たとえば中国と台湾が事実上、別の歴史をもつことを説明していて、その説明の箇所で「中国と台湾を色分けしている」というようなことなら、それは単に歴史的な経緯を詳しく説明するものであり、台湾を別国家として認めていることを教えているというのとは話が違います。
もしそうした記述に対して中国側が

>台湾を独立した存在に扱っており「一つの中国」の原則に反すると主張

しているのなら、それは事実誤認ではないでしょうか?
そこらへんの事実関係がまず分からないことには、中国の対応について僕には判断しようがありません。


(ニュース)
●中国・大連 日本人学校の教材没収 「台湾」「尖閣」記述を問題視
 【北京=伊藤正】中国大連市の大連日本人学校(那花国男校長、生徒数=小中学合わせ百五十九人)で、日本から取り寄せた社会科などの副教材十種百二十八点が、内容に問題があるとして大連税関に差し押さえられたことが二十七日分かった。学校側は一部没収や罰金の処分を受け入れ決着したが、税関側は尖閣諸島を日本領に表記した地図など、主権にかかわる部分も問題にしており、教科書にも検閲が及ばないか、関係者は神経をとがらせている。
 関係者の話を総合すると、大連日本人学校は四月の新学期前に副教材を発注、そのうち小学用「社会」や中学用「歴史」「地理」「公民」など八種類の問題集や資料集などとCD二種類が六月になっても届かなかった。運輸業者が調べた結果、大連税関の検閲で、差し押さえられていたことが判明した。
 税関側は、教材中の地図が、中国と台湾を色分けしていることを、台湾を独立した存在に扱っており「一つの中国」の原則に反すると主張。さらに中国が自国領と主張している尖閣諸島を日本領にしていることや、「台湾政府」としている記述などを問題視、「国内法違反」として没収する方針を示した。
 学校側は、教材が教育に不可欠であることを訴え、返却を求めたが、税関側は「違法図書」との立場を変えず、当初は多額の罰金などを要求。結局、先週末までに、学校側が基本的に処分を受け入れ、妥結した。始末書の提出と罰金一千元(約一万三千円)に加え、尖閣諸島を日本領と表記した地図を含んだ教材など計十数点の没収という内容だ。
 中国には大連のほかに北京、上海など六都市に日本人学校があり、文部科学省外郭団体の海外子女教育振興財団が、教員派遣や教科書の手配をしているが、学校が自主選択する副教材とはいえ、検閲で違法とされたのは初めて。
 日本人学校は現地の法律順守を条件に設立が認められており、法的には中国の検閲を拒否できないと関係者はいう。
 今回の大連の事件に、中国の中央政府が関与しているか明らかではないが、今後、日本人学校で使用する教科書も、検閲で差し止められることもあり得るため、関係者は中国側の出方を注視している。
(産経新聞) - 6月28日2時35分更新

●日本人学校教材中国差し押さえ 政府が事実確認へ 町村外相「罰金根拠法分からぬ」
 中国大連市の日本人学校が日本から取り寄せた歴史などの副教材が同市の税関当局から差し押さえらえた問題で、細田博之官房長官は二十八日午前の記者会見で「実態がはっきりしない。どういう法令に基づいてどういう措置が取られたのかも分からない。対応を検討したい」と述べ、調査に乗り出す考えを示した。

 細田長官は差し押さえについて「(副教材の)中国と台湾を色分けした部分が問題となって通関できなかったようだ」と説明。「色分けした点が法令に抵触するのかどうか確認していかなければならない」と述べた。日本人学校の対応については「少額の罰金を税関当局に支払うことにし、中国当局と争う考えはないと聞いている」と語った。

 町村信孝外相も同日の会見で「罰金を払う以上、根拠となる法律があるのだろうが、よく分かっていない」と事実を確認する意向を示した。

 また、文部科学省国際教育課は「副教材の使用の判断は日本人学校にあるが、(中国側が問題視している)中国と台湾の色分けは日本の教科書検定では通らない内容だ」との見解を示す一方で「没収され罰金を科せられたというのは前例がない。外務省などを通じ日本人学校や大連市側に説明を求め、(問題の今後の推移を)注視していく」としている。
(西日本新聞) - 6月28日14時33分更新

●副教材差し押さえ:
根拠法令明らかに 細田官房長官

 中国遼寧省大連市の大連日本人学校(那花國男校長)が日本から取り寄せた副教材128冊を大連税関に差し押さえられた問題について、細田博之官房長官は28日、大連市当局に根拠法令などを問い合わせた回答内容を明らかにした。
 根拠法となったのは「国の安全、社会公共利益または公共道徳」を害する輸出入の制限を定めた対外貿易法第16条で、中国と台湾が別の色で塗り分けられている点が問題視された。禁止対象品を輸出入した場合の罰則を定めた税関行政処罰実施条例第13条に基づき1000元(1万3000円)の罰金が科され、没収扱いとなった15冊が日本に返送されることになった。
毎日新聞 2005年6月28日 18時43分


●大連日本人学校のHPに以下のような記述がありました。
http://www.japanda.org/

>「大連生活」
4 家庭での教材

 (1)書籍
 日本の本については、ほとんど手に入れることはできません。家庭学習用の教材やお子さんの本などについては、帰国した際に購入したり、実家などから送ってもらう、あるいは専門業者を利用する方法が一般的です。雑誌や小説などを読むのも気分転換になります。文庫や新書、趣味の本などを多めに持ってこられることをお勧めします。こちらに来てからも、OCSに頼んで輸送してもらうことができますが、料金の方は1年分前払いです。


●政府、当面抗議しない方針 日本人学校の教材差し押さえ

 中国大連市の日本人学校が日本から取り寄せた副教材が大連市の税関当局に差し押さえられた問題で、外務省幹部は28日、記者団に「台湾について色分けしてあることが問題ということだ。日本も『一つの中国』を尊重する立場だから、それはそうだろうと(理解できる)」と述べ、当面、中国側に抗議しない方針を示唆した。

 細田博之官房長官も同日午前の記者会見で「中国と台湾を色分けした部分が問題となったようだ」と指摘。「まだ政府として事実関係をよく確認していないので、対応なども今後検討したい。日本人学校としては中国当局と争う考えはないと聞いている」と述べた。(共同)
(06/28 13:18)

