2005/8/19

イスラエル、ガザ撤退関連ニュース(2)  イスラエルとパレスチナ、中東

<イスラエル>軍が礼拝堂突入、反対派強制排除 ガザ地区
 【エルサレム海保真人】イスラエル軍と警察部隊は18日、ガザ地区最大のユダヤ人入植地ネベデカリムと中規模入植地クファルダロムで、入植者撤退に反対する若者らが立てこもる2つのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝堂)に相次いで突入、力ずくで退去させる強行策に出た。クファルダロムのシナゴーグでは、反対派が警官隊に対しペンキを投げつけるなど激しく抵抗し、一部混乱した。シナゴーグは反対派にとっての「最後の砦」で、国を挙げての撤退策は大きなヤマ場を迎えた。
 ネベデカリムでのろう城は17日から続き、軍当局は約1000人の反対派が自主的に退去するようユダヤ教関係機関を説得していたが、交渉は決裂。このため午後3時半(日本時間同9時半)、包囲していた数千人の軍部隊が踏み込んだ。
 反対派の若者らは「ユダヤ人はユダヤ人を追放できない」と手拍子で絶叫。互いに腕を組んで床に寝そべり、3〜4人がかりで引きずり出そうとする兵士たちに懸命に抵抗した。
 一方、約800人の反対派がろう城したクファルダロムのシナゴーグでは、屋上から生卵を投げつける若者らに高圧放水銃を浴びせた後、警官隊が突入した。
 強制排除2日目のこの日は、クファルダロムなど計4カ所の入植地で新たに撤退作業が進められた。各地で家屋やタイヤに火がつけられるなど抵抗が続いた。
 イスラエル放送によると、警察幹部は18日の政府閣僚会議で、入植者らの撤退が22日か23日には完了するとの見通しを報告した。
 ◇礼拝堂に反対派1000人 通路に油まき抵抗
 【ネベデカリム(ガザ地区南部)樋口直樹】イスラエルの撤退作業が続くガザ地区最大のユダヤ人入植地ネベデカリム。軍・警察部隊は18日午後3時半(日本時間同9時半)、約1000人の反対派が立てこもるシナゴーグ(ユダヤ教礼拝堂)へ突入、強制排除に入った。ユダヤ教徒がほぼ100%を占めるイスラエルで、政府が宗教施設での強制執行に踏み切るのは極めて異例だ。
 「10分間の猶予を与える。そこから離れなさい」。午後3時20分、シナゴーグのある複合施設をぐるりを包囲していた部隊の司令官が、スピーカーを通じて最後通告を行った。
 立てこもっていた反対派の若者が、兵士を滑らせようと外からシナゴーグのある2階へ続く狭い坂道に食用油をまく。男女別に集まった2カ所の礼拝堂からユダヤ教の歌声が響き渡るなか、数千人もの部隊が隊列を整えて施設内へ突入した。
 「ただ祈るだけです。同じユダヤ人同士が憎しみ会うことのないように」。ヨルダン川西岸の入植地から10日前に祖父母が住むネベデカリム入りした主婦マルガさん(26)は18日朝、シナゴーグのある複合施設まで数十メートルに迫った軍部隊の包囲網に目をやり、強制排除を前にした心境をこう語っていた。
 シナゴーグに立てこもる反対派のほとんどは、ガザ地区外から駆けつけた「応援組」。反対派のシンボルカラーのオレンジ色のTシャツを着た人々の大半は10代の若者で、軍の突入前に屈託なく話し、元気に歌をうたう様は夏休み中の合宿のようにも見えた。
 ガザ地区とヨルダン川西岸は、イスラエルが67年の第3次中東戦争で占領した土地だ。国際社会はガザと西岸にパレスチナ人の独立国家を建設させ、イスラエルとの平和的共存を目指す方向で一致しているが、両地を「神に約束された地」の一部とみなす宗教的な右派勢力は、占領地からの撤退をかたくなに拒んでいる。
 反対派の怒りは、軍や警察にではなく、ガザ撤退を決定したシャロン首相と撤退を強く後押ししてきた米国に向けられている。「ブッシュ(米大統領)とシャロン(首相)は神と聖書に宣戦布告した」。シナゴーグに掲げられた大型ポスターのスローガンが、彼らの論理を象徴していた。
(毎日新聞) - 8月19日1時37分更新


