2005/7/18

国はアスベスト(石綿)健康被害の実態調査を  公害・薬害・環境・医療問題

ニュースによると、クボタの旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民31人が石綿との関係が深いとされる中皮腫で死亡していることが判明した。
国(厚生労働省)はこれまでアスベスト(石綿)による健康被害を「労災」として、石綿作業従事労働者に対する補償を行なってきた。
しかし、被害が石綿作業従事労働者にとどまらない「公害」であることが分かってきた。
国はこの事態を深刻に受けとめ、直ちに、関連工場の周辺住民の健康被害の実態調査を行なう必要があると思う。
また、難しいものかもしれないが、アスベスト(石綿)を使用した建物に住んでいたり通っていたりした人のうちでどのぐらい中皮腫、肺がんが発症しているのかの調査や、たとえばヘア−ドライバーなどでアスベストを用いた製品がかつて販売されていたようだがそうした製品を公表し、使用していた人から中皮腫、肺がんがどの程度、発症しているかの調査なども行なうことを検討する必要があるのではないかと思う。
とはいえ、こうした被害実態の全体像の把握は困難であり、アスベストによって中皮腫、肺がんを発症したものなのかの因果関係を実証することも容易なことではないだろう。
しかし、国はアスベストに関する対応をとることが遅れたことがここまで被害を広げたことを深刻に反省して、たとえば工場の周辺住民の間で中皮腫の発症率が全国平均の発症率よりも格段に高かったならばやはりアスベストと関連性があるものと考え、ひとつひとつの症例の因果関係が実証できなかったとしても何らかの補償を考える必要があるのではないかと思う。


*関連記事、サイト
石綿による健康被害への対応について
(厚生労働省は石綿作業従事労働者に以下の対応をしている。)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/07/h0708-1.html

(ニュース)
「聞いたことがない」 中央省庁も驚き隠さず
 大阪市の大手機械メーカー「クボタ」の工場や工場周辺でアスベスト(石綿)被害が相次いでいたことに、環境省や厚生労働省の担当者は29日、「聞いたことがない」「特異な職場環境」と驚きを隠さなかった。
 環境省の担当課は「厚労省などから情報を集め始めたところなので何とも言えない」とあわてた様子。「工場周辺で住民にまで健康被害が出たことは聞いたことがない」と付け加えた。
 厚労省の担当課は「相当な割合で(従業員が)発症しており、アスベストが濃密にあった特異な職場環境だったと推測できる」と分析。「1企業でこれだけ多い被災は珍しい」と話した。
 アスベストは2004年10月に原則全面禁止された。しかし、関係者によると、アスベストによる中皮腫や肺がんは発症まで40年以上かかる例も。特にアスベスト輸入量がピークを迎えた1970年代から80年代に吸い込んだ人たちが発病する時期に差しかかっているという。
(共同通信) - 6月29日23時56分更新


(ニュース)
周辺住民31人中皮腫で死亡 石綿被害でクボタに相談
 大手機械メーカー、クボタのアスベスト(石綿)による被害について、同社に旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民34人の死亡例の相談があり、うち31人は石綿との関係が深いとされる中皮腫だったことが17日、分かった。
 クボタによると、このほかに同社の元社員や下請け会社の元社員らの遺族から17件の死亡例の相談があった。死因はほとんどが中皮腫だが、いずれも労災申請はしていなかった。療養中も5件あった。
 詳しい死亡時の状況や、療養中の患者の病状については、「今後精査するため、現時点では公表できない」としている。
 旧神崎工場では1954年から95年まで石綿を扱い、工場で働いていた78人が石綿が原因とみられる病気で死亡したほか、元社員の妻が中皮腫で死亡したケースも明らかになっている。
(共同通信) - 7月17日21時22分更新


(ニュース)
企業 危険性説明せず アスベスト・患者の会調査
2005/07/17

 アスベスト(石綿)によって悪性中皮腫などになった患者が、事業者から危険性について説明を受けていなかった実態が十六日、患者らがつくる会の調査で分かった。アスベストに対する知識と対策の欠如が多くの犠牲者を生んだことをあらためて浮き彫りにした。

 調査は、患者や家族約百三十人が昨年二月に発足させた「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」(東京都江東区)が昨年六月に実施。患者二十三人、家族や遺族三十四人から回答を得た。

 患者は大半が五十―七十代で、建設業や鉄鋼業などに従事し、二十人が悪性中皮腫だった。患者のうち、事業者からアスベストの危険性について説明を受けた人はゼロ。十九人が仕事仲間からアスベストという名前を聞き、四人が自分で危険性を知るなどした。防じんマスクが十分配られたとの回答もゼロだった。

 在職中や退職後に健康診断を受けたのはわずか一人。また、二十人が医師から「病気の原因はアスベスト」と告げられながら、「労災になる」ときちんと説明されたのは七人だけで、医師の認識の欠如も浮かび上がった。

 患者からは現状について「今後どうなるか不安で怖い」「生活・経済的な支援がほしい」などの回答があり、家族からは生活費や医療費の負担、家族の精神的な不安などを心配する声が上がった。

 同会世話人の斉藤文利さん(67)=練馬区=は「自分も二十年以上、配線工事などでアスベストに接し病気になったが、危険性は知らなかった。不安な人は相談してほしい」と話している。

判明の死者49社490人に

 経済産業省のまとめや各企業の発表などによると、アスベストが原因とみられる死亡者はこれまでに判明した分で四十九社で四百九十人に上る。

 国内でのアスベスト使用は一九六○年代から増え、ピークの七四年には約三十五万トンが輸入された。建築物の屋根、瓦、内外壁に使う断熱材や耐火材…。配管やエンジンの断熱、パッキン、工場で使う耐熱手袋、消防服にも使われた。

 七八年にはアスベストに起因するとされる肺がん、中皮腫、石綿肺が労災適用対象とされ、二○○三年度までに労災認定されたのは六百六十人を超えた。分野はアスベスト製品の製造企業のほか、加工して使う業界や建設関連など約二十業種。

 しかし、今回は周辺住民や家族にも発症者が出「労災から公害へ」の様相を見せ始めている。(神戸新聞)


「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」HP
http://www.chuuhishu-family.net/
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