2006/2/23

熊本県が水俣病健康調査再分析に乗り出す  公害・薬害・環境・医療問題

(ニュース)
過去の健康調査再分析  熊本県予算案 国に新規実施迫る  水俣病 公式確認50年

 水俣病公式確認から50年を迎える新年度、熊本県は70年代に実施した水俣病の健康調査の再分析に乗り出す。22日発表した06年度当初一般会計予算案に「健康調査分析検討事業」として、国の補助約800万円を含む約1千万円を計上した。背景には、県が新たな大規模健康調査を提案したにもかかわらず、国が難色を示しているという事情がある。県は、過去の被害者の症状や地域的広がりを検証し、新たな調査を国側に迫りたい考えだ。
 県は水俣病の被害者掘り起こしのため、71〜74年度に水俣湾沿岸の約5万人、73〜74年度に有明海と八代海沿岸の約3万人を対象に問診や医師の診察などによる健康調査をした。
 さらに04年10月の水俣病関西訴訟最高裁判決が国と県の責任を認めたことなどから、同年11月、鹿児島県を含む八代海沿岸に居住経験がある約47万人に対する健康調査の共同実施を、環境庁に提案した。
 ところが、規模や手法で意見が食い違った.環境省は「汚染から時間がたった今、調査をして何が分かるのか」と反論。被害地域に一定の居住歴がある希望者の健康診断などをする健康管理事業を92年度から実施しており、この拡充で対応する方針だ。
 健康管理事業は熊本県内では水俣市と周辺3町だけが対象で、調査実績は年間約7千人という。県は「被害の広がりを調べるには、現行事業の拡充だけでは不十分」との見方だ。
 今回の再分析で県は、以前の健康調査の問診項目や住民の回答データを利用する。今夏をめどに結果を出し、07年度に新たな調査の実施を環境庁に求めたいとしている。
(朝日新聞、2006年2月23日朝刊、西部本社第2社会面)
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2006/2/23

薬害肝炎訴訟関連ニュース(2)  公害・薬害・環境・医療問題

(ニュース)
C型肝炎訴訟 原告29人中13人が先行結審 大阪地裁
 血液製剤「フィブリノゲン」などでC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したとして、患者らが国と製薬会社の旧「ミドリ十字」(現三菱ウェルファーマ)などに総額約16億円の賠償を求めた薬害C型肝炎訴訟の口頭弁論が20日、大阪地裁(中本敏嗣裁判長)であり、原告29人のうち13人が先行して結審した。全国5地裁(原告92人)で係争中の薬害C型肝炎訴訟で結審は初めて。
 薬害エイズ、クロイツフェルト・ヤコブ病に次ぐ大型薬害訴訟。22日には福岡訴訟の原告27人中、18人が結審する。C型肝炎感染者は国内に200万人以上と推定され、感染拡大に関する国の責任を問う訴訟の判決に注目が集まりそうだ。
 この日結審した13人のうち女性12人は、81年8月〜88年5月、出産時の大量出血などに止血剤として「フィブリノゲン」を投与されHCVに感染したと訴えている。男性1人は85年4月、新生児ビタミンK欠乏症のため血液製剤「クリスマシン」を投与され、感染したとしている。
 原告側は「国と三菱ウェルファーマなどは、フィブリノゲンが製造承認された64年までに、研究論文などから肝炎感染の危険性と、感染すれば死亡する可能性を認識していた。治療効果が副作用などの危険性を上回る有用性もなかった」と主張している。米国は77年に肝炎感染の危険性を理由にフィブリノゲンの承認を取り消したが、日本では使用が継続された。国は88年6月、同社に「緊急安全性情報」を配布させ、フィブリノゲンは回収されたが、原告側は「この時期まで感染防止措置を怠り、被害を拡大させた」と訴えている。
 これに対し、被告の国と製薬会社側は「有効性はあり、安全対策も可能な限り実施してきた」と主張している。【前田幹夫】
 ▽薬害C型肝炎訴訟 出産や手術の際に止血剤などとして投与された血液製剤でC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したとして、感染者・患者計92人(死亡者含む)が国と製薬会社に賠償を求め、大阪、東京、名古屋、福岡、仙台の5地裁に起こした集団訴訟。HCVは感染者の約7割が持続感染状態となり、慢性肝炎、さらに肝硬変、肝がんに進行する人も多い。訴訟の争点は(1)血液製剤と感染の因果関係(2)血液製剤に治療効果が危険性を上回る「有用性」があったか(3)国と製薬会社は感染の危険性を予見できたのに感染防止措置を怠ったか−−など。
 フィブリノゲンは血液中の凝固因子の名称で、旧ミドリ十字は同名の商品を製造していた。
(毎日新聞) - 2月20日17時13分更新