ガザ入植地、21か所のうち16か所で排除完了
【エシュコル(イスラエル南部)=佐藤秀憲】ガザ地区のユダヤ人入植地で入植者らの強制排除を続けているイスラエル治安部隊は18日、ネベデカリムやガンオルなど新たに入植地5か所で排除を完了した。

 イスラエル放送によると、これでガザ地区の入植地21か所のうち16か所で排除を終え、撤去作業は大詰めを迎えた。

 クファルダロムでは、若者ら数百人が立てこもり、抵抗の拠点となっていたシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)の屋上に、治安部隊が同日夜、はしごを使って突入、若者らを強制排除した。若者の大半は、ヨルダン川西岸の入植地などから駆け付けた宗教右派の支援者。

 この際、若者らは治安部隊に塗料などを浴びせて激しく抵抗、治安部隊も高圧放水銃で対抗した。双方で60人近くが負傷、逮捕者は約220人に上った。15日から始まった撤去作業で、これほど大量の負傷者が出たのは初めて。

 治安部隊は18日、ガザ最大の入植地ネベデカリムでも、若者ら約1500人が居座るシナゴーグの制圧に成功した。

 治安部隊は同日だけで、入植者と支援者約5000人をガザ全体から排除した。
(読売新聞) - 8月19日12時28分更新
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2005/8/19

イスラエル、ガザ撤退関連ニュース(1)  イスラエルとパレスチナ、中東

(ニュース)
「ガザ撤退、死活的に重要」 イスラエル首相がTV演説
2005年08月16日10時30分、asahi.com
 イスラエルが占領地のガザとヨルダン川西岸の一部からの撤退に着手した15日、シャロン首相は国民向けのテレビ演説を行った。ガザ撤退を「イスラエルにとって死活的に重要」と強調。パレスチナ側がテロ組織を解体し、和平への姿勢を見せれば和平交渉を再開すると述べた。

 演説の多くは、撤退に反対している入植者への呼びかけにあてられた。入植者を「パイオニア(開拓者)」と称賛しつつ、ガザ撤退が「イスラエルの将来の利益になる」として理解を求めた。また、パレスチナ自治政府に対しては「今度はパレスチナ側が証しを見せる番だ。和平の手かテロ行為か、世界がパレスチナの反応を待っている」と述べた。

 ヨルダン川西岸地区で撤退対象になっている4入植地のうち2カ所では、15日中に入植者全員(55世帯)の退去が完了した。ガザ北部の3入植地(約400世帯)でも、ほぼ全員が17日午前0時(日本時間同日午前6時)の最終期限までに退去する見通し。

 一方、ガザ中南部の3入植地では15日、入植者が入り口を封鎖し、最後の説得に向かった兵士の立ち入りを拒むなど抵抗ムードが強い。


ガザ強制退去開始・イスラエル高官「数日で完了」
 【ガナイ・タル入植地(ガザ)=森安健】イスラエル軍は17日午前零時(日本時間同日午前6時)、ガザ地区の入植地から住民を強制的に退去させる作戦を開始した。各入植地には兵士を乗せたバスが次々と到着。朝にも一斉突入が始まる。イスラエル首相府高官は16日「数日間のうちにガザにはイスラエル人がいなくなる」と宣言。ガザ撤退計画は「力」による実行段階に入った。
 17日午前5時過ぎ、ガザの入り口キスフィム検問所では数百人の撤退反対派が軍の進入を防ごうと最後のデモ、座り込みを敢行。警察は数十人を逮捕したもようだ。
 イスラエルラジオによると、軍と警察は17日、まず7つの入植地で集中的に退去作業を進める。各入植地の前では大量の兵士を乗せたバスが並び、入植者を運ぶためのバスも待機した。ガザの入植者8500人のうち半数強はすでに退去済み。残りの4000人近くの住民と撤退反対を訴える活動家約5000人が強制退去の対象になる。兵士は1軒につき17人の割合で入植地に乗り込む。最後の説得を試みたうえで、応じない場合は強制的にバスに乗せ、入植地の外に連れ出す。 (日本経済新聞)


