2006/8/16

改憲論学者の転向はなぜ  時事問題

(昨日の東京新聞より)
■東京新聞  終戦の日に考える 平和主義は百年の公約
 団塊の世代がまもなく一線から退いていきます。戦争は知らないが戦後民主主義育ちの世代。若き現役世代へ伝えるべきは、平和主義は日本百年(とこしえ)の公約の想(おも)いです。
 一九四七年から四九年の間に生まれた団塊の世代の六百八十万人は、四六年十一月公布、四七年五月施行の日本国憲法と誕生と成育をほぼ同じくしてきました。
 「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」(前文)した徹底的平和主義の憲法は、この六十年の間に、不磨の大典から、改正が現実的な政治テーマとなるほどの変わりようをみせています。平和憲法が危ういのでしょうか。
■改憲論学者の転向はなぜ
 慶応大学の小林節法学部教授といえば改憲派の代表的論客として知られてきました。政党、経済団体、マスコミのブレーンを務め、世論づくりに重要な役割を果たしてきましたが、最近になって、その改憲論を棚上げ、改憲阻止へと方向転換してしまいました。転向の理由を聞かないわけにはいきません。研究室を訪ねました。
 小林教授は四九年生まれ。団塊の世代に属し、慶応入学時は学園紛争のただ中でしたが、学生運動を拒否、国会図書館通いに徹しました。生まれついての左手障害のハンディキャップが「生きるための勉強」を決意させたのです。優等での卒業、米・ハーバード大学への留学が憲法探究への道となりました。
 憲法論争といっても、その核心は非戦非武装を宣言した憲法九条への態度と解釈いかんであることは、今も昔も変わりません。
 小林教授の立場は、(侵略は禁止だが)自衛権、自衛戦力保持明記で学界では少数派。このような考えで憲法を明確に書き直すべきだとの自称「護憲的改憲派」で、海外派遣を順次解禁した政府解釈を「政府が最高法について嘘(うそ)をつくことこそ害悪」との考えです。
 憲法をめぐる環境は、九一年の湾岸戦争とソ連崩壊を境に劇的に変化しました。極東の弱小敗戦国から経済大国となった日本には、国際協力と国連平和維持活動への積極貢献が求められ、改憲論争のタブーがとかれていきました。
 小林教授の「憲法改正私案」公表が九二年、講師を務めた読売新聞の憲法改正試案が九四年、自民党の憲法調査会の勉強会への参加となっていきました。しかし、この権力サークル内での活動と若手議員たちとの接触体験が統治する権力側への不信となっていきました。
■9条以前に本体が危うい
 苦労知らずの二世、三世議員。決定的だったのは、根幹の憲法観をめぐるその姿勢にありました。
 「憲法は権力を縛るもの」−。この立憲主義こそ近代憲法の原理原則であり、人類が歴史から学び、たどりついた英知でもありました。
 人間は不完全な存在で、内に無限の欲望をもちます。個人の能力を超えた権力を与えられた政治家、公務員は暴走し、国民を苦しめます。それゆえに権力にたがを嵌(は)める立憲主義は、小林教授にとって「人間の本質に根ざした真理」であり「統治者が身につけるべき常識」でした。
 ところが、権力に近い世襲議員たちの憲法観は、憲法をつかって国民を縛ろうというものでした。「国を愛せ」「家庭を大切に」と道徳にまで介入しようとするその“新しい憲法観”は、その実、明治憲法への逆行でした。
 小林教授には、この国のなかに「国家とは私」「まるで自分たちが主権者だった明治天皇の地位にいるような古い感覚」の特権階層が生まれたことが、心底からの驚きでした。
 立憲主義の本質をわきまえない政治権力ほど恐ろしいものはありません。自分たちは安全地帯にいながらの歯止めなき海外派兵ともなるでしょう。
 かつての小林教授自身が、自分が戦争に行くなどと考えもせず、九条論を戦わせていた体験があるから分かるのです。
 「九条以前に憲法本体が脅かされている」が小林教授の危機感で、その怒りは、平和を叫ぶだけで真の憲法教育を怠ってきた護憲派にも及びました。
■立憲主義を国民の常識に
 国民が十分成熟するまでの憲法改正封印が小林教授の真意。「われわれ団塊の世代にはまだしばらく時間がある。もう一度、立憲主義の原点にかえって、正しい言葉で後の世代に語り残す責任がある」とも。
 「憲法は百年は改正すべきではない」というのは平山正剛日弁連会長。兄二人を戦争で亡くし、戦争のない平和な社会をとの母親の願いがあった。アジアへの侵略の歴史。
 「憲法九条があれば近隣諸国は日本から仕掛けてくることはないと思うでしょう。あと四十年。論語にも『徳は孤ならず必ず隣あり』とある。分かってくれるはずだ」という。
 徹底的平和主義はアジア諸国への百年、いや永久(とこしえ)の公約であり、国内への拘束に思えます。


