2006/1/22

朝日新聞にまたカネミ油症の記事  公害・薬害・環境・医療問題

*朝日新聞にまたカネミ油症の記事が掲載。次第に注目されてきているようです。

(ニュース)
カネミ油症 続く苦しみ 患者ら「何も終わってない」 発症から37年

 北九州市から広がった国内最大の食品公害「カネミ油症」の被害者救済の動きが発症から37年後のいま、本格化しつつある。近く通常国会に公明、民主両党が関連法案を提出する。「いまだに苦しむ人がいる。何とかしてほしい」。患者が全国最多の約600人いる福岡県で、救済運動を続けてきた高齢の夫婦も期待を寄せる。  (柳谷政人)

今もしびれ、救済法案に期待
 「何一つ終わってない」。油症医療恒久救済対策協議会の矢野忠義会長(73)=福岡県小郡市=はため息をついた。妻トヨコさん(83)もうなずく。夫婦は患者として活動を引っ張ってきた。国を相手に裁判を起こし、未認定患者を掘り起こす。2世、3世の追跡調査もしている。
 夫婦は63年、北九州市に暮らしていた。米屋が持ってきたカネミライスオイル(米ぬか油)を使った天ぷらやサラダを食べた。68年にトヨコさんが患者認定された。以前から吹き出物があった忠義さんは73年にようやく受診し、すぐに認定された。忠義さんは30年以上、手足のしびれや自律神経失調症と闘い、大動脈りゅうもある。トヨコさんは乳がんや甲状腺疾患で7回も体にメスを入れた。
 50代の息子3人も認定された。次男は血尿が出ていた時期もあるがメーカーに勤め、外国を飛び回る。だが、長男は今も原因不明で倒れることがある。症状や毒性血中濃度に個人差があり認定されない人も多い。同じオイルを食べた家族でも認定が分かれる場合もある。
 各地にあった被害者の会は、87年の訴訟和解後に姿を消した。ただ、国が原告患者829人に支払い済みの仮払金約27億円の返還を求めたため、患者側は1人当たり300万円余の返済に追われている。忠義さんは「地獄の苦しみだが、この仮払金問題があったからこそ油症の様々な問題が明るみに出た」と話す。
 忠義さんは04年から民主、公明両党のヒアリングを受けてきた。今も油症に苦しむ患者の実情を説明し、「健康状態が保てる仕組みを」と訴えた。
 「患者救済の法律ができた時、受け皿をきっちりしておくために再び結束しよう」。2人は被害者の会の復活準備に奔走。27日に「北九州市の会」、29日に「福岡県の会」を結成する。患者に認定されているかどうかを問わず、全被害者を救済するのが会の目的だ。「法案がきっかけで被害者が少しでも救済されれば」。トヨコさんは話した。

キーワード
カネミ油症事件 68年、カネミ倉庫(北九州市)製の米ぬか油を食べた人たちが皮膚炎や内臓疾患などを訴えた食中毒事件。約1万4千人が被害を届けたが、認定患者は昨年末現在で約1900人。ポリ塩化ビフェーニール(PCB)を加熱するとできるダイオキシン類の一種、ポリ塩化ジベンゾフランが主因と判明。患者が国やカネミ倉庫などに損害賠償を求めた訴訟は87年、最高裁で鐘淵化学工業との和解が成立。原告が国への訴えを取り下げたが、国は患者に支払った仮払金約27億円の返還を求めている。
(2006年1月22日、朝日新聞朝刊)
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