原告になれぬ悔しさ 薬害肝炎九州訴訟22日結審 投薬記録すでに廃棄
 「原告の後ろには、もっとたくさんの命がある」―。汚染された血液製剤の投与でC型肝炎に感染したとして、九州・沖縄の患者が国と製薬会社に損害賠償を求めた薬害肝炎九州訴訟が22日、福岡地裁で結審する。被害者は1960―80年代に3万人ともいわれる「戦後最大の薬害」。2004年末、国が製剤の納入先医療機関を公表して1年が過ぎたが、カルテが廃棄され投薬の確認ができない感染者も多い。「時間の壁」が被害者の掘り起こしを阻む。
 北九州市小倉南区に住む女性(61)がC型肝炎に感染しているのが分かったのは一九八六年。子宮筋腫の手術を受けた後、黄(おう)疸(だん)が出たのがきっかけだった。疲れやすく、忙しい日が続くと寝込む。肝硬変、肝がんへの進行におびえながら、治療や検査で入通院を繰り返してきた。
 薬害の可能性を考えたのは、止血剤として血液製剤を投与されて肝炎になった患者らが〇三年四月に九州訴訟を起こしてからだ。手術後に医師が「大量出血したので止血剤を使ったが、血が止まらなかった」と話したのを覚えていた。
 すぐに病院に投薬記録の確認を求めたが回答は事務的だった。「二十年近く前のカルテは廃棄済みで、分かりません」。主治医も病院を移っていた。
 〇四年十二月、厚生労働省が公表した血液製剤の納入先リストには、その病院名もあった。「薬害と確信した。でもそれを証明できない」。訴訟への参加は見送らざるを得なかった。
 医師法が定めるカルテの保存期間は五年。厚労省によると、納入先約七千カ所のうち投薬記録が残るのは約7%。リスト公表後、国や都道府県には十二万件以上の問い合わせがあったが「製剤投与が確認された人数は把握していない」(同省血液対策課)という。
 薬害被害者の掘り起こしに取り組む千鳥橋病院(福岡市)の鮫島博人院長によると、カルテが廃棄済みでも、医師の記憶や手術などの記録があれば投薬は証明可能だが「それを知らない医療機関や患者が多い」という。
 女性は進行を抑える注射を週三回打ちながら、裁判を傍聴してきた。病の恐怖や経済的な負担、同じ苦しみを味わってきたのに、原告席と傍聴席の間の柵を越えられないのが歯がゆい。
 原告は「全国二百万人ともいわれるすべての感染者の救済と補償を求める」と訴えるが、国の支援を勝ち取っても、薬害の証明がなければ対象外になるのでは、との不安は消えない。
 「原告の後ろには私のような人間が大勢いることを忘れないでほしい」。二十二日も傍聴席から、被告代理人や裁判長を見つめるつもりだ。
(西日本新聞) - 2月21日2時19分更新

薬害C型肝炎:「身近な問題と感じて」原告女性が手記出版 九州訴訟あす結審 /福岡
 出生時に投与された血液製剤でC型肝炎に感染し、国と製薬会社を相手取った薬害肝炎九州訴訟の原告になっている長崎市の福田衣里子さん(25)が、同訴訟が結審する22日、自伝「It’s now or never」を刊行する。全国5地裁で争われている肝炎訴訟の原告が手記を出すのは初めて。「身近な問題と感じてほしい」という福田さんと女性編集者の思いが重なり、出版に結びついた。【清水健二】
 福岡市の出版社「書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)」代表の田島安江さん(60)が福田さんと出会ったのは04年春。「国民病」といわれる肝炎について本を出せないか考えていたところ、裁判で若い女性が実名を公表したのを知り「何て勇気があるんだろう」と、福田さんを訪ねた。
 同じころ、裁判の傍聴で訪れた福岡地裁で、同年代の知人と偶然再会。匿名の原告だった。自分もかかっていた産科医院で感染していた。「私が被害者にならなかったのは運が良かっただけ」。医学に興味のない人も読んでもらえるような本を作る構想が固まった。
 手記は、20歳で感染を知り、失意の底から再び前を向き歩き出すまでの心境が、素直につづられている。パン職人の夢が破れ「こんなはずじゃなかった」と歯をくいしばった夜。副作用で体が弱り「私はダメ人間だ」と悩んだ治療期間。それでも弁護士や支援者に勇気をもらい「薬害のない社会を作るため声を出していこう」と決意する。
 本のタイトルを日本語に訳すと「今しかない」。行き詰まった時、福田さんが日記の片隅に書いていた言葉だという。田島さんは「明るい語り口が、現実の深刻さをかえって浮き彫りにしている」と話す。
 医師や弁護士の解説も付いて計255ページ。問い合わせは書肆侃侃房092・735・2802。
〔福岡都市圏版〕
(毎日新聞) - 2月21日朝刊