*改憲派の小林節教授をして考えを方向転換したというのが興味深い話だったので掲載しました。以下のマガジン9条でも小林教授のインタビューがあります。

マガジン9条『この人に聞きたい』小林節さん(1)
http://www.magazine9.jp/interv/kobayashi/index.html

マガジン9条『この人に聞きたい』小林節さん(2)
http://www.magazine9.jp/interv/kobayashi/index2.html
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2006/8/16

レバノン情勢関連ニュース(2)  イスラエルとパレスチナ、中東

<レバノン>ヒズボラ指導者、武装解除反対を表明
 【エルサレム樋口直樹】レバノンからの情報によると、同国のイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの指導者ナスララ師は14日夜、イスラエルとの停戦発効後初めてテレビで演説し、対イスラエル戦での勝利を宣言する一方、現時点での武装解除に反対する考えを表明した。
 ナスララ師は「我々は戦略的、歴史的勝利を前にしている。我々の敵(イスラエル)は敗者だ」と主張。レバノン政府などが停戦受諾を機にヒズボラの武装解除について協議しようとしていることについて「精神的にも、道徳的にも(協議の)時期を誤っている」と批判した。
 先に国連安保理で採択された停戦決議は「レバノン政府の同意無しにいかなる武器も存在せず、同政府以外のいかなる権威も認めない」ことを明記しヒズボラに武装解除を迫っている。
 安保理決議はまた、既存の国連レバノン暫定軍(UNIFIL)を増強し、レバノン政府軍とともにヒズボラの拠点であるレバノン南部へ展開することを定めている。これに対しナスララ師は「レバノン軍や国際部隊(UNIFIL)にレバノンを守ることはできない」と述べ、ヒズボラの存在意義を誇示した。
(毎日新聞) - 8月15日10時14分更新

ヒズボラが敗北=イランとシリアは支援停止を−米大統領
 【ワシントン14日時事】ブッシュ米大統領は14日、国務省で記者会見し、国連安保理決議に基づく停戦がレバノンで発効したことを受け、イスラム教シーア派武装組織ヒズボラが敗北したと言明した。また、イランとシリアに対し、ヒズボラへの支援停止を改めて求めた。 
(時事通信) - 8月15日9時1分更新

共存訴えた作家の息子…戦死 イスラエルに衝撃
 イスラエルとパレスチナの共存を呼びかけてきたイスラエルの著名な作家で平和運動家としても知られるデビッド・グロスマン氏(52)の子息が、レバノン南部の激戦で戦死し、イスラエル社会に衝撃を与えている。
 死亡したのはウリ・グロスマン2等軍曹(20)。グロスマン氏は10日、記者会見を開き、「直ちに戦闘を停止し、交渉にチャンスを与えるべきだ」と述べ、オルメルト首相に地上作戦拡大を思いとどまるよう訴えたところだった。
 同氏は1987年、ヨルダン川西岸のルポルタージュ「黄色い風」(邦訳「ヨルダン川西岸−アラブ人とユダヤ人」)で、占領下のパレスチナ人の生活や考え方をイスラエルに紹介、パレスチナ人との共存に向けてイスラエル世論に大きな影響を与えた。(カイロ 村上大介)
(産経新聞) - 8月15日8時2分更新