●台湾色分けは「条例違反」 差し押さえで中国
 【北京28日共同】中国外務省の劉建超副報道局長は28日の定例会見で、大連市の税関当局が日本人学校の副教材を差し押さえたことについて、教材の地図の中で中国大陸と台湾の色が違っていたことが中国の「出版管理条例」などに違反すると指摘し、差し押さえは適切だったとの見解を表明した。
 副報道局長は「『一つの中国』(の原則)は中国の主権と人民の感情にかかわる重大な原則問題だ」と述べ、税関の措置は「完全に法律に基づいている」と強調。今後も、台湾問題で日本を含めた外国人学校の教科書や教材に中国の主張と反する部分があれば、差し押さえなどの措置を辞さない姿勢を明確にした。(南日本新聞)
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2005/6/28

天皇、皇后両陛下、サイパンへ  ニュース

*天皇、皇后両陛下がサイパン島へ。
それにしても「バンザイクリフ」なるところが名所になっているのは驚きますが、日本人観光客めあてのものでしょう。
戦前、戦中は多くの日本人(特に沖縄の人が多い)が移民し、砂糖きび栽培と製糖業が盛んだったようですが、戦後は製糖業は途絶えてしまったようです。
今のサイパンはなんといっても観光業が大きな産業で、特に日本人観光には力を入れているようです。
サイパンの人達が戦前、戦中の日本人の人達に対してわりと好意的なようであるのは、沖縄の人達が多かったことも多少は関連あるのでしょうか?(南国の人達同士で通じるものがあったのかもしれません。)
ところで、バンザイクリフで身投げした人達は靖国神社に祀られていないのでしょうか? もしそうなら、祀ってあげたらどうでしょうか?

(ニュース)
●両陛下、サイパンへ出発=「多くの犠牲、心して」−戦後60年、慰霊の旅
 天皇、皇后両陛下は27日昼、東京・羽田空港発の政府専用機で、戦没者慰霊のため北マリアナ諸島のサイパン島(米自治領)へ出発された。多くの日本兵や民間人が身を投じた「バンザイクリフ」や慰霊碑を訪れ、犠牲者を追悼、平和を祈念する。28日夜に帰国する。
 天皇陛下は出発に当たり空港でお言葉を述べ、「61年前の今日も、島では壮絶な戦いが続けられていました」と、現地の人々らを含む多大な犠牲に言及した。
 その上で「海外の地において、改めて、先の大戦によって命を失ったすべての人々を追悼し、遺族の歩んできた苦難の道をしのび、世界の平和を祈りたいと思います」とし、「私ども皆が、今日の我が国が、多くの人々の犠牲の上に築かれていることを、これからも常に心して歩んでいきたいものと思います」との気持ちを示した。 
(時事通信) - 6月27日14時0分更新

●サイパンで両陛下が戦没者慰霊、おきなわ・韓国の塔も
 【サイパン=井上茂男】米自治領・北マリアナ諸島のサイパン島を訪れている天皇、皇后両陛下は28日午前(日本時間同)、同島北部の「中部太平洋戦没者の碑」や、日本人の多くが身を投げた断崖(だんがい)などを回り、太平洋戦争の戦没者を慰霊された。

 また、途中、旧琉球政府が建てた「おきなわの塔」や、韓国人らを慰霊する「韓国平和記念塔」の前で拝礼された。この2か所での拝礼は、政府が事前に発表した訪問日程には入っていなかった。

 おきなわの塔と韓国平和記念塔での拝礼について、宮内庁は「天皇陛下の強いお気持ちで実現した」と説明。予定を発表しなかった理由に関しては、「発表すると状況が複雑になる(可能性があった)」などとしている。

 両陛下はまず、日本政府が1974年3月に建立した「中部太平洋戦没者の碑」に供花。続いて多くの日本人が米軍への投降を拒んで身を投げたマッピ山(標高250メートル)の断崖「スーサイドクリフ」と、同島北端の岬にある断崖「バンザイクリフ」を訪ね、深々と拝礼して戦没者への追悼の気持ちを示された。

 サイパン戦は、44年6月15日に米軍が上陸して日本軍が7月7日に最後の突撃をするまで続いたため、ちょうど今は、遺族が供養のために次々と現地を訪れる「慰霊の季節」。

 両陛下の慰霊については、遺族から同行したいとの希望が事前にあり、日本遺族会4人、マリアナ戦友会2人、沖縄県出身者で作る南洋群島帰還者会3人など10人の同行が認められた。

 おきなわの塔と韓国平和記念塔は、バンザイクリフから宿泊先のホテルに戻る途中にあり、両陛下は車を下りて拝礼し、黙とうをささげられた。

 両陛下はこの後、休憩をはさんで米軍上陸50周年を記念して作られた「アメリカ慰霊公園」を訪問、戦争に巻き込まれ犠牲になったチャモロ人など現地人900人を慰霊する「マリアナ記念碑」、サイパン島とテニアン島で戦死した米兵約5000人を追悼する「第2次世界大戦慰霊碑」に花輪を供えられる。

 中部太平洋戦没者の碑での慰霊に先立ち、両陛下はこの日早朝、日本軍が最後の突撃を行った浜辺に出向き、61年前の戦闘で亡くなった人たちをしのばれた。
(読売新聞) - 6月28日11時58分更新

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2005/6/28

イタリアの法廷で元ナチス親衛隊10人に終身刑  ニュース

*この件については知識がないため、下記の報道以上にほとんど何も知らないのだけど、興味をひくのはドイツとイタリアは戦争の同盟国だったことだ。その間に起こった虐殺事件についてどのような裁判を行えるのか?という点で興味深い報道に思える。

(ニュース)
●親衛隊の住民560人殺害、元兵士10人に終身刑判決
2005年 6月23日 (木) 10:59 読売新聞
【ローマ=藤原善晴】第2次大戦中の1944年8月、ドイツのナチス親衛隊がイタリア中部の村の住民約560人を殺害した事件で、同国北西部のラスペツィア軍事裁判所は22日、虐殺罪に問われていた被告の元兵士10人に対し、求刑通り終身刑を言い渡した。