ガザ撤退 入植者を強制退去 大規模衝突なし
 イスラエル軍部隊は17日、ガザ地区最大のユダヤ人入植地ネベデカリムなど6カ所で、入植者の強制退去に一斉に着手した。1967年の第三次中東戦争でイスラエルが占領したガザ地区の入植地撤去が本格化した。懸念された反対派との激しい衝突はなかった。

 AP通信によると、軍は反対派排除のため、約1万4000人の部隊を投入。反対派は一時シナゴーグ(ユダヤ教会堂)に立てこもるなどして激しく抵抗した。一部入植地では強制退去を完了した。ガザ地区北部では、自主退去が完了した空き家の取り壊しも始めた。

 軍高官は強制退去が予定よりも早く進行していると言明。軍の副参謀総長は17日、9月4日が目標だった退去が、来週初めにも完了する可能性があると述べた。

 軍部隊はブルドーザーも投入、午前8時(日本時間午後2時)すぎからネベデカリムやモラグなど南部の入植地に入り、入植者を刺激しないよう武器を携行していない兵士らが、入植者を自宅などから退去させ、バスで運んだ。モラグでは女性兵士1人が活動家に針で刺されて軽傷を負った。

 ロイター通信によると、北部ドギトなど4カ所でも17日朝までに全員が自主的に退去した。

 農場の温室や家屋をパレスチナ人に残さないよう、退去前に火を放つ入植者の姿もみられた。

 軍幹部は16日夜、ガザ地区21カ所の全入植者約8000人のうち「半数近くが退去した」と語っていた。ガザ地区以外から入り込んでいた反対派は推定約5000人。

 シャロン首相は15日に入植者に2日以内の自主退去を命令。17日午前0時(日本時間同6時)で退去期限が切れた。(共同)
(08/17 23:27)


入植者が銃撃、パレスチナ人4人死亡 ヨルダン川西岸
2005年08月18日11時27分、asahi.com
 ヨルダン川西岸パレスチナ自治区中部のユダヤ人入植地シロにある工業団地で17日夕、入植者がパレスチナ人労働者に発砲、4人が死亡した。イスラエルのシャロン首相は同夜、「ガザ撤退阻止を狙ったテロ」との見方を示したが、イスラエル紙ハアレツによると実行犯は警察の調べにガザ撤退とは無関係と供述しているという。

 イスラエル政府は事件がパレスチナ過激派の報復を招き、撤退プロセスに影響を与えることを警戒している。

 イスラエルのチャンネル10テレビによると、実行犯はシロ近郊の別の入植地に住む男性運転手(40)。男が工業団地から帰宅するパレスチナ人労働者を車に乗せた際、入植地の警備員から奪った銃で2人に発砲し、さらに工業団地の建物に侵入して発砲したという。シロも男が住む入植地も、撤退の対象にはなっていない。


ガザ撤退、半数の入植地で完了 強制排除で24人軽傷
2005年08月18日19時25分、asahi.com
イスラエルのガザ撤退で、ユダヤ人入植者の強制排除が始まった17日の深夜までに、21入植地のうち11カ所で住民の退去が完了した。強制排除により兵士や住民ら24人が軽いけがをしたが、入植者側は多くの入植地で治安当局との交渉に応じるなど、治安当局が当初予想したような大規模な抵抗は起きていない。
強制排除で住民の退去が完了したのは、人口が100人前後の小規模な入植地が中心。外部から入り込んだ宗教右派勢力が立てこもっている入植地での強制排除は、18日以降に持ち越された。
ガザ最大の入植地ネベデカリムでは17日深夜、約60世帯が残っているほか、1000人を超える外部からの支援者がシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)に立てこもって抵抗を続けている。治安当局は入植者の代表と18日に自主退去の交渉を再開する。
イスラエル紙ハアレツによると、治安当局はネベデカリムでの退去を完了させた後に、残る入植地で排除に着手する計画だ。