薬害肝炎九州訴訟も結審 原告18人、8月に判決
 汚染された血液製剤でC型肝炎に感染したとして、27人が国と製薬会社の三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)などに損害賠償を求めた薬害肝炎九州訴訟の口頭弁論が22日、福岡地裁(須田啓之裁判長)であり、原告18人分の審理が結審した。
 全国5地裁で係争中の薬害肝炎訴訟で、20日の大阪地裁に続く結審。判決は8月30日に言い渡される。
 弁論で国側は「血液製剤は出産時の突発的な大量出血から多くの産婦を救った。感染の危険性を超える有効性があった」と陳述。
 原告側は熊本市の出田妙子さん(47)が「金もうけのために作られ、しかも効かない薬で肝炎になった。人としての尊厳を回復してほしい」と述べた。
(共同通信) - 2月22日19時31分更新

薬害C型肝炎:九州訴訟結審 「勝訴が患者救済」原告ら、全面解決へ思い訴え /福岡
 薬害肝炎九州訴訟が福岡地裁で結審した22日、実名を公表した原告は、会見で勝訴・全面解決への思いを改めて強く訴えた。弁護団や支援者も、8月の判決に向けてさらなる後押しを誓った。
 「小さい魚でも束になれば、大きな存在にも勝てる。判決の日にはきっと祝杯をあげられる」
 実名を公表して訴訟に参加する福田衣里子さん(25)は強調。国や製薬会社に裏切られたとの思いから、人への警戒心が強まっていた中で提訴。「裁判に勝って心も回復したい」と力を込める。
 小林邦丘さん(33)は「発言を無視する国に憤りを感じた。亡くなった人、病院のベッドで苦しんでいる人のためにも必ず勝ちたい」。山口美智子さん(49)も「闘病生活を振り返るのはつらかった。裁判長は人間として、良い判決を出してくれると期待している」と思いを述べた。
 同夜には支援者団体が「薬害肝炎結審シンポジウム」を福岡市内で開催し、「薬害を二度と繰り返させない」と宣言。患者団体「九州肝臓友の会」の木戸義治さんは「行政に恒久対策を求めているが、姿勢は変わらない。勝訴こそがすべての肝炎患者の救済に結びつく」と訴えた。
 弁護団は23日、被害者の無料電話相談を受け付ける。午前9時〜午後6時で、電話は092・735・1193。【石川淳一】
〔福岡都市圏版〕
(毎日新聞) - 2月23日朝刊
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2006/2/23

