2006/8/4

カナ:再びの虐殺(ラフール・マハジャン)  イスラエルとパレスチナ、中東

以下の「益岡賢のページ」より「カナ:再びの虐殺」(8月1日)の記事を転載。
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/

カナ:再びの虐殺

ラフール・マハジャン
2006年7月31日
EmpireNotes原文

小さなレバノンの町、カナ。その住人は、ブッシュ大統領が最も愛する政治哲学者がかつて水をワインに変えた地であると主張している。イスラエルは、このカナに、説明のつかない憎しみを抱いているらしい。
10年前、シモン・ペレスの「リベラルな」イスラエル労働党政府が(「寛容な」エフード・バラクが国防大臣だった)、カナで国連が設置した住宅群に砲撃を加え、106人を殺した。そこには、ペレスが「怒りのぶどう」作戦という爆撃作戦が生み出した50万人ものレバノン人難民のうち数百人が避難していた。イスラエル政府は、それを事故だったと主張したが、アムネスティ・インターナショナルの調査はその爆撃を意図的なものであると結論し、国連のために調査を行ったオランダ人将校も同じ結論を下している。
今回、標的となったのは、アパートの建物で、そこには、「方向転換」作戦が生み出した約100万人の難民のうち60人が暮らしていた。56人の人々----そのうち34人は子どもだった----が殺された。これにより、レバノン人の公式死者数は700人近くになった。イスラエルは、今回もまた、それが事故だったと主張し、近くにあるヒズボラーのロケット・ランチャーを狙っただけだと主張している。
この主張を前に、過去3週間まどろんでいたみなさん、そして、過去にイスラエルがレバノンに対して行った爆撃のあいだまどろんでいたみなさんも、ひと思案するかもしれない。これに関連して、7月25日、ヒヤムの国連ポストをイスラエルが砲撃し、国連オブザーバ4人を殺した事件の状況を指摘しておくとよいかも知れない。6時間にわたって、イスラエルの砲弾が10度、国連ポスト近くに着弾し、そのたびに、国連オブザーバはイスラエル軍に電話をして、イスラエル軍は砲撃を止めると約束していた。それにもかかわらず、なぜかしら、イスラエルは、それを事故だと主張している。
したがって、ここで、イスラエルの崇高なる道徳性とヒズボラのテロリズムとをはっきりと区別したがる人々に、ちょっとした問題が持ち上がることになる。イスラエルは、国連ポストを意図的に攻撃したか----すなわちオブザーバの安全は無視して近隣地域に砲撃を加え続けたか----、あるいは、砲撃があまり正確でなかったか、そのどちらかである。同様に、今回のカナ虐殺では、可能な議論は、イスラエル軍の爆撃がまたも不正確だったということである。その場合、ヒズボラのロケット攻撃----誰もがそれが不正確だと知っている----はテロリズムで、イスラエルが不正確な爆撃と砲弾を使うことは道徳的戦争だと言えるのは、いったいいかなる理由でだろうか? 結局のところ、結果を見るならば、ヒズボラが殺した人々の3分の2は兵士であるのに対し、イスラエルが殺した人々の約90%は民間人なのである。
たぶん、仮にすべてのコメンタリーや分析がかくもばかばかしいまで偏向していないながら、兵器の精度だけが大切な問題だなどとは誰も言わないだろう。もう一つ、重要な事実は、イスラエルが投下する爆弾は、ヒズボラがランダムに撃つ小さなカチューシャ・ロケットよりもはるかに強力だという点である。500ポンド爆弾一発の爆発半径は4分の1マイルに及ぶ。アパートの側に一時的に置かれた移動式ロケット・ランチャーに対して、これほど大規模な武器を用いることが、どうして正当化できるだろうか?
イスラエルの道徳的優越性という馬鹿げた主張を支えるもう一つの主張として、ヒズボラが民間人を人間の盾として使っているというものがある。アメリカ合衆国が民間人を殺すときにはいつも、繰り返し繰り返し聞かされる言葉である。1991年の湾岸戦争のとき、アメリヤ防空壕にアメリカ合衆国軍がおぞましい爆撃を加え、約400人の女性と子どもを殺したときもやはり同じだった。こうして、攻撃の非難を敵に向けようとする。
『USニュース&レポート』のミッチ・プロテロが書いているように、真実は、ヒズボラは民間人を人間の盾に使っているどころか、民間人が被害を受けないように務めている。たとえばハマスやファタハなどと違い、ヒズボラの軍事部門のメンバーは、軍事作戦を行っているときは、自分たちを支持している民間人とさえ、接触しないようにしているのである。
ヒズボラが人間の盾を使っているという主張が、単に、ヒズボラが作戦をサハラ砂漠に飛んでいってそこから戦うのではなく町や村で行っているという意味ならば、たしかにその通りだが、そう言うのは無意味である。イスラエルの地上部隊が侵攻したとき----今回の戦争で何度かやったように----、兵士たちは民間人の家にも駐留する。これはイラクのアメリカ合衆国軍と同様である。イスラエル軍兵士やアメリカ合衆国軍兵士は、ヒズボラが直面している兵器よりもはるかに威力の小さな兵器に直面しているだけなのに、屋根のない地上に駐留を続けることはない。そうした中で、たまに良心に言い訳をするように、民間人を無理矢理そこから避難させ、たとえば100万人の難民を創り出して、何カ月も十分なシェルターも食料も水も医薬品もない状態に追いやり、家に帰ってきても絶え間なく加えられた砲撃で家が破壊されているという状況ならば、それでもなお自分たちが民間人を標的としてはいないなどと、どうして言えるだろう?
子どもたちをハイテク兵器で虐殺する者たちだけが暴力を振るっているわけではない。事実と理性とを前にしながら、暴力を正当化するために珍妙な議論を組み立てる者たちもまた、暴力を振るっている。真実と、人間性に対する暴力を。