停戦の喜びの先に国家不信 ベイルート市民の複雑な表情
【アルジャジーラ特約15日】レバノン国民は14日からの停戦に対して、警戒心を保ちながらも安堵(ど)の反応を示し、多くの人たちがほぼ5週間続いた戦乱の後、暮らしが正常化されることを期待している。
 ベイルートでは経済活動が再開され、ここ数週間で初めて市内の通りは車の混雑が起きた。南部から逃げていた数千人の避難民は避難所にしていた学校や公園を離れた。
 西ベイルートのサナイエ公園では、多くの家を追われた人々が出て行き、残った人たちも、向こう数日のうちに家へ帰るつもりだと話していた。
 この公園で救援活動に従事していたボランティアのサージュン・カンタルさんは「人々は普通の暮らしに戻りたいとはやる気持ちでいます」と話した。
 しかし、中には自分たちの家が残っているかどうかわからないという人もいた。
 ハッサン・イエヒアさんは、クファール・キラ村の、イスラエルとの国境線から5メートルしか離れていない家から逃げてきた。「我が家に何が起きたか、わかりせん。いろんな情報が届いていますが、イスラエルの砲弾が当たったという人もいるんです」。
 しかし、彼は家、財産が失われることについて心配はしていない。先のイスラエルによるレバノン攻撃に関連して、「こんなことには馴れています。1978年と82年、96年にも起きたことですから。今度が最初だったらショックでしょうが、今は馴れてしまってますよ」と言う。
 イエヒアさんの自制的な態度は他の人とも同じである。
 ベイルート南郊、ハレト・フレイク地域では、住民たちはイスラエルの激しい爆撃があたり一帯を襲い続けたのに対し、自分たちの家が助かっているかどうか見に、戻って来ていた。
 この地域はヒズボラの司令部があったところで、黒服に身を包んだ武装要員がいたるところで見られた。建物のあちこちから今も立ち昇る有毒ガスを避けるため、多くの男たちは外科手術用のマスクをしていた。
 ある場所では、街の通りが完全に消え、山のような瓦礫に変わっていたし、破壊から無傷のものは何もなかった。
 悪臭があたりに広がっていたが、ヒズボラの戦闘員たちは、瓦礫の中に遺体が残っているようなことはないと言っていた。
 破壊にもかかわらず、地域住民の多くは浮き浮きした気分で、若者たちはヒズボラの最高指導者、ハッサン・ナスララー師の写真を持ち回っていた。
 ハレト・フレイクに住むカレド・バラカットさんは「イスラエルが勝てなかったのだから、こっちが勝ったんだ」と話した。彼は爆撃の間、地域を離れなかったという。
 他の人たちはそう強気にはなり切れなかった。ある人は「私のビルは壊されてしまったのだから、戦争の勝者はいない」と語った。
 戦乱がどうやら終わったという安堵の思いとは別して、レバノンの多くの人たちは、この国の将来に対して心配している。イスラエルとの停戦は弱体で、この国への封鎖態勢は依然、残っている。
 レバノン政治の均衡はますます弱くなっており、ヒズボラがイスラエルとの戦争を勝手に起こしたと非難する人たちと、ヒズボラはイスラエルの侵攻に抵抗する権利があると言う人たちの間にギャップがある。
 ナスララー師のテレビ演説が14日夕、あり、同師が自分の党がイスラエルを打ち負かしたと言うと、祝賀の発砲が起こり、花火が上がった。ヒズボラ支持者は、これまでアラブに対して完勝し続けてきた国に対して、ヒズボラが対抗していけることを証明したと主張している。
 片や、それほど確信を持てずに、1100人以上のレバノン民間人が死に、この国が総額50億ドルの犠牲を支払ったと指摘する人もいる。
 英語のビジネス誌「エグゼクティヴ」のマイケル・カラム編集長は「今回の衝撃は時代を画するものだ。1カ月で、この国は組織的に解体されてしまった」と語る。
 「信用という面でいうと、この国のさまざまな部門の多くに大きな影響を与えた。観光産業を例に挙げれば、今、この国に休暇で来ようという人がいるだろうか」。(クリスチャン・ヘンダーソン記者:翻訳・ベリタ通信=日比野 孟)

