2005/10/30

『女は男の未来だ』  映画

『女は男の未来だ』
ホン・サンス監督の映画は誰にでも受け入れられるものではない。こういう映画ばかりだったら韓流ブームなんて起こらなかっただろう。
特に、レイプをめぐる男女の意識のずれを軽く描いているのは、女性の人が見たらひっかかるものなのかもしれない。怒る人もいるかも。
しかし、個人的にはこの監督の作品は非常に面白い。
セックス前にため口でベッドで敬語のところとか。
男が手順とかタイミングとかがめちゃくちゃになるのは、相手の気持ち(真意)がよくつかめないから。男の側ばかりでなく女の側からもそう。男女双方がそういう調子なのでしっちゃかめっちゃかになってわけの分からなさが増していく。
ホン・サンス監督の前作『気まぐれな唇』では『殺人の追憶』で都会派刑事を演じていたキム・サンギョンが情けない主人公を演じていたが、本作でも『春の日は過ぎゆく』でナイーヴな青年を演じていたユ・ジテがなんとも情けないダメ男を演じる。この監督の映画に出るとみんな、ダメ男になってしまう。これも韓流の逆をいくものか?
以前にシナリオ学校のセミナーに通った時に、講師の先生(現役のシナリオライター)が映画監督とか絵描きとか、芸術家が主人公のドラマは書くな、一般の視聴者の共感を得られないひとりよがりのものにしかならない、普通の人の話を書けと言っていてそれはそれで納得したんだけど、ホン・サンス監督の映画は映画監督とか絵描きとか、芸術をやっている人間が登場人物であり、まさに私小説ならぬ「私映画」なんだと思う。ジタバタしている男と女双方のどうしようもない部分ばかりを描いている、自虐的な「私映画」。なのに、どうしてこんなに軽くユーモアを漂わせながら描けるんだろう。そこにこの監督の映画の魔法があると思う。
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