ラフール・マハジャンは『ファルージャ2004年4月』の著者の一人。イスラエルによるパレスチナ・レバノン攻撃については、P-navi infoで継続的に情報が更新されています。ぜひご覧下さい。
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2006/8/4

ヒズボラのロケットは、カナから発砲されなかった  イスラエルとパレスチナ、中東

*事実関係はわかりませんが、こうした記事もあるということで紹介します。
カナ空爆で多数の子供達が被害にあったのはたしかなようです。ただイスラエルがわざと民間人をねらったのかどうかまではわからない気はしますが。としても、ヒズボラのミサイルが48時間停戦した後にかなり発射されていて戦力が残っているようであることから考えると、イスラエル軍がヒズボラがいる場所を把握していなくて攻撃していることは考えられるようには思います。


(以下の記事は『阿修羅』より転載。)
http://www.asyura2.com/0601/war83/msg/236.html

2006年8月2日付“ANTIWAR.COM”から引用、訳出。
「ヒズボラのロケットは、カナから発砲されなかった」
Dahr Jamail

カナ、レバノン ― イスラエルの爆撃がカナで少なくとも60人の一般人を殺害したが、カナの赤十字労働者と住民は、ヒズボラのロケットはイスラエルの空爆の前にカナからは発射されなかったとIPS(Inter Press Service)に語った。

イスラエル軍はカナからのロケット砲火に直面したから、数人の人が避難した建物を爆撃したと言う、うち半分以上が子どもなのに。イスラエル軍は、だから彼らが死んだのはヒズボラに責任がある、と言った。

「ここからはヒズボラのロケットは発射されなかった」と、32才のAli AbdelがIPSに語った。「それが真実だから、村の人は誰でもあなたにそう言うよ。」

避難所が午前1時に爆撃されたとき、Abdelは近くの家に避難していた。朝空爆が最終的に終わったとき彼は親族を捜すために爆撃された避難所に戻ったのだ。

彼は、70才の父と64才の母が両方とも中で死んでいるのを見つけた。

「彼らがそこを爆撃したんだ。その後、私は女性、子供たちと2、3人の男性の叫び声を聞いた。―彼らは助けを求めて叫んでいた。だけどそれから、最初の爆弾から1分後に、もう一度爆撃があった。そして、その後には、沈黙だけが。そして村のまわりにはさらに爆撃の音がした。」

避難所への爆撃で数人の家族を失ったカナの30才の建設労働者のMasen Hashenは、カナからヒズボラのロケットは発射されなかったと言った。「彼らが今にしろ、過去にしろもしそんなことをしていたら、我々はみんな立ち去っていただろう。爆撃されるのを知っているのだから。」

ロケットが発射されていなかったからこそ、カナは避難所だったんだ、生存者がそう言った。「ヒズボラがロケットを発射していたら、イスラエルの爆撃がすぐにやって来るのが分かっているから、みんな逃げてしまう」と、Abdelが言った。「ヒズボラの戦士がカナにいないから、みんなは大丈夫だと思っていた。だからそんなわけで、誰でも避難所とその近くの家に泊まっていたんだ。」

近くにあるレバノンの沿岸都市、ティールの赤十字労働者は、ヒズボラがカナからロケットを発射したというイスラエルの主張には根拠がないとIPSに語った。

「我々は、ヒズボラ戦士がいる証拠をカナで見つけられなかった」と、28才のティールの医師で赤十字のトレーニングマネージャーでもあるKassem Shaulanが本部でIPSに語った。「我々が人々を救出したり、死体を村から収容したりするとき、ヒズボラ戦士がもしそこにいたのなら、普通はロケット発射装置とかヒズボラ戦士に出くわすものなのだ。だけど、カナには、そのどちらもが明らかに100パーセント存在しなかった、と言うことができる。」