薬害肝炎訴訟関連ニュース(1)  公害・薬害・環境・医療問題

(ニュース)
薬害と闘う25歳素顔 原告の福田さん手記 訴訟結審の22日に出版
 《いつも、何かに行き詰まったり悩んだとき、手帳の片隅に書いた。「It’s now or never(今しかない)」》―。汚染された血液製剤でC型肝炎に感染した患者らが、国と製薬会社に損害賠償を求めた「薬害肝炎九州訴訟」原告の一人、福田衣里子さん(25)=長崎市=が四半世紀の人生をつづった手記を出版する。出版日は、同訴訟が福岡地裁で結審する二十二日。長崎弁を織り交ぜるなど軽妙な文体の中にも、薬害肝炎被害の深刻さを際立たせている。
 題名は「It’s now or never」。昨年五月に出会った出版社代表に執筆を勧められ「自分の立場や人生を記録として残し、少しでも多くの人に思いを伝えることができるのなら」と快諾。高校一年のころからの日記や古いアルバムを基に書き上げた。
 福田さんは生まれた直後に血液製剤を投与され、二十歳のときに受けた検査で感染が判明した。高校時代は空手部。大学時代は三カ月間の欧州一人旅にも出た。《未来は、ものすごく高く、宇宙にまで広がっていた》
 二十二歳のころ、投薬治療を開始した。全身のかゆみ、脱毛、発熱…。心身は徐々にむしばまれた。《こんなはずじゃなかった…。就寝後、声を殺して歯を食いしばる。「あ〜ぁ、ムカツク」。ため息ばっかり》
 一方で、実名の公表後、講演に呼ばれるようになったり、地元長崎の医大生らに支援の輪が広がった。《たくさんの人に支えられて今ここに立っていられる。だから、私は絶対に死なない》。苦悩の中にも、感謝と決意の言葉を記している。
 「苦しんでいる患者は多い。この裁判の意味はとても大きいんです」。福田さんは、結審の日に出版する理由を説明した。
 四六判、二百五十六ページで初版三千部。千五百円。全国の主要書店で発売される。問い合わせは書肆侃侃(しょしかんかん)房=092(735)2802。
(西日本新聞) - 2月17日2時27分更新

薬害肝炎訴訟の原告、4割が差別・偏見体験
 血液製剤「フィブリノゲン」などの投与で、C型肝炎に感染したとして、国と製薬会社に損害賠償を求めた「薬害肝炎訴訟」に絡み、東洋大学と日本福祉大学の研究グループが全国の原告に初の被害実態調査を実施、約4割が「差別・偏見を体験した」と回答していたことが分かった。
 高額な治療費もあわせ、時間の経過とともに体だけでなく、社会的、経済的負担が深まっている実態が浮かび上がった。
 調査は昨年2〜4月に実施。原告74人(当時)にアンケートを行い10〜70歳代の男女62人から回答を得た。
 「差別・偏見を経験したか」との問いに、40%にあたる25人が「実際に体験した」と回答。「血液が付くと機械が使えなくなる、と歯科で治療を拒否された」「入院中、使い捨て食器を使わされた」など、医療機関でも感染について誤解しているケースがあった。「会社の内定を取り消された」「中学生の子供が『うつる』と言われて泣いて帰った」などの偏見もあった。
 「日常生活の不安」で、最も多かったのが「経済的問題」の55%。ウイルスを排除するインターフェロン治療や、民間療法などの治療費700万円以上を自己負担した人が3人。なかには約1000万円を自己負担した人も。高額なインターフェロン治療はできないと答えた人もいた。「生活設計が変わった」と回答した人は40%。内容は「母子感染を考え、次の子供をあきらめた」「病気のため、夫が仕事を転職した」など。
 裁判で求めているものは、「国・製薬会社の責任を明確にする」(94%)、「薬害を繰り返さない」(87%)、「医療費助成の充実・強化」(82%)だった。
 研究グループの片平洌彦(きよひこ)・東洋大教授(保健福祉学)は「医療費の助成、治療法の開発など医療体制の整備だけでなく、感染に対する誤解を解くなど社会的サポートも必要」と指摘している。
 薬害肝炎訴訟は全国5地裁で争われ、原告総数は18日現在で92人。大阪地裁は20日、福岡地裁は22日に結審する。
(読売新聞) - 2月19日3時16分更新