 判決は、検察側の「計画的な無差別殺りく」との主張を支持した。被告は全員欠席したが、弁護団の1人は、「被告らは、対独抵抗運動参加者の捜索作戦だと思っていた」と述べ、控訴する意向を表明した。

 被告らは全員80歳以上で、今後、実刑が確定した場合でも、ドイツからイタリアに身柄が移送されて服役する可能性は薄い。事件の生存者、エニオ・マンチーニさん(68)は、「判決で事件の真実が明かされたことが重要」と言う。

 今回の裁判は、94年、ローマの軍事検察局で半世紀ぶりに発見された、終戦直後の大量の捜査書類によって可能となった。書類にはイタリア各地でのナチス・ドイツによる住民虐殺の目撃証言や容疑者リストが含まれており、今回の有罪判決で、真相解明の動きが広がりそうだ。

 7月上旬には、別の裁判所で2つの虐殺事件の予備審理が予定されている。


●元ナチス親衛隊10人に終身刑、イタリア住民虐殺で
[ラスペチア(イタリア) 22日 ロイター] 
イタリアのラスペチア軍事法廷は22日、第2次大戦中、トスカーナ州の村で住民560人がナチス親衛隊のドイツ兵に虐殺された事件で、関与の罪に問われていた10人に終身刑を言い渡した。

 ただ、10人はいずれも80歳代になっており、イタリアで服役するのは困難で、ドイツが10人の身柄をイタリアに引き渡す公算も小さいことから、この判決は象徴的なところが大きいとされている。

 10人は全員出廷しなかったが、傍聴していた生存者や遺族は、判決が読み上げられると喝采し、多くは涙を流して抱き合った。

 この事件は、1944年8月12日未明に、ナチス親衛隊がトスカーナ州サンターナ・ディ・スタゼマ村の民家を包囲し、住民を通りに連行して射殺したもの。犠牲者の大半が女性と子供で、そのなかには生後20日の乳児もいたという。

 この虐殺は、第2次大戦中にイタリアで行われたナチスドイツの虐殺としては最悪の事件。


●伊、61年前の村民虐殺で元ナチス親衛隊10人に終身刑【日経】

長年ローマで埋もれていた関連書類が発見されて実行犯が判明したため、トスカーナ州など5団体が訴えを起こし、昨年4月に裁判が始まった。

判決によると、被告らは同州サンターナ・ディ・スタゼマ村で、農民などで組織された非正規軍であるパルチザンの隠れ家を教えるよう教会の司祭に要求。司祭が「パルチザンはいない」と答えると、村民のほぼ全員、560人を射殺しガソリンをかけて燃やした。10歳以下の子ども72人が含まれ、腹を割かれた妊婦もいたという。


●朝日新聞より 【ローマ=郷富佐子】 

ANSA通信などによると、被告10人のほとんどがドイツに住んでいるという。裁判は被告人不在のまま行われた。独政府は独自に事件についての調査を進めており、ドイツから身柄が引き渡されて服役する可能性はないと。それでも、検察側の求刑通りの終身刑判決が言い渡された瞬間、数少ない生存者や被害者の遺族らは「正義が勝った」と拍手し、泣いて抱きあった。

検察側は「計画的かつ組織的な行為だった」と主張。被告側の弁護士らは「パルチザン捜索作戦に参加中で、絶対服従を義務づけられ、命令に反すれば殺されると脅されていた」などと訴えていた。一部の被告側弁護士は判決後、後日開示される判決理由次第で控訴する可能性を示唆した。

同事件は戦後、米軍が戦争犯罪として調査したが結論が出ないままになっていた。50年後の94年、別件を操作中の検察官が目撃証言などの記録が詰まった保管棚を発見。さらに10年後の昨年4月から生存する10人に対する裁判が始まった。

昨年8月には、シリー独内相が60周年記念式典に出席。「44年8月12日は我が国にとって恥ずべき日だ」と話した。


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2005/6/27

民主党と共産党  時事問題

ところで、民主党の岡田党首が拉致被害者家族会、救う会、支援者たちの座り込みに激励に駆けつけていたようだけれども、岡田氏は北朝鮮に経済制裁をすることに賛成なのだろうか? 激励したということは当然、賛同されているのかと思うが、しかし、ならばなぜ民主党が党を挙げてそのように主張してもっと精力的に北朝鮮に経済制裁を行う運動に取り組まないのか? 岡田氏は個人的には賛成なんだけど、党内にはいろいろな意見があるので党として統一した運動としてはそうしたことを掲げて運動をしないということなのだろうか? しかし、そうすると民主党という政党はそもそも何を目的(目標)にして集まっている人達なのだろうかという疑問が湧いてくる。
共産党のように、北朝鮮問題で異論をもつ萩原遼氏を除籍にするといった、少しでも組織の方針に異論をもつ人間は排するというのも行き過ぎている気がするけれども、民主党のように、いろいろなバラバラの考えの人達が集まっている組織というのも一体、何を目標にして集まっている組織なのかが傍目から見て分かりにくいように思う。
つまり、組織論的に言うと、組織の基本方針に少しでも外れて異論をもつ人間は排するということだと、組織の方針が間違った方向に行ってしまった場合に組織内で議論がされず、軌道修正することが出来なくなってしまう。いったん決めた方向に頑なに進むことに陥りやすい。
すべての異論のある人は組織から排するというのはそういう点で危険性があると思うのだけど、かといって、それは基本的には自分たちの組織はこうしたことを統一した目標に掲げていると表明した上で、それに対する組織内の少数派の異論者も残し、方針に対して批判や議論の余地も残しておくということである。
これが、ひとりひとりが言っていることがバラバラで、その組織の統一した方針自体がどういうことなのかがよく分からないということでは、そもそも何のための組織なのかが分からなくなってしまう。ただの何らかの親睦団体ならいろいろな考えの人が集まっているのでもいいけれども、政治結社であり、つまりは何らかの統一した政治的目標があって集まっている組織なのではないのだろうか?
共産党の場合は、とにかく日朝国交正常化を進めることを支持しているのだなと方針が明快でその意味では(その共産党の方針に賛成か反対かはともかく)傍目から見て分かりやすいが、民主党が北朝鮮外交にどのような方針なのかは分かりにくい。

