2006/4/12

自公、カネミ油症 仮払い金放棄の方針  公害・薬害・環境・医療問題

(ニュース)
カネミ油症 国、仮払金17億円放棄 救済へ新法も

 自民、公明両党は11日の政策責任者会議で、日本最大の食品公害とされる「カネミ油症事件」で国が被害者に返還を求めている17億円余りの損害賠償の仮払金について、債権を放棄する方針を決めた。今後、与党でプロジェクトチームを立ち上げて、農林水産、厚生労働、環境の各省とともに、新たな立法の必要性などを含めて早急に具体策を詰める。
 与党はすでに、別のプロジェクトチームで健康被害を受けた人に対する救済策の検討を始めている。仮払金の債権放棄は、これとは別の枠組みでチームを設けて、早期の被害者救済を図る。
 仮払金問題は、患者が国を相手にした裁判の中で発生した。下級審の二つの判決が80年代、国の責任を認めて原告829人に総額約27億円を患者に支払うよう命じ、いったん支払われた。ところが国の責任を否定する判決も出て、患者側が最終的に国への訴えを取り下げたことから、国がその返還を求めていた。
 だが、500人を超える患者は、生活費や医療費などで受け取った仮払金を使い切ってしまい、返済する資力もなく17億3400万円分が未返済のまま。患者団体は「高齢化した患者の家計を借金が圧迫している」などと訴え、返還の免除や猶予を求めていた。
 今回、与党が債権放棄に踏み切るのは、新たな救済策をつくるよりも早期に実現でき、実効性も高いと判断したからだ。ただ、国がいったん支払った仮払金への債権を放棄するには、新たな法律をつくる必要が出てくる可能性もある。自民党の甘利明政調会長代理は「仮払いされたものを返せというのは、あまりに気の毒だ」と語った。
 政府はこれまで「すでに仮払金を返した人もおり、債権を放棄することは不公平で難しい」(農水省畜産振興課)との立場をとっていた。だが、同課はこの日の与党の方針について「被害者の大変さは痛いほどわかっている。新規立法で債権放棄の道が開けるならば、反対することはない」と受け入れる構えだ。

キーワード カネミ油症事件
 68年、カネミ倉庫(北九州市)製の米ぬか油を食べた人たちが皮膚炎や内臓疾患などを訴えた食中毒事件。約1万4千人が被害を届けたが、認定患者は今年3月末現在で1892人。
 主因については、ポリ塩化ビフェニール(PCB)を加熱するとできるダイオキシン類の一種、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)と判明した。
(2006年04月12日朝刊、朝日新聞)

カネミ油症 仮払い返還免除を
 「カネミ油症」は、昭和43年、ダイオキシンやPCBが混入した食用油を口にした人たちが皮膚の異常などを訴えた食品公害で、被害者の中には、いったん、国から1人当たりおよそ320万円の損害賠償の仮払いを受けたものの、後にその返還を求められている人たちもいます。12日の自民・公明両党の幹事長と政務調査会長らの会談では、「被害者は高齢化が進んでおり、仮払い金の返還に応じる資力がないなど、窮状を訴える人が多い」といった意見が出され、国は仮払金のうち、まだ返還されていない17億円余りの返還要求を取り下げるべきだという認識で一致しました。そして、与党の作業チームを新たに設置して、返還要求を取り下げるために新たな立法措置が必要かどうかなど、具体的な方法を検討することを決めました。この作業チームでは、仮払い金の問題に加え、国が被害者に対し、何らかの経済的な支援を行うための新たな法案についても、あわせて協議することにしています。(2006年4月12日15:19、NHKウェブニュース)
0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