<C型肝炎訴訟>原告29人中13人が先行結審 大阪地裁
 血液製剤「フィブリノゲン」などでC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したとして、患者らが国と製薬会社の旧「ミドリ十字」(現三菱ウェルファーマ)などに総額約16億円の賠償を求めた薬害C型肝炎訴訟の口頭弁論が20日、大阪地裁(中本敏嗣裁判長)であり、原告29人のうち13人が先行して結審した。全国5地裁(原告92人)で係争中の薬害C型肝炎訴訟で結審は初めて。
 薬害エイズ、クロイツフェルト・ヤコブ病に次ぐ大型薬害訴訟。22日には福岡訴訟の原告27人中、18人が結審する。C型肝炎感染者は国内に200万人以上と推定され、感染拡大に関する国の責任を問う訴訟の判決に注目が集まりそうだ。
 この日結審した13人のうち女性12人は、81年8月〜88年5月、出産時の大量出血などに止血剤として「フィブリノゲン」を投与されHCVに感染したと訴えている。男性1人は85年4月、新生児ビタミンK欠乏症のため血液製剤「クリスマシン」を投与され、感染したとしている。
 原告側は「国と三菱ウェルファーマなどは、フィブリノゲンが製造承認された64年までに、研究論文などから肝炎感染の危険性と、感染すれば死亡する可能性を認識していた。治療効果が副作用などの危険性を上回る有用性もなかった」と主張している。米国は77年に肝炎感染の危険性を理由にフィブリノゲンの承認を取り消したが、日本では使用が継続された。国は88年6月、同社に「緊急安全性情報」を配布させ、フィブリノゲンは回収されたが、原告側は「この時期まで感染防止措置を怠り、被害を拡大させた」と訴えている。
 これに対し、被告の国と製薬会社側は「有効性はあり、安全対策も可能な限り実施してきた」と主張している。【前田幹夫】
 ▽薬害C型肝炎訴訟 出産や手術の際に止血剤などとして投与された血液製剤でC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したとして、感染者・患者計92人(死亡者含む)が国と製薬会社に賠償を求め、大阪、東京、名古屋、福岡、仙台の5地裁に起こした集団訴訟。HCVは感染者の約7割が持続感染状態となり、慢性肝炎、さらに肝硬変、肝がんに進行する人も多い。訴訟の争点は(1)血液製剤と感染の因果関係(2)血液製剤に治療効果が危険性を上回る「有用性」があったか(3)国と製薬会社は感染の危険性を予見できたのに感染防止措置を怠ったか――など。
 フィブリノゲンは血液中の凝固因子の名称で、旧ミドリ十字は同名の商品を製造していた。
(毎日新聞) - 2月20日13時5分更新

薬害肝炎訴訟、6月判決 大阪地裁、初の結審
 汚染された血液製剤でC型肝炎になったとして、近畿・中四国地方の感染者計29人が国や三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)などに損害賠償を求めた薬害肝炎訴訟の口頭弁論が20日、大阪地裁(中本敏嗣裁判長)で開かれ、原告のうち20−50代の男女計13人について結審した。
 判決は6月21日に言い渡される。
 弁護団によると、2002年10月以降、全国5地裁に提起された薬害肝炎訴訟で結審は初めて。20日、女性2人が新たに提訴し原告数は全国で計94人となった。
 13人のうち実名を公表した愛媛県の会社員武田せい子さん(55)、大阪府岸和田市の主婦桑田智子さん(46)ら5人が最終意見陳述。桑田さんは「出産する女性に何ら有効性の確認されていない血液製剤を使い、肝炎に感染させたことは母性への冒涜(ぼうとく)と言わざるをえない」と主張。
(共同通信) - 2月20日13時13分更新

薬害C型肝炎の大阪訴訟で結審、判決は6月21日
 血液製剤「フィブリノゲン」などの投与でC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したとして、患者らが国と製薬会社に損害賠償を求めた薬害肝炎大阪訴訟の口頭弁論が20日、大阪地裁(中本敏嗣裁判長)であり、原告31人のうち13人について結審した。
 全国5地裁で係争中の同様訴訟で結審は初めて。判決期日は6月21日と決まった。
 結審したのは、近畿、中国、四国に住む20〜50歳代の男女。国と旧ミドリ十字の承継会社「三菱ウェルファーマ」(大阪市)など2社に対し、慢性肝炎患者10人が各6600万円、感染者3人が各3300万円の賠償を求めている。
(読売新聞) - 2月20日15時38分更新