イスラエル参謀総長、開戦前に「株売り抜け」疑惑
 【エルサレム=三井美奈】15日付イスラエル紙マアリブは、同国軍のホルツ参謀総長が7月12日にヒズボラへの攻撃を始める直前に、所有株式を売却していたと報じた。
 テルアビブ株式市場の平均株価は開戦から2日間で8%以上下落しており、参謀総長の「売り抜け疑惑」が浮上している。
 同紙によると、ホルツ氏が電話で12万シェケル(約300万円)の株式売却を指示したのは、ヒズボラがイスラエル軍兵士を拉致した3時間後だった。ホルツ氏側は売却の事実を認めた上で、「この時点では戦争を予想していなかった」と主張したという。イスラエル軍は15日、この報道内容を確認するとともに、「個人的な問題だ」とする声明を出した。
 同株式市場の平均株価は過去5年間で2倍に値上がりしており、国内は株式ブームに沸いている。
(2006年8月15日19時57分 読売新聞)

<イラン大統領>停戦を「レバノン勝利」とたたえる
 【テヘラン春日孝之】イランのアフマディネジャド大統領は14日の閣議で、イスラエル軍とヒズボラの停戦発効について、「レバノンは一連の戦闘を通して目覚ましい抵抗を示した」と述べ、レバノンを勝利者だとたたえた。国営イラン通信が伝えた。
 大統領は停戦の背景に関して「国連安保理は、シオニスト政権(イスラエル)が敗北しつつあるという状況が判明したため、戦争終結のため(レバノンにとって)不公平かつ一方的な決議を採択した」と説明した。
 また大統領はイスラエルと米英に対し、レバノンの国民と政府が被った損害を補償すべきだと要求する一方、「イランはレバノン難民を受け入れ、国の復興を支援する用意がある」と表明した。
 さらに「(今回の戦闘により)シオニスト政権の軍事的無敵の神話は崩壊した。ヒズボラの揺るぎない信念と抵抗に感謝する」とし、今後この地域の勢力均衡図が変化するとの見通しを示した。
(毎日新聞) - 8月15日19時38分更新

<イスラエル>占領拠点の一部、国連暫定軍に明け渡しへ
 【エルサレム海保真人】イスラエルの各メディアは15日、イスラエル軍が一両日中にレバノン南部の占領拠点の一部を国連レバノン暫定軍(UNIFIL)とレバノン政府軍に明け渡すと報じた。イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとの停戦が続くうちに本格的な部隊撤退を早めたい方針という。だがヒズボラは既にレバノン市民にまぎれて南部に帰還し始めているとの情報もあり、警戒の度を緩めていない。
 イスラエル軍は停戦が発効した14日、南部から一部部隊の撤退を始め、レバノン側の報道では15日までに、国境から北へ約12キロの町マルジャユーンと同約15キロのガンドゥリエから撤退した。だが、これらは兵員の削減という意味合いが強く、20カ所以上といわれる占領拠点は保持したままだ。イスラエル政府はUNIFILとレバノン政府軍が展開するまで、主要拠点にはとどまる姿勢を強調している。
 各報道によると、同軍は「比較的重要でない」小規模の拠点を優先的に、当初の想定よりも早く明け渡しを始める方針だ。既にUNIFILとレバノン政府軍との3者協議は進んでいる。理由としてはUNIFILの後続の展開を早急に促したいほか、非常時に際して招集した大勢の予備役兵の任務を解除したいとの考えがあるという。
 だが、増強されたUNIFIL全体の展開完了には10日以上かかるとの見方がある一方、レバノン政府はリタニ川以南の国境直近地帯への政府軍の展開時期を明示していない。
 イスラエル紙マーリブによると、多くのヒズボラのメンバーは14日、難民にまぎれて南部の活動場所へ戻り始めた疑いがあるという。イスラエル軍と政府は特にヒズボラの活動再開を懸念しており、情勢をにらみながら拠点の明け渡しと本格撤退を進めることになりそうだ。
(毎日新聞) - 8月15日20時46分更新