(まあ、考えてみれば僕もいろいろと傍目から見て分かりにくいことを言っているほうかと思うのであまり人のことを言っていることが分かりにくいと言える立場でもないのかもしれないけど、だから僕の場合はあまり組織に属してどうこうみたいなことは不得手なので、勝手にいろいろ思うことを個人的に言ったりするという立場をとっているわけではあるのだけれども。)
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2005/6/26

「ゆきゆきて、神軍」の奥崎謙三氏、亡くなる  映画

奥崎謙三氏が亡くなられました。お悔やみ申し上げます。

(ニュース)
訃報:
奥崎謙三さん85歳=「ゆきゆきて、神軍」に出演

 ニューギニア戦線で生き残った元日本兵が上官らの戦争責任を追及したドキュメンタリー映画「ゆきゆきて、神軍」(87年、原一男監督)で知られる奥崎謙三(おくざき・けんぞう)さん(85)=神戸市兵庫区=が16日、神戸市内の病院で亡くなっていたことが25日、わかった。死因は多臓器不全。
 奥崎さんは兵庫県出身。第二次世界大戦中、陸軍の上等兵としてニューギニアに従軍し、戦後は神戸市内で自動車部品販売店を経営。69年1月、皇居一般参賀中、昭和天皇に向かってパチンコ玉を発射し逮捕された。この事件について書いた「ヤマザキ、天皇を撃て!」などの著作もある。映画「ゆきゆきて、神軍」の中では、元上官を訪ね責任を追及、この元上官に暴行を加えるなど過激な行動が収められている。
 衆院選に立候補中の83年、上官だった元中隊長宅を訪問し、居合わせた長男に拳銃を発砲。兵庫県警に殺人未遂容疑で逮捕され懲役12年の判決を受けた。
 出所後は1人暮らしで、近年は病気がちだったという。昨年8月に自宅で倒れているところを発見され、入院生活を送っていた。死ぬ直前まで院内で「バカ野郎」と叫んでいたという。
毎日新聞 2005年6月26日 3時00分


まあ、僕もやっぱり奥崎氏というと映画『ゆきゆきて、神軍』のイメージが強いのですが(というか、実際にはお会いしたこともないですし)、この映画の奥崎氏のイメージ自体がつくられたものだということも考えられるため、その人物像の実像は分かりません。
上の毎日新聞の訃報記事にしても、たとえば

>死ぬ直前まで院内で「バカ野郎」と叫んでいたという。

なんて最後の一文は、奥崎氏のキャラクターらしいという気もするんですが、でも病院内で「バカ野郎」と叫んでいたというのは一体、何に対して叫んでいたというのだろうか。病院で誰かと喧嘩でもしたんですか? どうも、毎日新聞が何を取材してこうした一文を書いたのかがよく分からない曖昧な書き方で、こういう一文で終わるところ自体に、つくられたイメージ性というものをふと感じてしまったりするのですが。
訃報記事にあれこれ言うのは失礼なことかもしれませんが。
なお、下記の『映画生活』の『ゆきゆきて、神軍』のアキラさんの評の中で、この映画の奥崎氏のイメージがつくられたものであることが指摘されています。 

映画生活『ゆきゆきて、神軍』
http://www.eigaseikatu.com/title/3030/

ちなみに、上のリンク先の「人間ドキュメンタリーの衝撃  2002/10/31 >> KKK」の文章を書いたKKKは僕です。このKKKとkusukusuは同一人物です。
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2005/6/25

座り込みに参加  

拉致被害者家族会・救う会、支援者の座り込みに1時間半ほど、参加。
整然と行われていて、特に混乱はないようでした。
一方、マスコミの姿は思ったほどでなくチラホラという感じ。(初日の昨日はもっとマスコミが大勢だったのかもしれません。)もうひとつ、マスコミの扱いが小さいようなのが気になります。
(追記・上の書き込みはあくまで限られた時間、個人としてうろちょろして見聞した範囲の印象ですので、全体像を把握した正確なものではないかもしれないことはお断りしておきます。)
明日も座り込みが行われる予定です。

明日の座り込み
6/26(日) 13:00〜17:00  
        18:00〜19:00 集会(星陵会館)
場所:首相官邸近く(議員会館前歩道)
   地下鉄国会議事堂駅・永田町駅すぐ

なんだか、あまりに素っ気無いので、もう少し、書き加えます。
僕が参加したのは3時半頃から終了の5時頃までですが、座り込みの列の端の方に座ってぼっーとしてただけで、4時からいろいろな方の演説が始まったのですが、遠くて断片的にしか話が聞き取れなかったし、あまりレポートすることはありません。(全然、レポートになってないなあ。)
それでも、救う会の方々が配慮してくれていて、行列の端まで回ってひとりひとりにガム(家族会の差し入れのガムだそうです)を配って歩いて頂いたり、5時になる前に行列の端まで回って「5時になって終わりましたら中央からご家族が挨拶していきますので」と伝えてすぐ帰らないように説明して頂いたりして、ただぼーと座っているだけのこっちのほうがなんだか、恐縮してしまうのでした。
(もちろん最後に挨拶して頂いたご家族の方々に対しては「恐縮」以上のものを感じてしまったことは言うまでもありません。)

つたないレポートですみません。
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2005/6/25

イラン大統領にアフマディネジャド氏  イスラエルとパレスチナ、中東

イランで保守派(というか、イスラム革命回帰派)の大統領が政権につきました。

(ニュース)
イラン大統領にアフマディネジャド氏が当選
 【テヘラン=岡本道郎】24日行われたイラン大統領選挙決選投票は25日朝(日本時間午前)までの開票の結果、保守強硬派のアフマディネジャド・テヘラン市長(48)が得票率約62%を獲得、穏健派のラフサンジャニ最高評議会議長(70)を破り当選を決めた。

 革命理念への回帰を訴えたアフマディネジャド氏の地滑り的な大勝で、1997年以来、ハタミ大統領の下で進められてきた改革路線は終焉、ラフサンジャニ師に改革継続を託そうとした改革派は致命的な敗北を喫した。核開発問題や対米関係などイラン外交政策がより強硬となることも予想され、イランは重大な転機を迎えた。