薬害肝炎訴訟 6月に判決 大阪地裁で結審
原・被告双方が最終意見
 ウイルスに汚染された血液製剤「フィブリノゲン」の投与でC型肝炎に感染させられたとして、近畿、中四国の患者二十九人が国や三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)などに損害賠償を求めた薬害肝炎訴訟の口頭弁論が二十日、大阪地裁(中本敏嗣裁判長)で開かれ、被告の国側と原告側の双方が最終意見陳述を行い、原告十三人について結審した。判決は六月二十一日に言い渡される。同訴訟が起こされている全国五地裁で初めての結審。
 裁判では、フィブリノゲンは有効だったか▽国は感染の危険性をいつから認識したか−などが最大の争点になった。
 原告側は、昭和五十二年に同製剤が米国で製造承認を取り消されたことなどをあげ、「有効性はなく、感染危険性も熟知していたにもかかわらず、国は何ら規制しなかった」と主張した。
 これに対し国側は「米国での承認取り消しは製剤の有用性を否定したのではなく、別の製剤による治療が可能と判断したため」とし、「六十二年以前は肝炎発生報告は極めて少なかった」と反論した。
 またこの日、五十歳代と六十歳代の女性患者二人が大阪地裁に追加提訴、全国の原告数は九十四人になった。
≪「尊厳と人生奪った」 桑田さん、国の姿勢非難≫
 「フィブリノゲン製剤は女性の尊厳を奪い、人生を奪った」−。ほとんどの原告が匿名で裁判に参加するなか、実名を公表し、被害者の救済を訴え続けた大阪府岸和田市の主婦、桑田智子さん(46)。二十日の意見陳述では、責任を否定する国の姿勢を厳しく非難した。
 桑田さんは昭和六十一年、妊娠三十週目に出血し帝王切開手術を受けた。このとき投与された止血剤がフィブリノゲンだった。わずか一〇〇〇グラムで生まれた長女は四十時間後に亡くなり、自らも知らぬうちにC型肝炎に感染していた。
 この日の法廷では、「死の恐怖に取りつかれ、今にも発狂しそうになりながらカルテ探しに血眼になった」と、感染を知った当初の心境を吐露。「国と製薬会社は日本中に肝炎ウイルスをばらまき、人生を奪い、今もなお被害者を苦しめている」と非難した。
 さらに、「安心して治療が受けられることをすべての患者が望んでいる。国と製薬会社はすべての肝炎患者を救済してください」と改めて早期救済を訴えた。
 結審後、会見した桑田さんは「命の重みを国にわかってほしい。だから、きょうは命を切り捨てないでと訴えたつもりです。被害者が救済される判決を心から期待しています」と語った。
(産経新聞) - 2月20日16時26分更新
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2006/2/23

パレスチナ、首相にハニヤ氏擁立  イスラエルとパレスチナ、中東

(ニュース)
パレスチナ ハマス、首相にハニヤ氏擁立 創設者側近で穏健派
【カイロ=加納洋人】パレスチナ評議会選挙で圧勝したイスラム原理主義組織ハマスは十九日、自治政府首相にガザ地区幹部のイスマイル・ハニヤ氏(42)を擁立することを決め、アッバス自治政府議長に伝えた。議長は同日、ガザ地区に入り、ハニヤ氏らハマス幹部と組閣や今後の政策などについて協議する。
 ハニヤ氏はハマス創設者の故ヤシン師の側近を務め、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハなどパレスチナ各派と良好な関係を持つ穏健派。対イスラエル政策では現実路線を模索しているとされる。評議会選挙では、ハマスの比例代表名簿の第一位だった。
 首相の任命・罷免権は議長が持つものの、評議会の承認が必要であるため、議長は、評議会で過半数を占めるハマスの意に反した首相任命が事実上できない。そのため、アッバス議長は今後、ハニヤ氏を正式に首相に任命し、組閣を要請することになる。首相任命後、五週間以内に組閣し、評議会の承認を受けなければならない。
 ハニヤ氏は十九日、「議長や各派との対話を図ることが最優先課題だ」と述べ、ファタハを含むパレスチナ各派を取り込んだ連立政権の樹立を目指す意向を示した。
 一方、イスラエル政府は十九日の定例閣議で、今後の対応を協議し、イスラエルが代行徴収した自治政府の税金の送金停止などの対パレスチナ制裁措置を閣議決定した。
 オルメルト首相代行は閣議の冒頭、「ハマスが評議会で最大勢力となったことで、自治政府が事実上、テロリスト政府となったのは明確だ。ハマスの加わるパレスチナ自治政府とは一切交渉しない」と明言。強硬姿勢を強めている。
 制裁措置は、ガザ地区とイスラエル間の検問所の警備強化やハマス議員の移動制限の強化など。イスラエルは制裁措置により、ハマスに対し、イスラエルの存在権を否定するハマス憲章の修正や武装解除を迫る方針だ。
(産経新聞、2月20日12:18)
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