イスラエル軍が撤退開始、レバノン軍は17日にも展開
 【ベイルート=柳沢亨之】レバノンのハマデ通信相は14日、欧州メディアとの会見で、イスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエル軍の停戦を定めた国連安保理決議1701に基づき、レバノン国軍が「48〜72時間以内に」ヒズボラが実効支配するリタニ川以南への展開を始める、との見通しを明らかにした。
 同決議によれば、イスラエル軍の南部撤退と並行して、レバノン国軍と国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が南部に展開することになっている。1万5000人規模に増強されるUNIFILの展開日程は明らかになっていない。
 またヒズボラのナスララ師は14日のテレビ演説で、決議が求める自派の武装解除を拒む姿勢を強調。レバノンのムル国防相も同日、レバノン国内報道機関に「国軍の展開目的は武装解除ではない」と言明した。
(読売新聞) - 8月15日23時55分更新
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2006/8/16

レバノン情勢関連ニュース(1)  イスラエルとパレスチナ、中東

(ニュース)
[レバノン]ヒズボラの影響力強まる 
停戦発効で「ヒズボラの勝利だ」――。レバノン南部最大のヒズボラ拠点としてイスラエル軍の激しい攻撃を受けたナバティエでは停戦発効後の14日、多くの市民が記者の取材にこう答えた。だが、一部住民の言葉の端々には1カ月余の戦闘を通じてレバノン社会で発言力を増した「ヒズボラの影」に対するおびえも感じられた。
(毎日)2006年08月14日23時31分

[レバノン情勢]「停戦」発効 1250人余の死者出し収束
 イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの停戦が14日午前8時(日本時間同日午後2時)発効した。7月12日のヒズボラによるイスラエル兵拉致に端を発し、双方で1250人余の死者を出した軍事衝突は1カ月余で国連安保理の仲裁によりようやく収束に向かうことになった。(毎日)2006年08月14日22時01分