もう一人の赤十字労働者、32才のMohammad ZatarはIPSにこう語った。「人々がみんな逃げてしまうので、我々はヒズボラがいつ特定の地域からロケットを発射していたかについて知ることができる。しかも、逃げなければならないときは、徒歩なんだ。」

IPSが月曜日にカナの避難所の敷地で人々と面談している間も、イスラエルの軍用機は頭上でうなりをあげていた。近くの爆破からの振動が、多くの建物をガタガタ鳴らした。南レバノンの少なくとも3つの村が、月曜日にイスラエルの空襲で攻撃された。

空爆についての国際的な抗議の後、イスラエルはカナ殺害の軍調査を行うために、48時間の空爆停止を宣言した。

空襲を停止するという偽のイスラエルの声明にもかかわらず、イスラエルの法務相ハイム・ラモンは軍ラジオ放送でこう語った。停止は「どんな形であれ戦争の終結を意味しない」と。

イスラエルは、ヒズボラとの20日間の戦いを終えるための国際的圧力には応じられないと拒絶した。国連は、南レバノンのための新しい平和維持軍についての会議を無期限に延期した。

カナでの一般人に対するイスラエルの爆撃を擁護する間に、イスラエルの国連大使ダン・ギレルマンは、カナは「ヒズボラにとっての中心地」であると国連安全保障理事会に語り、イスラエルは住民に立ち退く訴えた、と言った。

イスラエルのシモンペレス副首相は月曜日ニューヨークで質問に答えて「全くのところ、全くのところ、そいつらの[ヒズボラの]所為による誤りなんだ」と語った。
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2006/8/4

レバノン情勢(高遠菜穂子氏のブログより)  イスラエルとパレスチナ、中東

以下、イラク・ホープ・ダイアリー(高遠菜穂子)より引用。
http://iraqhope.exblog.jp/5397682/

レバノン情勢
現在地、アンマン。レバノン情勢が悪化し、ここアンマンにもレバノンからの避難民が増えているもよう。テレビや新聞も連日、レバノン情勢を特集。やはり、アラブ諸国の中ではとても他人事ではなく、レバノンの子どもたちが大量に殺された写真や映像が連続して映し出されている。どこを見ても、真っ先に殺されていくのは子どもたち。アメリカとイスラエルは「自衛の権利がある」と繰り返すけれど、どこから見てもこれはもう「自衛」の域を超えている。クラスター爆弾、無差別投下。やりすぎ。

レバノン情勢の影響は、イラク人にも出ている。ここヨルダンはもともと小さな国だし、資源たっぷりの中東に位置しながら、どういうわけか資源がまったくない観光立国。隣国はイラクにイスラエル、パレスチナ、レバノン。昨年12月のイラク議会選挙時の調査でも、100万人に近いイラク避難民がアンマンに滞在しているということだった。ヨルダンの財政はとっても厳しい状態。原油高で物価は高騰し、でも給料は上がるわけではなく、ヨルダン人は泣きたい。人口が増えるし、お金のあるイラク人が一斉に不動産を購入し、土地の値段が急騰。アパートの家賃まではね上がる。給料の少ないヨルダン人と、失業中のイラク人は泣きたくなってしまう。ヨルダン政府としては、同胞の受け入れには応じたいが、その懐はもうキャパシティオーバーというわけだ。

アラブ圏の人たちは、原則ビザなしで出入国ができることになっている。もちろん、イラク人もだ。でも、いっぱいいっぱいのヨルダンサイドは、今までにもいろいろな制限をイラク人につけたりしてきた。ビザなし滞在期間を縮小したり、ヨルダン初入国のイラク人は入国が拒否されたり、年齢が若いとか、ファルージャ出身だからとかいう理由で入国拒否をされるということも実際にあった。これは、国境の係官の気分次第というところも少なからずあるようだが……。ヨルダンでの爆破事件の影響というのももちろんある。

しかし、今回はそんな曖昧な制限ではなさそうだ。レバノン攻撃以降、18〜35歳のイラク人男性全員がヨルダン入国拒否になり、パスポートに赤いスタンプが押されているとのこと。いろいろと調べてみたが、これは一時的な措置で、レバノン情勢によるとのことだった。なので、今後一切ヨルダンに入国禁止というわけではないようだ。もし、そうだったら大変だが……。

今回は、そんなこんなでバタバタして滞在はほぼ終わり。プロジェクトミーティングは、出席者は私ひとりで、全員欠席。でも、今月末には、物資輸送第2弾がヨルダンに到着する予定。その時までには、中東情勢が少しでも良くなっていてほしい。もう、殺し合いはやめるべき。新たな憎悪を増やすだけだから。

by nao-takato | 2006-08-02 05:52
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