 アフマディネジャド氏の勝利により、最高指導者ハメネイ師を頂点とする保守派は、大統領職を奪還し、国会、司法府と合わせて三権を独占する。革命イランで、イスラム法学者ではない世俗の政治家が大統領に選ばれたのは、81年のラジャイ氏以来。

 アフマディネジャド氏は8月に就任する。

 AP通信が内務省発表として報じたところによると、開票率54%の段階で、アフマディネジャド候補が得票率61・8%、ラフサンジャニ候補が35・7%を獲得。投票率は約49%で、第一回投票の63%を下回った。

 アフマディネジャド氏は当初注目を集めなかったが、貧富の差解消など社会的不公正の是正を訴えたのが奏功。質素、清廉イメージも浸透し、低所得者層を中心に広範な支持を集めた。これに対し、ラフサンジャニ候補は、大統領2期(89―97年)を務めた経験と実績を前面に出し、改革路線の継続を訴えたが、過去の政治家というイメージを払拭できず、惨敗した。

 改革派諸政党・組織、知識人らは、アフマディネジャド氏の当選を衝撃を持って受け止めており、イラン社会で再び保革の対立が先鋭化する可能性も指摘されている。最高指導者ハメネイ師は24日深夜の投票終了後、両候補の陣営に対し、街頭での祝勝行動を慎むよう呼びかける異例の声明を出した。
(読売新聞) - 6月25日12時23分更新


ずいぶん、大差がつきましたね。
下記の記事のように、一度の投票で決まらず、決戦投票したものですが。

(ニュース)
<イラン大統領選>24日に史上初の決選投票へ
 イランの護憲評議会は18日、大統領選の決選投票を24日に行うと明らかにした。17日の第1回投票で候補者7人のいずれも当選の条件となる投票総数の過半数に達しないことが確定したためで、イラン大統領選史上、初めての決選投票となる。決選には上位2候補が臨む。
(毎日新聞) - 6月18日21時35分更新


やはりイスラム社会の人達は必ずしも西欧のように自由な社会になる方向をみんながみんな、望んでいるわけではないということでしょうか。我々のように自由な社会で生きている人間は自由な社会が一番、いいものと当然のように思っていますが、熱心なイスラム教徒の人はそもそもそういう風に思わないわけです。アメリカのように民主化された社会になることには反対の人は根強くいるわけで、決戦投票に持ち込んだ時点で保守派(というか、イスラム革命回帰派)の票が集中するのでこのような結果になったのでしょうか。
でも、このように選挙で政権が交代すること自体は、民主主義が機能している結果ではありますが。
パレスチナもそうなんだけど、民主化された選挙をするとハマスが勝つならば、それは民主主義の選挙制度の結果のものですから、認めるしかありません。

それと、ラフサンジャニは昔の大統領ですので、今さら、あの人がまた大統領になるのはどうなのだろうかという意識が働いたのかもしれませんね。たとえば日本で中曽根とか橋本とかがまた総理大臣になろうとしたならば、今さら、またあの人がやるのはどうかと思う人が多いのではないでしょうか。穏健派はアフマディネジャドのように若い候補で決選投票に持ち込めなかった点が敗因かもしれません。


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2005/6/24

萩原遼氏除籍、共産党の見解  ニュース

*萩原遼氏の除籍についての共産党自らの見解が「赤旗」に出ました。
共産党は以前に兵本達吉氏も除名にしましたが、兵本達吉氏については共産党自身は公安警察に就職あっせんを依頼したことが党を除名された理由で拉致問題が除名理由ではないと表明していたはずです。(それが本当かどうかは知りませんが、とにかく共産党自身はそのように表明していました。)
それに対して、今回の萩原遼氏は北朝鮮に関することが除籍理由であることを赤旗でもはっきり認めているようですね。


(2005年6月23日(木)「しんぶん赤旗」より)
萩原遼氏を除籍
 日本共産党中央委員会の規律委員会は、十七日、萩原遼氏(元赤旗平壌特派員)の除籍を決定しました。

 萩原氏は、一九八九年に赤旗編集局を退職した後も元赤旗平壌特派員の肩書を使い、党外の出版物で、党を批判したり、北朝鮮問題で党とは異なる見解を公表してきました。

 そのつど、日本共産党規約に照らし、党員の行動として誤りであることを指摘し、長時間の議論を経て、萩原氏も、「二度とやらない」と表明していました。

 ところが、二〇〇二年九月に日朝平壌宣言が発表されると、萩原氏は、元「赤旗」平壌特派員の肩書で次々とマスコミに登場。日本共産党が、北東アジアの安定と平和を確立する立場から、核問題や拉致事件など、日朝問題の解決の目標と方向を示したものとして平壌宣言を評価したのにたいし、萩原氏は、「一部の政党」と名指しは避けつつも、「身代金交渉に応じる卑屈な論」だと批判しました。

 これにたいして、党は、今後同様なことをおこせば「党員の資格」が問われることをきびしく指摘し、萩原氏の態度を見守ってきました。

 しかし、萩原氏は、その後も、自著で、小泉首相の「日朝正常化交渉」発言を非難しつつ、「それに追随する一部野党の見苦しい醜態」などと書いています(『金正日 隠された戦争』)。これは、日本共産党を指しての批判であることは明らかです。党規約を守る立場を放棄する態度です。 さらに、五月二十四日の朝鮮総連結成五十周年記念レセプションの際、会場の近くで、「そこに駆けつける政治家は恥を知れ」と訴えたことが報道されています(「産経」五月二十五日付)。

 このレセプションには、日本共産党から不破議長が出席。北朝鮮側の問題点について率直に指摘しつつ、今日の日朝関係を打開するために、次のような六項目の提言を行っています

 (1)日朝平壌宣言を堅持し、その生きた力を発揮させる(2)拉致問題――国際的な犯罪を認めた最初の決断は、ひきつづく諸問題に誠実に対応してこそ、日朝の友好と信頼の道につながる(3)拉致協議前進のカギは「特殊機関」問題の解決にある(4)交渉打ち切りや「力の政策」など、平壌宣言にそむく態度をいましめあう(5)「非核化」の六カ国合意こそ安全保障の最善の道(6)私たちは、現状の打開に力をつくす用意がある。