「イスラエル軍の空爆、砲撃が止んだ」 静けさ戻ったレバノン南部
 【アルジャジーラ特約14日】イスラエル軍による空爆、砲撃を受けていたレバノン南部では、約1カ月ぶりに静けさが戻った。現地時間14日午前8時(グリニッジ標準時同午前5時)、イスラエル軍とヒズボラ(イスラム教シーア派民兵組織)との停戦が発効すると、約30分前まで鳴り響いていた空爆、砲撃音が魔法にかかったように消え、周囲に静けさが広がった。
 同南部の情報筋はロイター通信に対し「午前8時を迎えると、突然、辺りが静かになった」と、国連安全保障理事会の決議に基づく停戦が予定通り発効、実施された直後の様子を語った。
 レバノン南部の港町ティールでは、7月12日の「開戦」以降、外出禁止令が出されていたが、市民たちは停戦発効とともに家々から次々と姿を現し、静けさを取り戻した町の空気を胸いっぱいに吸い込んでいた。 
 レバノンの首都ベイルートの公園やキャンプでは、イスラエル軍の砲撃などを避けるため身を寄せていた避難民たちが、手に大きな荷物を持ちながら姿を見せ、数週間ぶりに我が家に戻っていった。とはいえ、避難民の多くは自分たちの家が無事なのかどうかは分かっていない。
 レバノン政府のアズル財務相はこの日、フランスのテレビ局の取材に対し「ベイルートで停戦が実施された」と言明するとともに、「国境地帯や交戦のあった地域の状況は落ち着いている」と強調した。
 これに対し、イスラエル軍当局者は14日、同軍部隊が侵攻していたレバノン南部地域から撤退を開始したと明らかにした。しかし、同軍は、ヒズボラへの武器搬入を阻止するため、当面、ベイルート周辺を閉鎖状態に置くことにしている。
 今回の停戦に関し、イスラエル軍およびヒズボラは「停戦を守る」としながらも、自衛の権利は行使するとそれぞれ言明している。
 また、イスラエル軍機は停戦入り直前、「レバノン国民へ告ぐ。イランとシリアと組んでいるヒズボラは、レバノン国民を地獄の淵に追いやっている」などと書かれたビラを空中からまいた。
 さらにこのビラは「イスラエル軍は撤退するが、レバノンからイスラエルを脅かすテロ行為がなされれば、イスラエル軍はこれに断固とした措置を講じる」と警告している。フランスのAFP通信によると、ベイルート市民たちはこのビラを手にすると、直ぐに破り捨てていたという。
 一方、今回の停戦入りを前に、イスラエル軍およびヒズボラ側は「開戦」以来、最大級の交戦を展開した。レバノン警察によると、イスラエル軍の空爆で13日にはレバノンで市民17人、兵士4人が死亡した。 
 イスラエル軍当局者によると、ヒズボラ側は13日、ロケット弾250発をイスラエル領内に撃ち込み、市民1人が死亡、90人が負傷した。同国北部のハイファはこれまでで最も激しいロケット弾攻撃を受けたという。
 また同日、レバノン南部ではヒズボラとの交戦で、イスラエル軍兵士7人と同予備役兵2人の計9人が死亡した。
 イスラエル軍は開戦以来の戦闘でヒズボラの戦闘員530人を殺害したとしているほか、今回の戦闘ではレバノン市民約1000人、イスラエル軍兵士114人を含む同国人154人が死亡したとされる。(アルジャジーラ/翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2006年08月14日18時39分

ヒズボラ「勝利宣言」…指導者ナスララ師がビデオ声明
 【ベイルート=柳沢亨之】イスラム教シーア派組織ヒズボラ指導者のナスララ師は14日夜、自派のテレビ「アル・マナール」でビデオ声明を発表し、同日朝に停戦したイスラエル軍との戦闘でヒズボラが「戦略的、歴史的勝利」を収めた、と述べた。
 支持者やアラブ大衆を鼓舞するとともに、停戦後の発言力強化を狙ったものとみられる。
 同師はまた、「レバノン国軍や国際部隊ではレバノンを防衛できない」と発言、国連安保理の停戦決議のうち「ヒズボラの武装解除」の項目を拒否する姿勢を鮮明にした。
 ヒズボラ拠点のベイルート南郊には同日夜、ヒズボラの黄色い旗を多数掲げた車列が幹線道路に繰り出し、クラクションを鳴らした。
(読売新聞) - 8月15日13時49分更新