「ガザ撤退は順調」とイスラエル軍
2005.08.18
Web
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2005/8/19

アスベスト学習会のお知らせ  公害・薬害・環境・医療問題

*アスベスト関連のイベントのお知らせ

http://www.kokumin-kaigi.org/event/event_p2.cgi?action=html2&key=7

「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 公開学習会」
今、アスベストの何が問題か 〜アスベストのない社会をめざして〜

講師:名取雄司さん(医師、中皮腫・じん肺・アスベストセンター代表)
日時:8月26日(金)午後6時〜8時

「静かな時限爆弾」ともいわれるアスベスト(石綿)。この間の新聞報道やテレビ放映で数多く取り上げられているように、アスベストは、労働者だけでなく、その家族や周辺住民にまで重大な被害を及ぼすことが明らかになってきました。今後、どの位被害が広がっていくのか想像もつかない状況です。今、私たちは、アスベスト問題についての知識を深め、その対策のあり方を根本的に考え直す必要があるのではないでしょうか。
本学習会では、目下、アスベスト被害者の救済のために殺人的なスケジュールで活動されておられる医師の名取雄司氏を講師としてお招きし、アスベスト問題の最前線の情報と、今後の対策のあり方について、分かりやすくお話いただきます。
ご関心のある、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

場所:弁護士会館10階 1003号室 
*地下鉄霞ヶ関駅(B1-b出口)、徒歩1分
資料代:一般 1000円  主催・共催団体会員 500円
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2005/8/19

「郵政民営化」の次の標的は農協?  ニュース

*「郵政民営化」で外資が入ってくるのはグローバル経済化した時代の流れであり仕方がないものなのではないか、外資が入ってくることを理由に「郵政民営化」に反対するのはちょっと違うのではないかと僕は考えているのだけど、農協が分割されるのはさすがにやばいかと思う。

(ニュース)
衆院選:小泉改革の次の標的は農協? 医師会?
 「郵政民営化が終わったら、小泉構造改革の次のターゲットは農協になるかもしれない」
 自民党農林族議員の間で最近、こんな言葉が飛び交っている。
 きっかけは、4月21日に開かれた政府の規制改革・民間開放推進会議。八代尚宏・国際基督教大客員教授は「郵政3事業と農協はウリ二つだ」と指摘し、農協の金融・共済・経済事業を郵政3事業と同様に見立てて分割の必要性を訴えた。
 実際、7月末に予定されていた同会議の「中間取りまとめ」の原案には、農協事業の分割が盛り込まれていた。そのまま公表されれば、農林族が猛反発し、参院での郵政法案審議に影響を与える可能性があった。
 法案採決へのマイナス材料になりかねないと懸念した参院自民党の片山虎之助幹事長は7月29日、細田博之官房長官に「参院自民党としては受け入れられない」と抗議。結局、首相官邸の判断で「中間取りまとめ」の公表は延期されたが、農林族の一部は「小泉首相の標的は郵政だけではない。だから郵政民営化を徹底してつぶしておかないといけない」と先鋭化し、反対・棄権に走った。
 別の動きもあった。来年の医療制度改革に危機感を抱く日本医師会の支援を受けてきた参院議員が、一部地域の医師会を動かして「小泉政権は診療報酬など医療費のさらなる抑制を医師会にのませる考えだ。それを防ぐためにも郵政民営化には賛成できない」と賛成派に働きかけている。
 複数の党幹部が「医師会系議員の一部に郵政反対派支援の動きがあったのでつぶした」と証言するように、郵政民営化が自民党の支援団体に与えた衝撃を物語っていた。
 全国特定郵便局長会、農協、医師会関係者は自民党の中核的な「集票マシン」として機能してきた。小泉首相は8月8日、衆院解散直後の記者会見で「既得権を守る反対勢力と戦い、自民党を本当の改革政党にする」と語った。既得権益団体や族議員から脱却した「新しい自民党」を目指す闘争宣言だった。
 ◇郵政票と改革票、どちらがプラス? 新支持層に照準
 その首相は、新たな支持基盤を築き始めている。既存支持団体の弱体化が明白になった昨夏の参院選敗北を受け、自民党は首相直属の改革実行本部(本部長・安倍晋三幹事長代理)を設置。新たな支持層獲得に向けた動きをスタートさせた。
 「米共和党は92年の大統領選で民主党に敗れてから、ベンチャー企業などを新しい支持者にした。それが昨年のブッシュ大統領再選にもつながった」。安倍氏は今年1月、楽天の三木谷浩史社長らベンチャー企業関係者を招いた党主催のシンポジウムで強調した。同様の会合は仙台や福岡でも順次開き、新産業に裾野を広げようとしている。同本部の小林温参院議員は「1次、2次産業の支持だけでは先細りは確実。IT(情報技術)や介護、バイオなど新産業分野の支持を得ないと選挙は勝てない」と訴える。
 「小さな政府」を標榜し、新支持層の獲得を目指す小泉政権の戦略は、従来の支持団体の離反にもつながる。党内では「組織化しにくいITなど新産業からの票は期待薄」(旧橋本派衆院議員)との声も聞こえるが、首相は「郵便局から出る票と、改革を訴え出てくる票とどちらがプラスか」と周辺に語る。首相が「郵政民営化の是非を問う」衆院選は、郵政を越え、党の支持基盤を大きく変化させる可能性をはらんでいる。
毎日新聞 2005年8月19日 1時49分
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2005/8/19