 萩原氏は、党からの注意をまったく無視し、党規約に反する行動を続けました。このような事実を慎重に審議した結果、党員としての資格を自ら喪失したものと判断し、規律委員会は、党規約第十一条にもとづき、十七日、萩原氏と協議を行い、除籍を通告しました。

 党規約第十一条は、「党員の資格を明白に失った党員、あるいはいちじるしく反社会的な行為によって、党への信頼をそこなった党員は、慎重に調査、審査のうえ、除籍することができる。除籍にあたっては、本人と協議する」と定めています。
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2005/6/22

男のセックスって  

仕事で調べものをしていたら、次のような言葉にぶち当り、思わず考えてしまう。

>ケース・ウエスタン・リザーブ大学(クリーブランド)のシェリル・キングスバーグ助教授の言葉
"人生における小さな皮肉のひとつは、女性はセックスをするために愛を語り合ってリラックスすることが必要なのに対して、男性は、セックスがストレス発散であるということだ"


そうなんだよなあ。
愛を語り合わなくてもセックスできちゃうのが男ってやつらしくて。全く、困ったことです。
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2005/6/22

共産党、萩原遼氏を除籍  ニュース

*共産党としても、萩原遼氏のような考えの人も党内にいるというほうが世間的にはいいように思うんだけど、そういう政治的なバランスをとった判断を出来ないところがある種、融通がきかないところなのか?

(ニュース)
共産党:
朝鮮総連批判の作家を除籍 「党の活動を攻撃」と萩原遼さん
 北朝鮮問題に対する活動や主張が党の見解と異なるなどとして、作家の萩原遼さん(68)が共産党を除籍されたことが分かった。通知文書は、不破哲三議長も出席していた先月の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)のパーティー会場付近で朝鮮総連批判のビラを配布したことなどから、「党の立場や活動を攻撃している」などと理由を説明している。
 萩原さんは1958年入党。69年に共産党機関紙「赤旗」の記者となり、72〜73年には平壌特派員を務めた。その後フリーとなり、特派員時代の経験などを元に帰還事業の悲劇を描いた「北朝鮮に消えた友と私の物語」で99年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。
 今月7日付の通知文書では、02年9月の日朝平壌宣言以降、萩原さんが元平壌特派員の肩書で「宣言を白紙に戻せ」などと主張している点を「元の肩書を使い、党とは異なる見解を発表することは党員の立場に反する」と指摘。さらに、先月24日の朝鮮総連結成50周年記念パーティーの会場近くで、萩原さんが自身の所属する脱北者支援NGO(非政府組織)メンバーらと、帰還事業の批判ビラを配布するなどした行為も「党員とは相いれない言動」とした。
 党の規約は「党員資格を明白に失った党員、著しく反社会的な行為で党への信頼を損なった党員は、慎重に調査、審査のうえ除籍することができる」と定めており、17日に党側との協議があり、正式に通告されたという。萩原さんは「党批判をしているのではない。今回の件は子供のけんかを親が買って出るようなもので、極めて不当な措置」と話している。
 共産党は、83年10月のミャンマー・ヤンゴンでの爆弾テロ事件(ラングーン事件)をきっかけに朝鮮労働党と断絶。朝鮮総連とも関係を絶った。しかし、00年に朝鮮総連とは関係を正常化している。
 ▽共産党広報部の話 個人の党籍や除籍などについては答えられない。
毎日新聞 2005年6月22日 15時00分
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2005/6/22

ひとりで空回り  

以前から一緒に映画を見に行こうと誘っている女性がいて、彼女は土日もバイトをしていてなかなか忙しい方のようで、何度か、調整しようとしたが時間の折り合いがつかずに映画を見に行くことは実現せずにいるのだけど、ついにはメールの返信も返って来ないからどうしたのかと思ってしまい、夜中にあれこれと考えてしまって・・
もしかしたら、以前に映画の誘いにOKしたのは、その場の勢いで深く考えずにOKしてしまった。でも後から僕と付き合うということをイメージして考えてみて、ちょっとどうなんだろうと気が変わった。でも、いったんOKしておいて断るのは相手を傷つけることになるし、迷っているとか・・
なんてことを考えていたら、もしかしたら忙しいというだけではなくて僕と映画を一緒に見に行くこと自体に問題を感じていらっしゃるのかなという気がしてきて、夜中にうじうじ悩んだりしてても仕方がないので、えいっとばかりに率直に彼女の気持ちを尋ねるメールを書いて送ってしまった。
そしたら、翌日、彼女から返信がきて、仕事が立てこんでいて忙しくてお返事するいとまもなかったのでごめんなさいとのこと。
なんだ、僕の考え過ぎだったのか?
暇になったらそちらから連絡くださいと返信しておいたけど、なんだか、ひとりで空回りしているみたいだなあ。
まあ、僕はいつもそんな感じではあるけれど。
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2005/6/22

『ソイナナ』『飲ミツヅケマス 勝ツマデハ』  映画

下北沢トリウッドで25日(土)、26日(日)に上映する『ソイナナ』と『飲ミツヅケマス 勝ツマデハ』にはすでに数々の賛辞が寄せられています。本当に面白そうな作品ですね。