レバノン 住民口々に「本当に戦争終わるか」 南部ルポ
拡大写真
「1カ月でモスクを再建して見せる」。イスラエル軍の空爆で破壊されたサイダ市内のモスクで信者たちは怒りをぶちまけていた=14日、澤田克己写す 
 【サイダ(レバノン南部)山科武司、澤田克己】国連安保理のレバノン停戦決議が発効した14日朝、イスラエル軍の空爆に再三さらされたレバノン南部サイダに入った。「本当に戦争が終わるのか」「もうおしまいにしてほしい」。1カ月余の軍事衝突で各地に廃虚が残るレバノン第3の都市サイダ。長引く戦火に疲れた表情で住民は不安と期待を口にした。当面の戦闘停止が長期的な平和につながる光明はまだ見えていない。
 ベイルートから南へサイダまで約45キロ。通常1時間足らずだが、中央幹線道路は爆撃によって各所で寸断され、砂利道への迂回(うかい)を余儀なくされた。サイダまで18キロの地点では橋の3分の2が破壊され、車1台がやっと通れる幅の道を南北からの車が交互に渡る。南へ向かう車には避難民が故郷に戻るのか荷物を満載した車両が目立った。
 12日にサイダ郊外の送電所が空爆され、付近一帯は電気のない状態が続く。サイダ中心部でクリーニング店を営むサミール・バラジーさん(32)は停電で真っ暗な店内で「停戦にはなったがイスラエルがいつまたミサイルを撃ち込んでくるか分かったものじゃない。まだ戦いは続いているよ」と硬い表情を崩さなかった。
 破壊された送電所近くで薬局を営むナディール・バージリさん(26)はめちゃくちゃに破壊された店の前で「4発のミサイルが送電所に撃ち込まれた。本当にこれで戦争は終わるのか。私の損害は甚大だ」と頭を抱える。付近に住む元赤十字看護師のナーヘ・ジョルリディさん(72)は「停戦は本当に良かった。これが私にとって6度目の戦争。もう戦争はこれで終わりにしてほしい」と疲れた表情だ。
 サイダ南方のイスラム教シーア派のモスク(イスラム礼拝堂)「モジャーナ・モスク」。13日前の空爆で破壊されたという宗教施設と研究・教育機関が無残な姿をさらしている。モスク警備員のアッバスさん(43)は「イスラエルは我々の宝(モスク)まで踏みにじった」と怒りがおさまらない。「イスラエルが決議を尊重するとは思えない。きっとまた攻撃を仕掛けてくる」と語気を強めた。
 サイダに向かう道端にはイスラエル軍が投下したビラが散乱していた。「ベイルート市民へ。テロリスト・ヒズボラはまだロケット砲を発射しており、イスラエル軍はヒズボラから身を守る戦いをやめない」などと書かれていた。一方、サイダの町の入り口で若者2人が配っていたチラシには「我々は敵のミサイル攻撃に打ち勝った。しかし彼らは違法な攻撃をやめようとはしていない。くれぐれも注意するよう」などと書かれていた。ヒズボラ側のビラだった。砲弾による戦闘は表面上は鳴りを潜めたが、紙つぶてによる神経戦は続いている。
(毎日新聞) - 8月15日10時19分更新
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2006/8/16

イスラエルに軍事行動の自重を求める署名のお知らせ  イスラエルとパレスチナ、中東

(以下の吉雄777さんのブログより転載。)
http://plaza.rakuten.co.jp/yoshio777/

最初の*の間は、下記英文の日本語です。
よく読んでいただいて、同意である方は英文の部分のみ、コピペや部分指定印刷をして、英文の「Signatures 」以下に 名前と住所を書いて
(日本語の部分のみ送ると、通じなかったので無効となる場合があります)

送り先・日本では
イスラエル大使館経済部
電話:03−3264−0398
FAX:03−3264−0829
問合せメール:tokyo@moit.gov.il

イスラエルなら
FAX :+972-3-514-2881 (国際識別番号=001とか、を頭につけないといけません)
E-mail :michal@export.gov.il

へ送ってください。
複数人数での署名は、改行して同じ用紙に書いても大丈夫です。

この記事は転載お願いいたします。

(なお、状況が変わっているところは修正して送ってください。)

*************************************************************

レバノンとイスラエル間の紛争再燃に対して イスラエル政府に対し、過剰な軍事行動の自重を要求し、とくに無罪の一般市民への攻撃をやめて頂くよう、ここに要求致します。

2006年8月

<背景>
2006年7月12日、レバノンの抵抗組織であるヒズボラによる軍事作戦により、二人のイスラエル兵士が捕虜となりました。ヒズボラは、イスラエルに占領されたままになっているShebaa農場と呼ばれるレバノンの領土開放を目的に組織されています。