日朝間で横行する「詐欺師」  時事問題

*今朝のスポニチから。

重村智計梹謐゙メモ
日朝間で横行する「詐欺師」

 自民党の安倍晋三幹事長代理つぶしの工作を、朝鮮総連と北朝鮮が相変わらず続けている。日本の政局を揺さぶろうとする、内政干渉である。この背景には、朝鮮総連の最高実力者の逮捕への恐怖がある。安倍総理が実現すると、まず実行されそうなので、安倍攻撃の陰謀を重ねている。総連の幹部は、そうなると大変だといって、北朝鮮に「安倍つぶし」を頼んでいるのだ。
 週刊誌報道によると、安倍幹事長代理に頼まれたと称する朝鮮系中国人が、金正日総書記への橋渡しを北朝鮮に申し入れたという。北朝鮮の当局者か朝鮮総連の関係者が、自分たちに好意的なメディアに売り込んだネタだ。
 「安倍晋三の代理」を名乗り、平壌に売り込みに行く詐欺師まがいの朝鮮系中国人が、少なくない。つい最近も、まったく関係ない人物が平壌で売り込みに走り回った。
 なぜ、こうした「詐欺師」が横行するのか。日朝の間での金もうけを、たくらんでいるからだ。だいたい、日朝間係で自分から政治家に売り込みに来る人物は、私の経験では99%が下心のある詐欺師だ。
 今回報じられたのは、99年頃から日本の政治家や政府に接近しようと画策した人物である。
 金正日総書記に面会するために、トラの贈り物までした小道具立ては、よくある手口だ。仲介に立った北朝鮮の高官にも、相当な「わいろ」を支払ったはずである。いくら支払ったのかは、報じていない。結局、北朝鮮側も彼の利用価値がなくなったから、書いてくれそうな日本のメディアに売り渡しただけの話だ。
 政治家は、人に会うのが仕事だから、人を介しいろいろな人物が来るだろう。拉致問題の解決のためを思えば、「来る人は拒まず」で話を聞くことになる。それを、相手は利用して「頼まれた」とか「特使だ」とか、勝手に「詐欺」をはたらくケースが少なくない。
 今回の問題は、そんな「詐欺」に金正日総書記ともあろう人物が、引っかかったというお粗末な事件である。本来は、引き合わせた北朝鮮の高官が責任を問われる問題だ。どの高官が仲介し、どのような責任問題になっているのかも、報じてほしかった。責任のがれに、責任転嫁を図ったのかもしれない。
 日本のメディアが、朝鮮総連と北朝鮮の手先にされただけで終わるのは、残念だ。(早稲田大学国際教養学部教授)
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