『ソイ ナナ』
私がお勧めします!   映画監督 おもてとしひこ

何よりこの映画の素晴らしさは、並木俊彰が撮影しながら、編集しながら、そして何度も上映して観客の反応を見て再編集を繰り返しながら、その度ごとに「映画」を発見していることです。「映画」を発見することの「驚きと悦びと震え」がDVの画面と音とにそっくり記録されてしまっている。その素晴らしさ。観る者は現実では見たことがあるはずなのに、まるでタイ人の女の子を初めて映画の中で目撃したかのような錯覚に陥らされるのです。その「驚きと悦びと震え」を素直に画面と音から感じ得ないものは、この映画を観る資格はない、と敢えて断言します。本当に『ソイ ナナ』はすばらしい。あられもなく「素晴らしい」と言いたくなる衝動にかられるのです。脱力感あふれるオープニングから笑わされ、やがて情けないサラリーマン・並木が映画を撮り始める。街中でゲットした、いかにもその辺にいそうな日本人の女の子二人の顔。そのなんでもないそのへんにありそうな他愛ない会話。並木の独り言。タイの街。街の人々。ゴーゴーバーの女の子。
何もかも全て現実やテレビで見たことがあるものであるはずなのに、まるで初めて映画の中で目撃し、発見したかのような驚きと悦びをその画面と音から感じられるのです。タクシーの中でキャッキャッとはしゃぐゴーゴーバーから連れ出した二人のタイの女の子達のしゃべりや動きを観ているだけで、言い知れようのない幸福感が画面から溢れ出してくるのです。どうもこれはただ事ではない。私は正直、一映画作家のはしくれとして、嫉妬を感じ得ませんでした。こんな幸福感に溢れた画面を映画を自分は果たして今、撮りえるだろうか。かつてなら撮れたかもしれない。しかし、今の自分には到底、撮りえないその「幸福感」に私は本当に嫉妬してしまいました。ならば私もこの「幸福感」をもう一度、取り戻してみよう。そう私に決意させてくれ、私に大いに刺激を与えてくれた作品だったのです。並木俊彰監督の『ソイ ナナ』は。そして何より真の意味で「映画作家」になった、というより、単純に並木俊彰という新世紀にふさわしい「映画作家」の誕生を素直に喜びたいと本気で思う。ラストの線路を走る並木に私は心底、感動した。まだ世の中では全くの「知らざれる映画作家」である並木のデビュー作『ソイ ナナ』を見逃してはならない。見逃したら、少なくとも、あと数年後に必ず後悔することになるだろう。


『飲ミツヅケマス 勝ツマデハ』
私がお勧めします!  千葉善之 監督
キャメラを廻していたら偶然撮れてしまったというような場面が度々あって物凄く驚かされた。ドキュメンタリーでもフィクションでもないし、それこそその融合なんて代物でもない何か。しかも監督は自ら演じている。どういう頭で撮影しているのだろうか。おそらく並木俊彰は物語をうまく説明しようという気は一つもないし、そういう撮り方を端からしないのだろう。だから本作の主人公は誰と戦っているのか、どうして戦争をしているのかよく分からないし、観ている間ずっとそれを考え続けさせられることになる。それがスリリングで堪らない。全く特異な才能だと思う。


川野里美
なんじゃこりゃ!と思いつつそのプロというより素人に近い映像、ストーリー展開にだんだんと引き込まれ、最後にはおぉーっとこの胸に興奮が湧き上がる。監督自ら、出演しその独自の世界を創出していく。とはいえ劇映画というよりも殆どドキュメンタリーである・・・・・が、しかし出演している監督が真面目にある事件を追求するわけでもなく、社会的な問題を提示する訳でもなく、ただ酔っ払っているか、女といちゃついているしかないのである。そんな映画に感動してしまい、極めて原始的な荒野にわれわれ観客は放り出されるのである。日本映画史にも類を見ないこの監督の登場に敢えて今、スポットライトを当てて見たい。これが『ソイナナ』と『飲ミツヅケマス 勝ツマデハ』を観た私の感想である。

そして今回、新作『LONG TIME NO SEE』が出来たという。この作品において監督は出演をせずに、監督とカメラに専念したという。正直、前の作品ほど期待はしていなかったが・・・・・・・・・・またしても面白かったのである。ここで、『ソイナナ』と『飲ミツヅケマス 勝ツマデハ』が偶然の産物ではなかったことを私は確認した。  
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2005/6/22

『LONG TIME NO SEE』  映画

19日に下北沢のトリウッドで見た『 LONG TIME NO SEE 』(2005年/DV・カラー・52分)は実に刺激的なドキュメンタリー作品だった。たまにはこういう自主制作映画を見ないといけないなと思った。やっぱり刺激になる。
並木俊彰監督(撮影・編集も兼ねる)が石垣島のさとうきび畑のバイトで知り合った画家の石山泰作(28歳)が主人公。泰作が20年前に別れた父親を探す過程を追う。
なんといってもまず被写体がいいのだが、並木監督の話では他の自作よりも一般受けする題材になっているのではないかとのこと。
撮影がセンスある。最後の草っぱら(?)のシーンなど、決まる画を撮るね。
反面、音が聞きにくいところがあったのは残念。ある意味、自分自身を撮ったプライベートフィルムなら音が聞き取りにくくてもひとつの自己表現になることはあるのだけど、客観的な対象を撮るドキュメンタリーではやはりあまりいいことだとは言えない。
初めて並木監督の映画を見たのだが、他の並木監督の作品にも興味が沸いた。
他の並木監督の作品は、6/25(土)に『ソイナナ』、6/26(日)に『飲ミツヅケマス勝ツマデハ』を同じく下北沢トリウッドにて夜7時から上映するらしい。