この軍事作戦が行われた直後、ヒズボラは、今回拿捕されたイスラエル兵士と、イスラエルに収監されているレバノン人囚人との交換の意向を表明しました。イスラエルに収監されているレバノン人の一人はすでに28年間もの間、捕虜なのです。

このような政治取引は、過去にすでに行われたことがあるにも関わらず(例えば1998年と2004年に捕虜交換が実施されています)、イスラエル政府はこの選択肢を拒否し、代わりに暴力による応酬の道を選びました。

二人の兵士が捕虜となった反応として、イスラエル軍は一斉同時砲火を開始し、翌日には空爆も開始したのです。その結果、レバノンの南部の陸および沿岸部は激しい爆弾にさらされ(注:現在では、首都および北部まで広がっています)、被害地はヒズボラの拠点を含むと言うものの、その爆撃は、市民の公共施設や市街居住地域を避けませんでした。民間施設であるベイルート国際空港までもを爆撃し、空港は閉鎖されてしまいました。さらに、テレビ局報道者や、赤十字の救急救護チームも攻撃されています。

<要求>
まず、この状況に対するイスラエル軍の過剰で均衡を欠いた反応に注目したいと思います。二人の兵士が捕虜になったことは、無実のレバノン人市民を殺すことの理由には決してなりえません。もちろんレバノンの市民の生活基盤(インフラ)を破壊することの正当化にも、決してなりません。そのようなインフラの破壊は、レバノン人の生活・そして将来の経済に深刻なダメージを与えるでしょう。
今回に限ったことではありませんが、イスラエルは常に、戦争における法の基本を遵守せず、不要に人を苦しめることを躊躇なく行います。その際、この過剰な軍備をもつ「イスラエルの自衛」を、いつも口実にするのです。
今、私たちが、国際社会の人々を通じて、イスラエル政府とイスラエル軍へ要求したいのは、状況に釣り合った節度ある行動をとってほしいということと、そして罪のない市民や施設を爆撃の対象にしないでほしいということなのです。


署名
名前 住所
*************************************************************

以下英文・ここから下を印刷してFAXで送ってください。

*************************************************************
Reaction to the flare up of violence
between Lebanon and Israel

Demanding proportionate response from Israel
and the sparing of innocent civilians

August 2006


Background Information

On the 12th of July 2006, two Israeli soldiers were
captured in a military operation carried out by
Hezbollah, the Lebanese organized Resistance group
whose aim is to liberate what remains of Lebanese
territory still occupied by Israel (the Shebaa Farms).
Immediately after the operation, Hezbollah has
expressed their will to exchange the Israeli soldiers
with Lebanese prisoners detained in Israel jails, one
of them since 28 years. The government of Israel has
rejected this option, even though it has already occurred
in the past (1998 and 2004 for instance), and instead,
has chosen to seek a violent response.

In reaction to the capture of its two soldiers, the Israeli
army has launched simultaneous strikes, the next day, by air,
land and sea and heavily bombed Southern Lebanon, including
Hezbollah positions and bridges, but without sparing civilian
facilities and habitations. Even the civilian international
airport was bombed and is now closed.
Moreover, four television reporters and Lebanese Red Cross
first aiders were targeted.


Reaction

We wish to stress on the disproportionate nature of the Israeli military response in regard to the situation.
The capturing of two Israeli soldiers does not legitimate
the killing of innocent Lebanese civilians and the targeting
of Lebanese civilian infrastructure which will hardly affect
the Lebanese economy. As usual, Israel does not respect the
basic rules of the Law of War and does not bother to spare
unnecessary human suffering in pretext of defending its
over-militarized country.

We call upon the international community to demand restraint
and proportionality in the way Israeli government and army
are responding to the situation and, furthermore, to spare
civilian lives and facilities.


Signatures

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以上英文・ここから上を印刷してFAXで送ってください。

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こちらから署名もできます。
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