「短編映画館トリウッド」
東京都世田谷区代沢5−32−5 シェルボ下北沢2F
京王線・小田急線 下北沢駅より徒歩10分

トリウッドHP
http://homepage1.nifty.com/tollywood/

『LONG TIME NO SEE』公式HP
http://www.scn-net.ne.jp/~space-n/index.html

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2005/6/20

自主制作ドキュメンタリーに関して  

以下は自作のドキュメンタリー制作に関して考えていることをつれづれと書いたものですので、興味がない方は適当に読み飛ばしてください。

決して見る側にどう見せるかを考えない、ひとりよがりのものをめざそうという話ではないんだけど、自分がつくるものを考えるときに、「商品」としてきちっとしたものをつくるということではないのだと思う。
つまり、端的にいって、テレビやPRのドキュメンタリーのようなものを自分は作るわけではない。それでは自主制作でやる意味がないからだ。テレビみたいなものをもしやろうとしても、下手になぞったようなものにしかならないだろうし、それではかえって悲惨である。それなら、僕が個人でやるより、きちっとしたテレビクルーが作ればそうしたものならはるかにいいものが出来るに決まっているからである。だから、むしろ、これはテレビでは放送できないだろうというようなものをつくってこそ、僕が個人でつくる意味がある。いや、それでなければ、僕がつくる意味がない。そういう、何か、テレビでやれないようなことをやることを売りにしなければならない。では、それがなんなのかということが問題であるわけだけど。
もちろん、クオリティはどうでもいいと思っているわけではないので、カメラマンを自分と別につけ、またカメラマイクと別にマイクを用意することは考えていきたいけれども。
自分でマイクをもつというアメリカのドキュメンタリー映画監督、ワイズマン監督の姿勢(ワイズマンは「音」を基盤につくる人らしい)などは(ワイズマンのようにフィルム作品ではなくデジタルビデオで撮るわけだけれども)参考にするべきかと思う。
しかし、社会的な問題を、個人で、テレビなどとは違うものとしてつくっていくとはどういうことなのか? ここを考えないといけない。
今、漠然と考えているのは、ナレーションをプロのナレーターにしゃべってもらうものと、自分(僕)がしゃべるものと並列して分けることだ。これは、社会的な問題を僕個人の「主観」でとらえたもの、「客観」(もちろん、撮影されるものは撮影する制作者の主観によるものだとしても、僕個人がどういう人間かにとどまらない社会的な観点から考えられる「問題」のつかまえ方ということだけど)でとらえたものとで区別される。もしかしたら、「主観」と「客観」がせめぎあうものになるかもしれない。(というか、それがドキュメンタリーというものなのかもしれないけれども。)
ジャンルとしてドラマかドキュメンタリーかということが重要なのではない。つくりてがドラマの場合のように被写体に意図を伝え支持を与えて撮るのでなく、被写体を見つめることから逆に考えていくとか(もちろん、ドラマでもある程度、役者に自由にやってもらってという作り方はあるのですが)、そういう具体的なつくりかたの違いから出てくる、表現されるものの、具体的な違い(たとえば人物のいかなる表情をとらえるかといった)が問題なのだ。結果的に出来る作品がドラマかドキュメンタリーかといったジャンルわけはどうでもいいことである。たとえばペドロ・コスタの映画がそのように分類わけは不可能なものであるように。
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2005/6/20

映画「電車男」大ヒット  映画

*「映画生活」のSTAYGOLDさんが大バケするかもと書いていたが、本当に大バケしましたね、「電車男」の映画。

(ニュース)
「電車男」3週拡大公開 みんな純愛に飢えている 2週間で観客動員100万人超
 インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」から生まれた映画「電車男」(村上正典監督)のロングランが決定したことが19日、分かった。20日にも観客動員数の100万人突破が確実となり、3週間の公開予定が急きょ、6週間に拡大される。本紙はモデルとなった電車男さん本人から、ヒットの喜びメッセージを独占入手。公開間近の「宇宙戦争」(29日公開)、「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」(7月9日)のハリウッド超大作を、オタク青年の純愛物語が迎え撃つ。

 「電車男」が予想を上回るヒットで夏休み映画の“邦画代表”に名乗りを上げた。俳優・山田孝之(21)と女優・中谷美紀(29)が共演する同映画は、4日に封切られた。全国192スクリーンと中規模での公開ながら、映画館は連日、立ち見も出る盛況。口コミで話題を呼び、客足は鈍るどころか確実に増しており、急きょ、ロングランが決定。対応に追われる関係者はうれしい悲鳴を上げている。

 映画は彼女いない歴22年のオタク青年の純愛物語。電車の中で出会った美しい女性(エルメス)との恋を、インターネット掲示板の住人たちの力強い“声援”を受けて成就させようとする青年の姿を描く。

 ネットで話題となったこの話を、新潮社が昨年10月に書籍化。同12月に東宝が映画化権を獲得し、3月29日にクランクイン。わずか30日間の撮影でクランクアップした。「タイミングを逃したくない」と映画化権取得から半年あまりで公開にこぎ着ける特急での製作だったが、内容に手抜きはなし。当初の目標だった「スイングガールズ」(昨年9月公開)の興収21億5000万円を超えることも確定的で、書籍も100万部突破確実のベストセラーになっている。

 書籍や映画のモデルとなった電車男さん本人とエルメスさん本人は、その後も交際は順調であることが判明。入手したメッセージには、2人そろって仲良く映画を観賞し「自分ってこんなイメージなんだ。主演のお2人とも神演技でした」などと記されている。

 2人とも思い出のシーンでは号泣したという。でも、ここまでの爆発ヒットは予想外だったようで、電車男さんは「100万人、100万部ってどこの世界の何のお話ですか? 実感がわかず、ひとごとみたいですいません」。エルメスさんは「この本と映画を見て感じた気持ちを、いつまでも忘れないでください」とコメントした。

 24日までの公開予定が7月15日まで延長されることが決定。状況次第ではさらなるロングランの可能性も十分。話題のハリウッド大作「宇宙戦争」「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」の公開時期と重なる。規模、製作費とも雲泥の差があるが、「電車男」が堂々と“直接対決”に挑む。

◆フジ系連ドラは伊藤淳史&美咲

 原作本も週明けに100万部の大台に乗る。映画に続き、フジテレビ系7月クールの連続ドラマになることも決定。電車男は伊藤淳史(21)、エルメスは伊東美咲(28)。舞台公演の予定もあり、まだまだ電車男ブームは終わりそうもない?

◆初メガホンの村上監督

 「電車男」が初メガホンの村上正典監督(41)は、共同テレビ所属で本職はテレビのディレクターだ。これまで「ラストクリスマス」「ウォーターボーイズ」「東京湾景」「白い巨塔」などの話題作を手掛け、満を持しての監督デビュー。

 今作は急な発注だったにもかかわらず、定評ある丁寧な演出は健在だった。視聴者を実際に目の当たりにすることはできないが、今回は反応を知りたくて封切り後、何度か映画館を訪れた。

 撮った映像を初めて大スクリーンで見た時は「鳥肌が立ちました」。ドラマに比べて映画は「行間の演出ができるのがだいご味」と話す。村上監督自身は“秋葉系”とは「全く逆のタイプの人間」だそうが、「オタクと呼ばれる人たちの、ひとつのことに打ち込む情熱には尊敬します」。

 大ヒットには「素直にうれしいです。若い人が見てくれているのが光栄で新鮮。シンプルな友情物語として見てもらっているのではないでしょうか」。が然、村上監督の映画の次回作にも注目が集まりそうだ。
(スポーツ報知) - 6月20日8時0分更新
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